2013年8月20日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #085 『選手会』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「選手会」(解説:元申騎、野村直矢)
サンゴリアスでは最近設立しました。チームにとってグラウンド内はもちろん、グラウンド外のこと、例えばクラブハウスとか、選手と会社との関係、OBとの関係、選手間での人間関係、規律とかも全部が大事なことです。チームとして、「グラウンドの中での良いチームだ」というのは当たり前で、それに加えて「グラウンドの外に出ても良いチームだ」ということが重要です。選手会を作って活動し、総合的に目を配ることで、グラウンド内外でしっかりとした生活や規律や人間関係を、少しずつ強化出来るようになりました。
具体的には選手会として、クラブハウスのロッカーの配置も人間関係を見て決めていますし、監督との打合せの中で、「こうした方が良いんじゃないか」という話を聞いたり、逆に僕たちで「ここちょっと良くないんじゃないか?クラブハウス内での生活の仕方があまり良くないんじゃないか?」ということを言って聞き入れてもらい、チームに落とし込んだりしています。イベントとしてはチームソーシャルというイベントがあって、チームみんなで飲んだり、家族も呼んでバーベキューを開催したり、イベントでどこかへ行ったりしています。
これまでの選手会の会長は、初代が坂田さん、そして大久保尚哉さん、耕太郎(田原)、山岡と続いてきて、私は5代目です。これまで会長になると次は引退だったんですけれど、そういうのは僕までにして、若い選手にどんどんやってもらいたいですね。副会長はいません。次の人への指名権は会長にあります。
グラウンドの外でのことは僕が基本的に責任を取らなければいけないので、ある程度ロッカーグループリーダーの意見を聞いたり僕が指摘したりしながら、チームが良くなっていけば嬉しいですよね。決して上からものを言うのではなくて、規律だとかモラルだとか、こうならなければいけないということをロッカーグループリーダーにある程度落とし込んでものを言っています。自分が上から「こうしろああしろ」という発言はしていません。その中でロッカーグループリーダーが育っていって、選手会長も最年長ではなくて、どんどん若い選手にバトンタッチしていきたいなという気持ちがあるので、今そのベースを作っています。
(以上 解説:元申騎/前選手会長)
選手会とは、チームワークです。僕は入部8年目ですが、もう少し若い時は、良い選手が揃っているし、凄いチームだと個人的には思っていました。結局最後は勝てませんでしたが、どこが足りないか?というと、それはチームワークだったと思います。それでサンゴリアスでは数年前から、チームをグループに分けて、そのグループ内で協力し合い、話し合い、コミュニケーションをたくさん取り、考えて、グループワークを行っています。それが大きくなって、チームワークになっていると思います。
選手会とは、選手主体で「どうしたらこのチームが上手くいくのか?」ということを考えて活動しているものです。僕らは凄く恵まれている環境の中で、ずっとラグビーをしてきていますが、それが当たり前にならずに、そして「これは誰かがやってくれる」ということがないように、いつも気をつけています。個人個人がチームに対してどういうことが出来るのか、ということを常にみんなに考えさせるように出来るかが、僕の選手会長としての仕事です。
チームですから、選手会長のカラーとかはありません。あるのはチームのカラーで、チームの文化を繋げていくだけですから、元さんのカラーとか僕のカラーとかはありません。選手会としてコミュニケーションを大切にしていますし、選手会長としてはいつも気を張っています。常にどこにいても気を張っていて、「あいつはあれを片付けるのかなぁ?」「あいつは見たけどそのままにしてしまうんだなぁ」「散らかったロッカーをそのままにしているなぁ」「まだまだだなぁ」なんて見ています。
(以上 解説:野村直矢 選手会長)