サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「二冠」（解説：有賀 剛）
 
二冠とは２つのタイトルを獲ることで、ラグビー界ではトップリーグと日本選手権で優勝することですね。日本独特だと思いますが、トップリーグでチャンピオンになった者が、日本でいちばん強いということになるというのが普通で、本当はそれでシーズンが終わるのが良いと思います。ですが日本ではその後に日本選手権があり、日本選手権の方が伝統のある大会で、TVでの報道や露出も多く、こちらの方が注目度が圧倒的に高いので、時期が良くないというか難しいと思います。正直、選手としてはモチベーション的に難しいしキツイですね。トップリーグで勝っても日本選手権で優勝出来なければ、負けた感じになってしまいますから。
 
トップリーグでリーグ戦の厳しい試合を戦った後、「さぁこれからだ」という気持ちでプレーオフに臨みます。そのプレーオフで勝って、そこで「よし、終わり」って本当はなりたいですよね。トップリーグのプレーオフと連続して行うところを改善しようと日本選手権の時期をずらしても、主力が集まらない大会になってしまいますし、そうすると大会としての価値が下がってしまうので、いろいろ考えるととても難しいと思います。

 
もちろんあるからにはチャレンジしなければいけないし、みんながそれに向かって頑張らなければいけないと思います。二冠を獲って本当の強さが証明出来るというか、真のチャンピオンみたいなイメージはあります。それを成し遂げてきたのが東芝しかいなかったので、トップリーグの優勝回数ではまだ届かないですが、二冠を獲ったチームと言う意味では並べたかなと思います。
 
三冠と言ってくれる方もいらっしゃいますが、リーグ戦で1位通過する、ということを評価してくれているんだと思います。選手としては、1位でも4位でもあまり変わりなく、最後のプレーオフで勝てば良いと思っている部分はあります。もちろん1位通過を目指して毎試合勝つためにやりますが、プレーオフに出ることが出来れば、もうその時点で順位は関係なくなりますし、どこと当たっても一緒だと思っています。そういう意味で組み合わせはどこでも良いというのが本音です。