2012年11月 5日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #002『スクラムマシン』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「スクラムマシン」(解説:金井 健雄)
自分自身とチームがスクラムと向き合う場です。1人で淡々と自分のスクラムの組み方を決めることも出来るし、みんなで全体の組み方を確認することも出来ます。基本的に各々の思いを込めながら、そして振り返りながらスクラムマシンでスクラムを組んでいるので、そのチームにあるマシンは、皆の思いとかオーラで満ちていると思います。汗の結晶も残っています。
スクラムマシンは凄く重いものです。重量としても、気持ちとしても、重いものです。ブレーキがついていて、そのブレーキによってスクラムに耐えられるようにしてあります。全員で組んだらすぐ動いちゃうんですが、3人ぐらいで組んでも動かないと思います。押す時には上に乗ってブレーキを踏む人がいます。
人によっては確認するために週に3~4回使っていると思いますが、チームとしては週に1回ないし2回ですね。マシンの移動は、エンジンが付いている訳ではないので、人が押したり引いたりしています。手動です。
スクラムマシンは確認するには分かり易いですし、ビデオに撮って押しの伝わり方とか、ロックの頭が浮いているとか、そういうことが分かりますので、指針になります。練習では、3人で組んで、ロックとナンバーエイトを加えた6人、そして最後に8人で組みます。3人、6人、8人ですね。
フランスでは毎年改良したマシンを造っているらしいのですが、そこまでする必要があるのかどうか(笑)。フランスはスクラムを重視している国で、フィジカルな1対1や8対8の単純な身体の戦いが好きなんじゃないでしょうか。サンゴリアスには1台あって、自分がチームに入った時からあります。僕は馴染みのスクラムマシンが好きなので、このままでいいと思います。
練習でスクラムマシンを使わずに「人対人」でスクラムを組むと、バランスが必要になるので、後ろの押しなどをフルに練習するには、マシンの方が出来ると思います。人が8人対8人で組んで押し合うと、落ち具合や角度が微妙についてきてしまうので、純粋に力での押し等を確認するには、マシンの方が良いですね。