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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年8月 8日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #082 『14番』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「14番」(解説:長友泰憲)
 
右ウイングの背番号です。サッカーでいうとフォワードの役割ですが、点を取るだけじゃなくて、向こうからキックされた時の戻りとか、あとは外からディフェンスを声を出してオーガナイズする役目があります。ディフェンスを統率する役目ですね。
 
僕の声は、声質的にすぐに落ちてしまって通らないんです。声がこもっているので、叫ぶんですが、なかなかグラウンドで響かなくて通らないんですよね。剛さん(有賀/15番)によく言われます。「ヤス、言ってるけれど声が通らないね」って。だから近い人に言って、それを回してもらっています。近い人は平さん(13番)、剛さんしかり、スクラムハーフ(9番)しかりです。そこら辺までは、ギリギリ声が通りますが、遠くは残念ながら届きません。
 
14番と11番は同じウイングですが、ちょっと役割が違いますね。アタックでは、ステップする踏み込みの足が違います。左(11番)だったら、外へ行きたい時は右足を蹴って外(左)に出ますし、右だったら左足で右へ向けてステップを切る。それを得意としていて、どっちに側にン蹴るのが得意かというところでポジションの適正があると思います。僕の場合、高校の時は左ウイングをやっていました。兄が右ウイングをやっていて「兄ちゃんの方をやりたい」と思っていたので、途中から右ウイングに変わりました。
 
ボールを持っている手も右ウイングと左ウイングでは違います。僕は癖で左で持ってしまいますが、それでは左から向かってくる相手に左手でハンドオフが出来ないですよね。右でボールを持っていれば左手でハンドオフが出来て、外へ向かって走って行けます。そこは意識して変えるように、今いつも練習しています。でも時々無意識でボールを持ってしまう時があって、その時は左で持ってしまっているんです。
 
右ウイングと左ウイングでボールが来る回数が違うということはないです。今のサントリーはそれほど外に回す形ではなく、まずフォワードが行って、それが終わったら外へ回すという感じですね。
 

ディフェンスでの14番の役目は、外からの統率と、いちばん外側のポジションなので、外を絶対に抜かれないようにするということが大事だと思っています。それと内側のセンターとのコミュニケーションですね。外を抜かれたら誰も止める人がいないので、そこは絶対抜かれないようにする訳ですが、外を回ってきた相手ウイングを、いかに内側に切らせるかということも重要です。そうして2人でいかにタックルするか。最近のウイングの選手は、タッチに押し出されるリスクを考えて、必ず外に抜くということもありません。結構、内側に切ってくる人も多いですね。
 
14番は意外と仕事が多くて、自分で仕事をいろいろと探しながらプレーしなければいけません。仕事を見つけなかったらラクなんですが、サントリーではブレイクダウンにも入るし、いろいろやらなければいけないのが14番です。大変ではありますが、そういうところなら自分にも出来るので、そこが面白いなぁと思っています。

 
探すというのは、より多くボールに絡んで行ったり、ずっと右側で待っているのではなくて、逆サイドのインサイドに入って行ったりとか、フォワードのブレイクダウンに参加したり、キックアタックで素早く戻って次のセットに備えるとか、いろいろあります。それをサボってしまうと、ボールタッチも少なくなってしまいます。
 
ブレイクダウンの状況によっては、バックスだけでボールを出したい時に、そこで弱かったらダメですし、しっかりとブレイクダウンへ行ける人間がいない時にも行けるウイングでありたいと思っています。そのために、自分の全部を鍛えています。筋トレもそうですし、スピードもそうですし、ディフェンスも、アタックも、全部の面で向上したいなと思っています。いろいろやることがあります。

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