2015年1月27日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #199 “特別編”『モール その1』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「モール・シチュエーション」その1(解説:竹本 隼太郎)
いちばん多いシチュエーションは、ラインアウトからのモールです。モールを組む上では、姿勢がすごく重要です。背中が真っ直ぐで、地面と平行になるのが良い形です。スクラムでの姿勢にも同じことが言えると思いますが、横に広がるというよりも、後ろに付いて、その選手の押しが、しっかり前に伝わる形で組めると良いモールになります。
例えばこちらと相手チームの間に立っている選手に、1人目、2人目、3人目と加わって入った時に、2人目の選手の腰が曲がっていたりすると、そこがクッションになってしまい3人目の押しの力が前に伝わりません。いちばん前で立っている選手もとても大事で、相手から持ち上げられたりすると、後ろからの押しの力が上に行ってしまうので、低く強い姿勢を保ってなければなりません。
まず、ボールを取ったところでしっかりモールを組めたら良いのですが、相手も必死にディフェンスしてきますので、めくられて1列目がずれても、第2波が前を向いて、しっかりとした姿勢で組めるかということになります。ボールを取った人の近くの人が2列目、さらに離れた人が3列目に入ります。
ジャンパーと、リフター2人で合わせて3人、ジャンパーはボールを取って後ろを向き、リフターはジャンパーを上げて降ろして、完全に前を向くには相手の方が少し速いのでタイムロスがあるため半身になります。なのでその後ろに入ってくる4人目以降が前に進む推進力になります。
モールの場合、ディフェンスの方が人数が少なくても平気です。ディフェンスはプラットホームを組む必要がないですが、アタック側は最初にボールを持っていたロックの選手などが後ろ向いて立っているので、押すということに関しては1人マイナスです。後ろ向きで押せませんし、そしてリフターの2人も半身ですから、その分、人数がかかっている訳です。
ディフェンスは相手と同じ数だけモールに入ってしまうと、両サイドにスペースが出来てしまうので、基本的には例えばこっちが7人でモールを組んだら、ディフェンスは5人で守って、モールの両サイドに1人ずつディフェンスが立って、相手が抜け出してきても守れる状態を整えます。5人で相手のモールをつぶせたら良いという形です。ゴール前になったらまた変わってきますが、基本的にはそういう状態です。
<つづく>