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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年12月30日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #193 “特別編”『先制点 その3』

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「先制点」その3(解説:ニコラス ライアン)
 
 
最初のキックはいちばん難しいキックです。緊張度はいちばん高いです。先制点のチャンスがもしキックだったら、なるべく真ん前から蹴るのが良いですが、逆に外だとあまりプレッシャーがかかりません。いちばん精神的に難しいのは、“簡単”と“難しい”の間のところですね。
 
例えばペナルティキックで10m、22mの間で真中。簡単に見えて、ちょっと難しいですね。そのキックは22mからの同じキックですから、同じキックをすれば同じ結果を得ることが出来る、と考えて蹴っています。
 
入った時は、ホッとします。外した時の気持ちは、キックした結果によって違います。凄く悪かったら、ガックリして、次のキックはもっと難しくなります。ギリギリで外したら、たぶん次はOKです。
 
練習通りにキックしたけど、風でちょっと外れた、なんて時は余り気にしないでOKです。次にどうすれば良いかが分かりますから。でも悪いキックで、例えばボールが飛ばなかったりしたら、その後がいちばん難しい状態になります。

 
自分が外しました、次に相手が入れました、これは、あまり関係ありません。相手のことはコントロール出来ませんから、自分がどうしたかということだけです。もし自分が外したら、自分が次に何をしたら良いかだけを考えています。
 
0-0で敵陣に攻め込んで相手が反則をして、キックを選択するのかトライを狙いにいくのかの判断は、タイトなゲームであれば蹴った方がいいですね。相手によっても違いますが、準決勝や決勝の試合であれば、点を取ることが大事だと思います。
 
チームにはキックか攻めるか判断する選手がいますが、その選手がキッカーを信じることも大事だと思います。それまでに3回外してしまっていたら、たぶん信じてもらえないと思いますが(笑)。

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