2013年2月 4日
「少年サンゴリアス」Vol.41 岸和田玲央『ラグビーと私生活』
「少年サンゴリアス◆岸和田 玲央◆ラグビーと私生活」
子供の頃は外へ出て友達と遊ぶことが多く、鬼ごっこ、かくれんぼ、サッカー、毎日違う遊びをやっていました。大阪に住んでいた小学生の頃は、ほとんど外で遊んでいました。ジャングルジムから落ちて、目の上を切るとか、頭を切るとか、そういう怪我が多かったですね。怪我をしても全然平気な、丈夫な子供でした。
友達のお母さんから「ラグビーをやってみない?」と言われて、小学校2年の時からラグビースクールでラグビーを始めましたが、その頃はラグビーの楽しさがよく分かりませんでした。ラグビーと一緒に水泳もやっていましたが、むしろ水泳の方に興味がありました。
住んでいる家のすぐ前に川があって、大雨で氾濫がおこって大洪水になった時がありました。泳ぎには自信があったので、友達と「ちょっと入ってみようぜ」と言って、命懸けで遊んだことがあります。親はこの頃、共働きだったので、このことは知りません。今思えば本当に危ない遊びをしていたなと思います。川上に橋があって、橋から20mぐらいの崖になっている場所があり、そこを好奇心で登ってみたこともあります。友達もやりましたが、今考えると、落ちたら命が危なかったと思います。この頃は怖いもの知らずでした。今の子供たちは絶対に真似しないで下さいね。
小学校4年生の時に兵庫県に引っ越して、近くの宝塚にラグビースクールがありましたが、水泳が出来るところは周りになくて、その時に水泳を辞めました。ラグビースクールは指導方法も変わって、指導者がスキル的なことを教えてくれたり、試合に対する闘争心を植え付けてくれたりして、それが僕には合っていて、ラグビーが面白くなっていきました。上達していき、結果が出てくると楽しく思えてくるんだと思います。
スクールではコーチがボランティアで指導してくれていて、今はそういう指導者はほとんどいないと思うのですが、上手くいかない時には体で覚えさせられることもありましたし、とても人間味のある人たちでした。ラグビーの技術どうこうではなく、「ラグビーと私生活はリンクしている」ということを、その頃から叩き込まれました。「私生活がしっかりしていれば、ラグビーも上達する」という教えが、人間としての大事な部分を作ってくれたと思っています。ラグビーは人間を大きく成長させてくれるスポーツだと思います。
(構成:針谷和昌)