CLUB HOUSE

クラブハウス

サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年7月 2日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #071 『3番』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「3番」(解説:畠山 健介)
 
 
いちばんリードしなければいけない、押されてはいけないポジションです。スクラムで1番は右にしか行けないので行く方向が限られてきますから、行ければ良いんですが行けないこともあります。3番は相手に両サイド挟まれていますけれど、3番がアップできれば、スクラム自体がすごく動きます。逆に3番が押されてしまうと、自チームへの影響がいちばん大きくなってしまうので、3番がいちばん重要ということではなく、3番が前に出ることでスクラム自体も勢いが出る、というポジションです。
 
スクラムで前に出られる時と出られない時、エリア、時間帯、疲れなどいろいろな要素がありますが、特にメンタルで負けている時は前に出られません。また自分勝手になっている時が、最も前に出られないと思います。フッカーともロックともコミュニケーションを取らずに、自分1人で押そうとすると孤立してしまって、後ろからの押しも横からの押しも来ない状態になって、結果ズルズルと押されるということになります。

 
ですので良い時も悪い時も、フッカーとロックとのコミュニケーションを取って、どこが良くてどこが悪いのかしっかり組む前に話し合うことが大切です。「もっと押して」とか「アオさん(青木佑輔/フッカー)もっとこっち来て」とか、シンプルな言葉で良いんですが、そういう一言二言の簡単なコミュニケーションをすることで全然違ってきます。スクラムは8人で組む意識を持って、後ろからの押しを感じて組めると、よく押すことが出来ます。そしてマイボールの時にも耐えることが出来ます。ですから3番は前に出なければいけないポジションであり、かついちばんコミュニケーションを取らなければいけないポジションだと思います。
 
サントリーではポジションがはっきりしていて役割がしっかり与えられている分、スクラム以外ではそれらをちゃんとやらなければいけないのですが、3番がやることはとてもシンプルです。セットプレーで押されるとチームに迷惑をかけるので、セットプレーが凄く大事ですし、3番と1番はいろいろな場面でミスマッチのターゲットにされたりしますので、そういう時こそコミュニケーションをよく取らなければならないと思っています。
 
やることがシンプルな分、いちばん周りを見て、コミュニケーションを取らないといけないポジションです。いちばんしゃべらなければいけませんし、止まってしまうことなく、ディフェンスでもアタックでも常に前に出なければいけないポジションです。特にセットプレーとメンタル面で、先頭に立ってチーム全体の志気を上げていかなければいけないのが、3番だと思います。

一覧へ