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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年11月 7日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #107『ハイパントキック』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「ハイパントキック」(解説:柳原 瑞樹)
 
 
スクラムハーフやスタンドオフ、フルバックなどが試合中に使う高いパントキックで、手からボールを離して地面に着けずに空中で蹴るキックです。「ハイパン」とよく呼ばれます。蹴られたボールを自分のチームのウイングなどが追いかけて行って、キャッチした相手にタックルしてターンオーバーを狙うシチュエーションもあれば、早く追いついて落ちてくるボールを相手と競り合って争奪し、更にそこからマイボールで攻めるという場合もあります。
 
サントリーは基本的に試合であまりキックを使いませんが、ハイパントを使う時は、ウイングが上がっていたり、相手が自陣深くまでキックしてきて、それを取ったフルバックが1人だけという状態になっている時に、ハイパントを上げて、ディフェンスの体制を立て直して、攻撃にしろディフェンスにしろそこからやり直すというケースがあります。

 
ハイパントを蹴る技術的なポイントは、ボールドロップにあります。良いところにボールを落として蹴ることがいちばん大事です。僕はだいたい手を真っ直ぐ伸ばしたところに落とします。それがちょっと身体に近くても、あるいは身体のすぐ前でもダメですね。
 
蹴った後に身体が反ってしまうと、ボールが真上に上がってしまいます。なので身体をかぶせて、前に蹴り上げるように気をつけています。距離としてはハーフウェイラインから22mラインの手前ぐらいなので、35mぐらいですね。だいたいそれぐらいがウイングが追いつくし、競りにも行ける距離だと思います。
 
1試合で何回使うかはチームの戦術によります。サントリーではフーリー(デュプレア)は平均すると1回か2回は蹴りますし、日和佐さんはあまり蹴らないと思います。相手もチームによりますが、スクラムハーフとスタンドオフで、2~3本ぐらいは蹴ると思います。意図的にもっと多く使ってくるチームもありますね。神戸やトヨタ、NECなどがよく使うイメージがありますね。

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