2014年2月20日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #136『エリアマネジメント』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「エリアマネジメント」(解説:有賀 剛)
その名の通り、陣取りゲームの「陣取り」です。エリアマネジメントをする上で、いつも見て気にしていなければいけないのは、「時間」と「点差」です。サントリーは何処からでも攻めることが出来る“アタッキングラグビー”というのがスタイルですが、「敵陣でやりたいな」という時には、有効にキックを使って敵陣でプレー出来るようにします。
自陣でプレーするという状態には、必ずリスクが生まれます。自陣でのペナルティによってキックで点を取られる事もありますし、こちらの一発のミスでトライを取られる可能性も高くなります。一方、敵陣でやっている分には、ペナルティをしても相手の点に直接繋がることはないですし、その後しっかりとディフェンスすれば良いという考えが出来ます。
自陣の中でのエリアマネジメントというものは、殆どありません。敵陣にどうやって行くか?という場合に、エリアマネジメントという言葉を使います。エリアマネジメントはポジションとして9番、10番が担う役目であり、そこに優秀な選手がいればいるほど、チームは楽になります。とくにフォワードは前に行けばメンタル的にも楽になるので、そこを常に考えていなければいけないと思います。
15番(フルバック)が相手のロングキックを取って、それを何処までどうやって戻すかということも、エリアマネジメントのひとつになります。そこでも「点差」と「時間」を考えます。また、リーグ戦と一発勝負の試合では、プレーの選択が変わってきます。その中で、自分たちのスタイルを貫かなければならないという部分もあるので、エリアマネジメントは総合的な判断になります。
自分たちがアタックすることによって、ディフェンスをコントロールする訳ですが、自分たちがアタックすることによって、ディフェンスの変化を見て、こちらがキックを蹴るのか、ボールを持って攻めるのかというところを、いつもチェックしている訳です。
エリアマネジメントが上手くいったら、無敵です。それをさせないために、相手はいろいろなことを考えて、ブレイクダウンにプレッシャーをかけてきたりしますから、そこの攻防戦ですね。