2015年3月 3日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #209 “特別編”『タックル・シチュエーション その2』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「タックル・シチュエーション」その2(解説:村田 大志)
タックルする時に大事なのは“ポジション”と“勢い”だと思います。迷いが出るとどうしてもタックルがずれてしまいますし、怪我が起こりやすくなります。タックルするポジションに入ったら、思い切ってタックルする、ということが大事だと思います。「迷いなくタックルする」ということが大事です。
最初に失敗すると、その失敗したイメージがなかなか頭から離れないですし、「もしかしたら相手が逆に行くんじゃないか」というような余計なことを考え始めるとどうにもならないので、前のことは前のこととしてさっぱり忘れるというくらいが丁度良いかなと思います。
タックルでは、基本的に相手を倒せれば良いと思っています。引きずられてズルズルとゲインされるのは別として、相手を地面に倒せば良いと思います。しっかりと、出来るだけゲインラインの近くで止めることが出来れば、僕はOKだと思っています。そういう意味では、だいたい8割ぐらいはそう出来ているかなと思います。
自分の中でいちばん良いタックルだったなと思うのは、2年前のトップリーグ決勝の東芝戦のタックルです。僕は右ウイングだったんですが、逆サイドからボールが回ってきて、真ん中よりちょっと外ぐらいで相手が抜けたところを、完全にラインブレイクされる前に止めることが出来たタックルです。
あまり目立ったタックルじゃなかったと思いますが、あそこで自分がタックルしていなかったら、きっとその後、大きなゲインになって、もしかしたらトライまで繋がっていたんじゃないかというシーンだったので、ピンチを未然に防げたという意味であのタックルが、自分の中ではいちばん良かったなと思っています。
ウイングはいちばん外のポジションなので、外ばかり見がちなんですが、内側から「ちょっとミスマッチが起きているな」ということを頭の中に入れながら見ていたので、素早く反応出来たのではないかと思います。
<つづく>