2014年9月30日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #173 “特別編”『コイントス その5』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「コイントス」その5(解説:佐々木 隆道)
トップリーグでも大学でもやりましたが、大学の時のコイントスは、フィジカルもゲームプランも「勝てる」という前提で、「負ける要素がない」と自信を持ってのコイントスだったので、如何にチームを勢い付けられるかだけを考えていました。
それと、レシーブになった時は、出来るだけ「味方のベンチの前からスタート出来るように」と思っていました。どうしてかと言うと、心強いじゃないですか(笑)。ボールを取るところが、味方のベンチ前の方が良いなと思っていました。自分たちのスタート出来るというのは、精神的にもちょっと良いのかなと考えていました。
ボールが取れる時にはボールを取りますから、陣地を取るのはトスに負けた時です。負けて陣地を取るとなった時には、そのことを考えました。風とかが関係ない時に、そういう精神的なところはいちばん最後の判断材料です。風があった時はチームの戦術によります。後半勝負だったら、風下を取ってから、後半に風上に立ちたいですしね。
トップリーグでもだいたいそんな感じでしたが、僕はトスに勝ったらだいたいボールを取っていました。キックから始めたかった。僕はコイントスは強くて、ジャンケンは弱かったです。日本だと時々ジャンケンで決める時があるんです。「最初はグー」とか言いながらキャプテン同士でやります。最初はグーだと思っていて、相手がパーを出して「え?最初グーじゃないの」みたいな感じになる時が、大学時代にはありました。どっちでも良いと思っている時には「じゃあいいよ、勝たせてあげるよそれぐらい」という感じでした(笑)。今はどうか分かりませんが、昔はトップリーグでもジャンケンの時もありました。
全体的にコイントスの勝率はあまりよくなかったですが、勝っちゃうと「あぁ今日はこんなところで運を使っちゃった」と思うので、勝たなくても僕は良かったです。
<了>