2013年1月11日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #022 『サンドバック』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「サンドバッグ」(解説:竹本 隼太郎)
サンドバッグとグローブ。ボクシングで馴染みのまさにアレですね。サンゴリアスでも定番アイテムになったきっかけは、JP(ジョン・プライアー/日本代表ストレングス&コンディショニングコーディネーター/前サンゴリアスコーチ)がトレーニングの一環としてやり始めてからです。
僕はウォームアップとか、オフの日に汗を流したりとか、闘争心を掻き立てるためにやっています。やる時は10~20分ぐらい、3分を数ラウンドとか、日によっては2分に区切って何ラウンドかやっています。叩き方がどうかという技術的な部分より、闘争心を掻き立てるという精神的なものが目的のトレーニングだと思います。
人とやると負けたくないので、朝練で例えば金井(健雄)と“首の下フルショット”でやりあったりすると、早朝から100%の力を出す事が出来ます。やる時は本気で闘います。闘争心が掻き立てられてアドレナリンが出て、真冬の朝でも寒さを感じませんし、きつさも感じなくなります。それでいて大きいグローブなのでダメージはそんなに残りません。
サンドバッグはインテンシティーを上げることにも繋がります。僕は練習の途中まではインテンシティーで良い数字を出していても、最後のメニューで抜いてしまう癖がありました。メンタリティーの面で追い込めていないのは精神的に弱いところがあった訳で、朝練でJPに言われました。「サンドバッグを10ラウンド叩いて自分で追い込め、自分の心をプッシュしなきゃいけない」と。ですからサンドバッグは自分と向き合えるツールの1つだと思います。
もちろんボクシングでは1ラウンド目と10ラウンド目が同じだと、追い込めていないとか、体力を配分しているとかという話になるので、パフォーマンスは10ラウンド目の方が確実に落ちるんですが、心拍数とか疲労感はずっとキープし続けなければいけないので、パンチの数が減ったとしても、心拍数が落ちないようにしています。そこで抜いたら、たぶん練習でも最後に抜いてしまうだろうと考えて、サンドバッグと向き合って自分とも向き合っています。僕は毎週、試合の後に汗をかきにクラブハウスへ来てやっていますので、基本的に1週間に1回やっています。