2015年1月15日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #196 “特別編”『ファーストスクラム その3』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「ファーストスクラム」その3(解説:池谷 陽輔)
ファーストスクラムでは、相手に“嫌なイメージ”を与えたいですね。それと同時にペナルティもしたくない。でも思いっきりいかなければいけない。他のスクラムと「何が違う」ということはないんですが、相手ボールにせよマイボールにせよ、意識は「100%プレッシャーをかける」ものですね。
“様子見”でもあるんですが、全力でいかなければなければいけないものです。相手に対してもそうですし、レフェリーのジャッジメントもあるので、そういう両面があります。
ファーストスクラムで、例えばバインドして相手に力をかけ過ぎてフリーキックを与えてしまったりというのは、仕方ないと思うんです。次に立て直せばいい。ですので相手にプレッシャーを与えられれば、いちばん良いファーストスクラムですね。
相手にプレッシャーを与えることによって、レフェリーにも「こっちの方が強いな、こっちが有利だな」という印象を与えられるので、それがいちばん良いですね。1番側が出るとか、3番側が出るとか、相手ボール、マイボール、それぞれ場面によって違いますが、全体的にプレッシャーを与えられれば良いと思います。
組んだ選手自身にしか多分分からないと思いますが、「あ、これは、今日のスクラム行けるな」と思うのが、いちばん最初のスクラムなんです。反対にやられてしまうと「やばいな」と。スクラムでのアドバンテージがなくなってしまいます。その場合は、「もう1回、自分たちがやっていることに立ち返ってやってみよう」というところに立ち返るしかありません。