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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年6月 4日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #063 『デシジョンメイク』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「デシジョンメイク」(解説:小野 晃征)
 
判断。ボールを触る回数と、判断する回数が、スタンドオフの僕は誰よりも多いと思いますが、それによってチームの流れと動きが変わるので、このデシジョンメイクが10番としていちばん大事だと考えています。場面場面での速い判断というのが重要で、堅く、ルーティーンな形にならないように、試合前からのシミュレーションはしないようにして、毎回クリアな状態で判断出来るようにしています。判断の結果の良い、悪いはたくさんありますが、良い方を増やしたいので、悪い方は引きずらないようにしています。
 
判断する時には、いろいろなことがありますが、時間帯や今サントリーにとって何が大事なのかということを基点にして、エリアなのか、フォワードが前に出るのか、バックスで勝負するのか、それを毎回、瞬時に判断してプレーしています。例えばフーリー(デュプレア)がいない時にはこういうアタックをする、大志(村田)がいない時にはどうやって時間をつぶしていくかとか、そういうところまでを考えてやっています。
 
オフェンスの時の判断は、ディフェンスのラインスピードによって変わりますが、どこでいちばんゲインラインを取れるのかで、自分で行くか、パスするかを判断しています。もちろんラックサイドがゲインラインにはいちばん近い訳ですし、ラグビーは前にパスできないので、自分がいちばんゲインラインを取れると思ったら自分で行きます。ですから、味方の14人だけではなく、相手の15人も見ながら、どこにスペースがあるかを見ています。ラックだけ見ずに、空いているスペース、相手の動き、相手の顔の向きとかを見ながら、判断します。

 
良い判断が多い試合は、やはり気持ちが良いです。今シーズンで言えば、プレーオフの準決勝と決勝の違いですね。準決勝の時は悪い判断が多かったかなと思いますし、それが凄く良い経験と勉強になって、決勝ではどちらかというと良い判断が多かったのではないかと思います。
 
判断することが多いので、たまに自分だけに集中してしまうことがあります。自分で何とかしよう、と考えてしまうんです。そうするとチームを動かすのではなく、自分だけでやろうとしているので、あまりチームとして良い方には行きません。自分でも何かしなければいけないですが、“個人的に”ではなく“チームのために”判断するということが大事だと思います。1人が1人を動かすのではなく、1人が15人を動かすイメージです。そこはバランスですが、うまく全員を使ってやることが大事だなと思っています。

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