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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年9月25日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #172 “特別編”『コイントス その4』

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「コイントス」その4(解説:佐々木 隆道)
 
 
ワールドカップでゲームキャプテンを務めた時のコイントスは、トップリーグとは違いました。緊張してました(笑)。2007年フランスワールドカップ日本代表第1戦、オーストラリア代表との試合ですね。
 
コイントスのタイミングは日本と一緒だったと思います。フィールドの真ん中、ちょっと中に入ったところでやって、カメラもそこに入っているし、後ろにはワールドカップのバックパネルのようなものが置いてあるし、その前でやって、それがスタジアムのビジョンで流れたりするんです。注目度と言う意味ではトップリーグとは全然違いました。
 
しかもモートロック(当時オーストラリア代表キャプテン)が前から歩いてきて、握手しながら「あ、今から本当にオーストラリアと試合をするんだな」と思いました(笑)。
 
レフェリーがコインを出し、「Head & tail」と言って我々に見せて、レフェリーがコインを投げ、下に落ちたコインの面を見ます。それで「どっちを取りますか?」と訊かれます。あの時はどっちだったかなぁ...当たってボールを取ったのか、負けて陣地を取ったのか...昔のことなので覚えていないですね。

 
コイントスの前には監督に「勝ったらこっちを取ります」と言いました。返事は「いいよ」と。勝ったらボールを取ろうと思っていました。自分たちからアタックを仕掛けられるし、最初、当たられるより当たりに行った方が良いと思ったんです(笑)。たぶん相手は強いだろうから。それでモートロックとレフェリーと握手をして、コイントス終了です。
 
ロッカーに戻って、「どっちになった」って皆に言って、「そうですか」みたいな感じです。それほどどっちになっても影響はなくて、アタックから始まろうがレシーブから始まろうが、そんなに大きく変わりません。
 
あの時は風もほとんどなかったんですが、風がある場合は風上、風下ってありますし、太陽の位置とかもあります。その時はまだ僕の経験が浅かったので、もし風があったらスタッフから言われていたと思います。「今日は風があるからこっちを取れ」「はい」みたいな感じですね。
 
<つづく>

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