2015年4月16日
サンゴリアスラグビー大辞典 #222“特別編”『ハーフタイムその1』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「ハーフタイム」その1(解説:日和佐篤)
ハーフタイムになったら、まずは早くリカバリーするために、グラウンドからジョグで戻るということを意識しています。いち早くロッカーへ戻って、リカバリーします。ロッカーへ戻るまでは、いろいろと考えず、ロッカーへ戻ったら「どこが良かった」「ここはこうだ」という話をコーチを交えてします。
ロッカーへ戻って、最初の3、4分はリカバリーに時間をかけます。個人のリカバリーの時間です。そこからユニット(ポジションごとのグループ)に分かれて、コーチからの話を聞きます。スタンドの上から見た感じと、グラウンドレベルの感じ方の隙間を埋めていきます。その後、チームでどう後半を戦っていくかということを話します。リーダー、監督、コーチが喋って、それから円陣を組んで、再びグラウンドへ出ます。ハーフタイムは10分間なので、移動の時間を差し引くと、ロッカーにいる時間はトータルで8分間ぐらいでしょうか。グラウンドに出たらあとは選手たちの判断になるので、監督やコーチと細かく話しが出来るのは、試合前とハーフタイムしかありません。
個人のリカバリーは、トレーナーにケアしてもらったりしますが、ケアの必要のない人は、体の熱を取らなければいけないので、冷たいタオルをかぶったり、氷で体を冷やしたりします。水分も補給しますし、後半になるとエネルギーが切れてくるので、エネルギー系の栄養も摂ります。涼しくなってくるとだいぶ楽になりますが、夏場の試合は特に熱がこもってしまうので、ハーフタイムはその「熱を取るのに忙しい」というイメージです。
話し合う時には、僕はスクラムハーフなのでバックス、フォワード両方に関係してきますので、最初はバックスで話して、フォワードに話したいことは、フォワードのリーダーに伝えます。バックスでは9番、10番、15番が話すことが多いですね。
「ロッカーアウトまであと何分」というのは、担当のコーチなどが都度コールして教えてくれます。だいたいハーフタイムの時間は体に染みついているので、感覚的にも分かりますが、ひとりのコーチがタイムキーパー役をやってくれているので、常にあと何分というのは意識することが出来ます。