2015年5月19日
サンゴリアスラグビー大辞典 #230“特別編”『選手交替 その3』宮本啓希
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「選手交替」その3(解説:宮本 啓希)
交替して「流れを変える」ということを期待されて入る時は、だいたい負けている時なので、やはりサントリーで言えばテンポアップすることが大事だと思います。サントリーが作ろうとしているシェイプが出来ていなかったりとか、1人目が接点で前に出られていなかったりとか、そういう理由が多いので、サントリーがつくりたい形がつくれていない訳です。
そこで何をしなければいけないかと言えば、「1人目がしっかり前に出る」というところに自分がフォーカスして入ったり、「シェイプをつくるためにコミュニケーションをとろう」ということを頭に置いて入ったりします。良い時に替わった場合は、もう何でも出来ます。どこにでもスペースがあるし、ラスト15分、20分、楽しくラグビーが出来ます。「いつでもボール来い!」っていう感じです。
試合の全部に出場するのと、交替で入った時の疲労度は、まったく違いますね。交替で入って短い時間しかプレーしない場合は、疲れ方が全然違います。例えば替わって入った最後の15分、ずっとアタックしている時などは、ディフェンスがない訳ですし、コンタクトも少ないです。疲労度は大幅に違いますが、でもその15分間をしっかりプレー出来ていれば、「物足りない」ということはないですね。それが交替して入った選手の役割です。
ただ、誰でも「先発で出たい」という思いはあると思います。ですから、両方ですね。そういうことに関してはもちろん満足はしていないし、でも時間が少ない分、プレー回数、ボールタッチの回数、ディフェンスの回数も少ないと思うので、そのチャンスでどれだけ自分が納得するプレーをするかということだと思っています。
<了>