2015年2月 3日
ンゴリアス ラグビー大辞典 #201 “特別編”『ラインアウト その1』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「ラインアウト・シチュエーション」その1(解説:田原 太一)
試合でのラインアウトは、もちろんいちばん最初から最後まで全て大切なんですが、やっぱりいちばん最初というのは「しっかり取りたい」という気持ちの部分とか、しっかり取ることによってフォワードで優位に立てるかどうか、ということがバックスにも目に見える形になると思うので、そこには特にフォーカスを当てています。
お互いに研究して試合に臨んできていて、ある程度、情報を持った中で行うラインアウトプレーですから、やっぱり駆け引きですね。いろいろお互いに手練手管で駆け引きしながら、それが当たるかどうか?というところです。
相手ボールのラインアウトもアタックより確率は低くなりますが、何本か取りたいなといつも考えて準備をしています。取れなくても相手がスクラムハーフにボールを出すところで、何とか少しでも崩せたり遅らせられれば良いというところですね。プレッシャーをかけられれば良いというところです。
マイボールのラインアウトで相手に取られてしまうのは、コーラー(サインをコールする選手)からのサインが、相手に完璧に読まれてしまったりとか、自分たちがやるべきスタンダードの部分のレベルが低かったりして、クォリティーが落ちてしまった時です。
今はみんなのラインアウトへの理解が深まってきているので、「ここが空いている」という情報が色々なところから入ってきます。あるいはスロワーが「今、これ投げづらいから」というようなコミュニケーションをとったりすることによって、コーラーはそれに対するリアクションでコールを出すことが出来ます。
プレーの精度が低いのであれば、僕らからアナウンスしてその精度を上げていくということを目指します。精度というのは、リフトの部分だったり、タイミングだったりです。
コーラーは試合に入る時には誰がコーラーかは決まっています。練習をしている時からある程度決まっているものです。サインを読まれていると思った時には、オプションを使ったりしなければなりません。ラインアウトを上手くやるコツは、練習しかありません。
マイボールの時のキープ率は、基本的に100%を求めていますが、それでも何らかのミスが出る場合もあるので、1試合で90%~95%ぐらいは取りたいです。相手ボールを取ることに関しては、30%ぐらいがターゲットになります。半分取れたら最高です。目指すのは、相手ボールのラインアウトが10本あったら3本取れれば、上出来というところですね。
マイボールのラインアウトで、すぐにスクラムハーフにボールを出す場合と、モールを組む場合とありますが、それは作戦によります。作戦なので詳しくは言えませんが、相手にからまれたりとか、ボールがちょっとズレてキャッチが上手くいかなくて、ということもあります。
理想としてはマイボールの場合は9割、そこまで責任を持ちたいですね。しっかりとボールを取ってバックスに良いボールを出して、バックスがアタックして、という形がベストかなと思います。