2015年10月15日
「少年サンゴリアス」Vol.44 石原慎太郎 その1『おにぎり』
「少年サンゴリアス」Vol.44 石原慎太郎 その1『おにぎり』
母親が今も携帯の待ち受け画面にしてるんですが、僕がヤバイ顔で(笑)おにぎりを頬張ってる写真があるんです。自分で見て可愛さはまったく感じなくて、怪獣みたい。2歳ぐらいの時の写真なんですが、おにぎりにかぶりつきです。自分では全然覚えていませんが、写真を見て撮ったのがお婆ちゃん家っていうのだけは分かりました。
とにかく小さい頃からよく食べました。手が届かなくても、家で皆で食べているテーブルに手を伸ばして、ずっと食べものを探していたそうです。見えていなくても何かあったらつかんで食べようとしてた(笑)、っていう話は聞きました。
小学生、中学生の頃、どちらかと言えば背の順は後ろの方でしたが、デカイっていう雰囲気ではなかったですね。横のサイズはなかなかありました(笑)。でもジャンボさん(仲村慎祐)とかの話を聞いてみると、比べものにならない、「まぁちょっとポッチャリかな」っていうくらいの感じだったと思います。
小さい頃から動くことは好きで、中学卒業まではずっと野球をやっていました。野球以外のスポーツにはあまり触れませんでしたが、体育の授業は好きでした。野球ではいろいろなポジションをやって、最終的にピッチャーにおさまりましたが、大したことはなかったです。ピッチャーをやっていたぐらいなので横にデカ過ぎはしなかったんですが、まぁちょっとこいつ肉ついてるな、ぐらいでしょうか。
打つ方も、ボチボチのバッターでした。7番ぐらい。当たっている時は当たっていたんですが、当たらない時はまったく当たらない。当たらない時の方が多かったですね。当たると飛ぶんですが(笑)、当てようとする努力が足りなかったんでしょう。
野球を始めたのは、小学生の頃、周りがほとんど野球をやっていました。友だちのお父さんが少年団の監督をやっていて、「入りなよ」と薦められたのがきっかけでした。野球は好きでしたね。いちばん最初にやり出したのが小2ぐらいで、自分の中では野球しか出来ないっていう感じでした。
動くのは好きでしたが、他のスポーツに野球みたいに打ち込むのは無理だろうなぁっていう感覚で、中学へ入っても野球を続けました。途中で「進路はどうする?」という話になって、普通に勉強するしかないのかなと思っていました。
そんな時に体育の先生から、「国学院久我山のスポーツ推薦のセレクションがあるらしいぞ」という話があって、「初心者大歓迎」的な言葉をその先生が見て、薦めてくれたんですね。高校のラグビー部の顧問と中学の体育の先生が知り合いだったらしくて、「身体の大きい中学生いない?」と聞かれていたみたいです。それで受けることになりました。
ラグビーはルールもまったく分からないし、まっさらな状態だったんです。でも高校のセレクションでやったのが、ただ走るとか、長いシャトルを走るとか、懸垂をするとかだったんです。テクニックのことはまったく問われないことばっかりだったので、それはラッキーだったなと思いながら受けました。
国学院は名門ですから、集まってきている人たちを見ると、僕みたいな体格の人はゾロゾロいました。それで、「無理だろうな」と思って1〜2ヶ月、セレクションを受けたことは頭の片隅には置きながらも、勉強しなきゃということで塾に通っていました。そうしたら、「合格しました」「え?」みたいな感じでした。
(つづく)