CLUB HOUSE

クラブハウス

サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2012年12月14日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #014 『フォワード』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。

「フォワード」(解説:佐々木隆道)
 
 
「体を張る人」とか言ったら、バックスに失礼ですね。言い換えると、より密集の近くで激しくコンタクトする人たち。勇気もいるし、しっかりとした体づくりもいるし、ラグビーはフォワードがしっかりしていないと、良いバックスを揃えても勝てないので、フォワードは目立たないけれど、チームの土台になれるような選手たちではないかと思います。
 
コンタクトの回数が多いですし、いつもボールの近くにいることが出来るので、フォワードは楽しいです。コンタクトが嫌いだったらラグビーはできません(笑)。理想のフォワード像はジョージ(スミス)ですね。いつもボールを欲しがっているし、いつもディフェンスでも何かしようとしているし、ピンチの時にはいちばん最初に帰ってくるし、真似をしようと思うんですけれど、なかなか出来ないような感じです。
 
僕の場合は練習でも試合でも走っていくしかないんですが、ジョージは長距離をただ走ったらそんなに体力がないというか、速い方ではないんですが、ゲームになるといつも良いところにいるんです。常に自分の最適なポジションを探しているのではないでしょうか。そういう理想のフォワード像からすると、僕自身は10段階で言ったら、2ぐらいです。本来、人が決めることであまり自分で点数をつけることはしないんですが、自分の中でこういうことが出来て、こういうところがまだダメだなというのは明確にあるので、それがクリアできたら、3、4ぐらいは行けるかもしれません。
 
ダメだなというところは、ブレイクダウン・テクニックと、ディフェンスです。ディフェンスでは、自分が入った時に、状況をもっと変えられるような選手になりたいと思いますし、ブレイクダウン・テクニックは、サポートの位置から自分が入ったら、必ず1人相手のディフェンダーを排除できるようにしたいと思っています。
 
サニックスとの試合の前日に、ジョージとミーティングをして、有効的にブレイクダウンに入っていくポジションを勉強して、試合でもそこを意識して今やっているので、この1ヵ月(ウィンドウマンス=各国代表のテストマッチが実施される期間でリーグ戦が一時中断する期間)でしっかり自分のものにして、後半節にもっと良い仕事ができるようにと思っています。

 
ジョージから得るものは無尽蔵にあります。サポートひとつにしても、自分たちは「早よ行かなあかん」って思っていますが、「あまり早よ行っても状況が見えへんやろ」みたいなことや、「コンタクトが起こってから倒れるまでたぶん1秒ぐらいあるから、その隙に距離をつめて」みたいなことを言われます。
 
去年までベースの部分をしっかりやってきて、それでもブレイクダウンで通用しない部分があったり、ディフェンスでももっと伸び代があるところで壁に当たっていると思うので、そうやって頭で理解したら、あとは行動に移すだけだということを意識しながら今やっています。
 
僕はフォワード、しかもバックローしかほとんどやっていないので、「他のところは楽しいやろな」という気持ちもあるので、これからラグビーを志す子どもたちに「絶対にフォワードをやると良い」とは言わないです。もっとパスとかキックが上手かったら10番もやりたいし、もっと足が速かったら15番もしたいですしね(笑)。

一覧へ