2013年4月 2日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #045『ゲート』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「ゲート」(解説:大島 佐利)
試合中、外側にブレイクダウンが出来ることが多いので、バックスだと内側の横から入ってしまいがちです。急いでいると、アングルが外側なので、真っ直ぐに入るのが難しい時があります。回りこんで真っ直ぐ入らないといけません。「ゲート」は「門」ですが、ブレイクダウンにどういう門を通って入っていくかがポイントになります。タックルが成立して、両チームのサポートに入った選手が組み合ったところでラックが発生しますが、そのポイントを中心にラックを囲うように、仮想の正方形が形成されます。1辺は1~2m程度ですね。そのそれぞれの後ろ側の1辺がチームのゲートになり、ブレイクダウンには後ろ側から真っ直ぐ入らなければならないのですが、それを横の一辺から斜めに入っていくと「オフ・ザ・ゲート」という反則になります。角度として真後ろでなければ、オフ・ザ・ゲートになります。「近道はいけません」ということですね。
今、ジョージ・スミスに「低さも大事だけど、体を真っ直ぐにして、顎を上げて入れ」と教わっています。特にバックスの場合、スペースがある分、アタックもディフェンスもサポートに入るまでに時間がかかるので、そこでどういうサポートに入るかが重要です。
焦って入る時にショートカットしてオフ・ザ・ゲートになってしまうことが多く、1人目のボールキャリアが返されている時に「早く行かなければ」ということで、オフ・ザ・ゲートになってしまうことがよくあります。厳しく取るレフェリーですと、たぶん1試合に1チームに5~6回ぐらいあります。1試合でゼロというのは難しいですが、1~2つに抑えられれば良いのではないでしょうか。
今はディフェンスでオフ・ザ・ゲートを取られることが多いと思います。タックルしたらリリース(相手から手を離す)しなければいけないですし、ダブルタックルの定義がまた難しいと思います。ダブルタックルというのは、2人でタックルに行く形になる状況で、2人目に入る選手がタックラーになってしまったら、斜めに入っても問題ないですが、その代わりタックルして相手が倒れたあとに一度相手から手を離さないといけません。手を離してからボールに働きかけないと反則になってしまいます。
1人目が、倒すか倒し切らないかという状態のところで2人目に入って行った場合、自分がアシストタックラーになるのか、後からボールに働きかけに入った選手なのかという判断が難しいですね。相手を倒して初めてタックル成立となるので、倒れかけている時には角度があるところから入って行ってもいいんですが、相手が倒れて人が組み合った瞬間にラックが発生するので、突っ込む角度を真っ直ぐに変えなければいけないし、そこを判断してボールに働きかけなければなりません。自分が入ってから相手が倒れて、そのタックルが成立となった場合は、相手をつかんでいる手を一度離して、またボールに行かなければなりません。そこでの状況判断が大切です。