2015年4月 7日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #219 “特別編”『タイムアウト』竹下祥平
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「タイムアウト」(解説:竹下 祥平)
レフェリーが試合中に時計を止めるタイムアウトは、レフェリーが頭上で時計を止めるポーズをして、「タイム・オフ」とコールしてから始まります。また、再び時計を動かす時には、同じポーズで「タイム・バック・オン」とコールします。タイムアウトは主に選手の負傷、夏場の試合では水分補給のためのウォーター・ブレイク、そしてテレビジョンマッチオフィシャル(=TMO)の時などに出ますが、その間に選手がどうしているかということを、テレビジョンマッチオフィシャルを例にご説明します。
例えば自分たちのチームのトライが認められるか、出来ていなかったかを確認する時にこれが出ると、トライをしたかどうかの本人が「出来たか出来ていないか」を本人なりに分かっているので、まずその人の動きを見ます。そうするとだいたい結果がどうかが分かります。「たぶん、ダメだったかな?」とか、「絶対トライで出来てる!」とか。TMOが出ると、そこまでの試合の流れというかリズムが切れてしまうと思います。攻めている方としては切れたくないですし、トライしてスムーズに帰りたいですよね。
相手がトライしたかどうかの時は、比較的モールなどの場合が多くて、正直トライしているのかいないの分かりません。ですからその結論を待つ、という感じですね。海外の場合は結構いろいろな角度から撮影していますが、日本ですとだいたいカメラが4ヶ所のみなので、その角度からはきっと見えないだろうというケースもあります。映像で確認してトライが出来ている事が明らかであればトライになります。選手の影などになってボールが映っていない場合など分からない時は、トライは認められません。
こちらがトライしただろう時に判定を待っている時には、次の準備をしています。例えばリスタートのキックオフからのアタックのことを考えています。ディフェンスの場合は、次のディフェンスについて考えています。そういう準備をしています。トライにならなかった場合のことも考え、トライになりかけた状況を「もっとこうしよう」と話しあったりもしますね。ディフェンスしている時には、自分たちのプレーを見直せるので、守ってる側からすれば、良い間(ま)になると思います。