2013年5月30日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #062 『大学ラグビー』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「大学ラグビー」(解説:有賀 剛)
僕の大学(関東学院)は“リーグ戦”(関東大学ラグビーリーグ戦グループ)で、みんなからは「パ・リーグ」と呼ばれていました。「セ・リーグ」は“対抗戦”(関東大学ラグビー対抗戦グループ)ですが、早慶明が中心となって築き上げてきたものが大きいと思います。対抗戦とリーグ戦は昔は一緒だったらしいのですが、いつの時代からかこういう形になったようです。
今は対抗戦の方が、レベルも人気もありますが、僕らの時は人気の対抗戦、実力のリーグ戦と言っていて、リーグ戦の方が強かった時期が結構ありました。それに関西の雄「同志社」や、僕のひとつ下でしたら「京産」とか「大体」が大学選手権のベスト4に入ってきたりしていました。
僕らの時には早稲田との2強だったので、早稲田とやる時は燃えました。今トップリーグも変わるタイミングですので、リーグ戦と対抗戦も一緒にして、もっと厳しい戦いを学生にもたくさんさせた方がいいのではないでしょうか。日本のラグビーの将来を考えたら、これまでやってきたことにあまりこだわる必要はないと思います。僕は早慶明ではないので、余計にそう思います。
今は大学を経てトップリーグに選手が入る訳ですが、世界的に見ればその4年間で選手の成長は遅れると思います。大学生は練習が少ないですが、企業に入って社員としてやっていくためには、まず卒業しなければ入れないのですから、そこの兼ね合いもあります。正直なところ、ラグビーの成長ということだけを考えたら、高校から直接社会人チームに入った方が良いと思います。大学4年間で得たものは大きいですし、その4年間がなければ僕もサントリーでラグビーをやっていないと思いますが、世界のテストマッチを見ても、大学生ぐらいの年代の選手たちがトップでやっている訳ですから、この4年間でかなりの差がついているのは事実です。
大学ラグビーで良かったと思うことは、日本一になれたこと。強いチームで、常に勝ち続けられたこと。そういうチームを経験出来て、プレッシャーがかかるゲームもたくさん出来たことで、今に活かせることもたくさんあります。ですから大学ラグビーは、強くないと意味がないのではないかと僕自身は思います。母校あっての自分ですから、今後もちろん協力していきたいと思っています。