2013年12月10日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #116『ノット10m(テンメーター)』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「ノット10m(テンメーター)」(解説:中鶴 隆彰)
ペナルティーがあった時、ペナルティーを犯したチームは、相手チームが次のプレーを始まる時点で、その地点から10m下がっていなければいけないのですが、アタック側は場合によっては速く仕掛ける事があります。そうするとディフェンス側は10m戻らないといけないと同時に、相手を止めなければならない状況になり、10m下がり切らないままディフェンスに行ってしまうことがあります。そういうケースで、この反則を取られてしまいます。「10m下がっていません!」という反則です。
もし自分がこのケースでディフェンス側にいて、10m下がっていないのでしっかり下がるまでディフェンスをしなかったら、相手に真っ直ぐ来られて独走されてしまう場面も出てくるので、どうしても戻りながらも止めに行かないといけない状況になります。少しも下がらないでタックルに行ったりすると、シンビンになるケースも多いですね。反則してでも止めるということではないですが、グレーな所もありますね。
ノット10mの状況は、試合中に割とあるように思います。自分はウイングなので、いちばんタッチジャッジと近い場所にいます。そのタッチジャッジが示した場所が、的確に分かる場所に僕がいるので、グラウンドの中央にいるフォワードなどに対して「ここまで下がれ」と言うことが出来ます。
あるいは下がったつもりでもしっかりと10m下がっていない場合もありますし、タッチジャッジとコミュニケーションをとって、タッチジャッジに「何番下げて」と言われたら、自分が言う役になります。自分自身、だいたい10mという距離感はありますが、やはりタッチジャッジがいる時にはしっかりと見て、時間がない時には多めに下がるようにしています。ディフェンスがノット10mの反則を取られると、アタック側はさらに10m進んだ地点から、再びペナルティーキックで始めることが出来ます。
また別のノット10mという意味では、キックオフのボールが10m以内だった場合に、「ノット10m」という反則になって、センタースクラムか再キックを相手側が選択できます。キックオフが10mラインを超えない、これもノット10mですね。