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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年1月23日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #128『ノミネート』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「ノミネート」(解説:大島 佐利)
 
 
ディフェンスの時に、自分が相手のどの選手を見るかということを、味方にはっきり「コイツを見る!」と伝えることです。そうすると自分の両サイドにいる味方の選手は「あぁ、こいつはアイツを見ているんだな。じゃあ自分はそのとなりの選手を見る」という事がはっきりします。そのためのアクション、意思表示です。
 
相手の名前が分かっていれば「俺、○○(相手の名前)!」と言ったり、相手の名前が分からない場合は、例えば相手が黄色のヘッドキャップをかぶっていれば、「俺、黄色ヘッキャ!)」と言ったりします。ですので「ノミネート」は、自分が見る相手の選手をはっきり伝えるということです。
 
ディフェンスラインをつくりながら同時にノミネートしていくのがいちばん良いです。基本的にはラックなどに近い方、内側からノミネートを決めていきます。あるいはチームで立ち方の決まりがある場合は、自分がこの位置に立ったらこの人を見る、ということが自動的に決まってきます。
 
マッチアップする中で、ノミネートする相手が自分と同じ番号になることは多いですね。センターの選手だったら、ディフェンスの立ち位置もほとんどの場合は外側になってくるので、相手のセンターをノミネートしたり、フルバックだったり、自分の番号に近いポジションの人をノミネートすることになります。

 
ノミネートの段階でこちらがフォワードの選手で、相手がウイングなど足の速い選手をノミネートしなければいけなくなる場合もあります。そういう時には、例えばノミネートしなければいけなくなったプロップの選手が、両サイドの選手に「俺のノミネートしている選手は俺より足が速い」ということを伝えておけば、両サイドの選手がその選手が抜かれるかもしれないということを意識するようになります。ですから全員が全員きちんとノミネート出来た上でミスマッチがあった場合は、そこを両サイドの選手も気にしてカバーします。
 
ノミネートに関しては、練習で出来る部分もあれば出来ない部分もあります。急にシチュエーションが変わった状況では、全てが全てノミネートするのは難しくなってくるので、例えば誰がボールを持っている選手を見ているかだけをいち早く伝えるということもあります。それを感じた周りが、「じゃあ俺はこいつ」ということで、完璧には無理かもしれないですが「決めて見る」ことが大事だと思います。
 
ノミネートが上手くいかない試合、例えばラックからボールがすぐに出てしまうような試合になれば、ノミネートは難しくなって、ディフェンスがしにくくなります。そういう意味で、オフェンス側にとってはブレイクダウンで早く球を出すことは、相手が先を読めなくなるので有効です。

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