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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年12月24日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #120『バインド』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「バインド」(解説:青木 佑輔)
 
 
スクラムの時に8人のパック(固まり)を強めるものであり、言葉では伝わらない部分のコミュニケーションを、このバインドで取ることが出来ます。2番だけでなく、ロックが前のプロップに対してバインドしたり、スクラムではフォワード8人それぞれがバインドしています。
 
言葉にすれば「つかむ」ということですが、つかみ方とか、寄せ方が色々あるんです。体の寄せ方なので言葉では表現しづらいのですが、そういった部分をバインドでコミュニケーションしています。2番(フッカー)の僕の場合、必ずしも左右同じ力でバインドする訳ではありませんし、プロップによって持ってほしいところが違ったりもします。スクラムを組む時には自分も相手とも組みやすくしないといけないので、自分の肩を組みやすいところに置いたりもします。
 
スクラムは「クラウチ、バインド、セット」という審判のコールで行うようになり、1番と3番が対面の肩口をつかむというルールに変わりました。これによって相手との距離が縮まって、ヒットの距離がなくなったので、この点ではいかに速く当たることが出来るかが勝負です。

 
バインドは握力で締めるのではなくて、肩甲骨を使って引き寄せる感じです。手だけで引っ張っても限界があるので、身体を寄せ合うような、味方を肩甲骨から寄せる、というイメージです。最初はリラックスした状態でバインドしていて、組む瞬間にきつく締めます。最初からガチガチに締めすぎると、良いシェイプ(かたち)が取れなくなります。
 
これからスクラムに取り組む若い選手たちへのアドバイスとしては、「思いっきり締めればいいんだろう」という感覚でやっているのをよく見掛けますが、締めることはすごく大切ですが、良いシェイプが取れなくなってしまうので、良いシェイプを取ってから絞めるやり方でも遅くないと思います。
 
グーっと力が入っている状態でパンチが打てないのと同じで、ちょっと手を開いているぐらいにリラックスして、いつでも締められる状態で構えていて、ヒットの瞬間にグッと拳を握る、というパンチのコツと一緒です。陸上でも最初から力がグーっと入っている選手はいないと思います。リラックスした状態からパンとスタートする、それと同じだと思います。

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