2012年10月30日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #001『インテンシティー』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「インテンシティー」(解説:竹本 隼太郎)
サンゴリアスでここ3年の間によく使われるようになった言葉で、ランニングの強度にフォーカスをあてた言葉です。フィットネスが低い人でも1回、2回だったらスピードを出せて良いプレーが出来る訳ですけれど、そういう我がままなプレーをしていたらチームプレーは出来ないし、チームの総合の力が増していかないということで、サントリーの中で「フィットネスを上げつつ強度も上げる」という意識をつけるために作られた言葉です。
フィットネスを上げるのは量を増やすということで、インテンシティーを上げるというのは質を増やすということです。試合で強度の高い走りが出来ているかどうか、その比率が数字で出ます。強度は6段階に分かれていて、いちばん高いゾーンに入っている時間がどれぐらいか、ということにフォーカスします。
ポジションによっても違いますが、それが数%の選手がほとんどですけれど、素晴らしい選手だと10%を超えます。そこまで行くのはなかなか難しいです。全走行距離に対するパーセンテージなので、逃げ場なしです。量を走らないで強度が高くても全体の仕事量が減ってしまうので、距離も強度も求められるということになります。ですからパーセンテージだけ求めていてもダメで、量も一定数を超えつつ強度も高いという意味の、インテンシティーという言葉です。
見た目や自分で感じているものと実際では全然違って、最初の頃は自分では「走ったぞー」と思っても、数字がまったく出てなかったので、「あれ?一生懸命走っているのに」と思いました。反応が良くなったり、チャンスとかピンチどころで距離があってもダッシュしたりすると、数値が上がります。スピードを切り替えた回数も大事ですし、走る質に関してはいろいろな要素が噛み合ってくるので、フィットネス、インテンシティー、そしてプレーの回数、この3つの掛け合わせが大切だと思います。
相手がいるかいないか、競争があるかないかの練習メニューや練習の前半か後半かによって、自分で出しているつもりでも数字には出ない時もあるので、意識をしないとインテンシティーは持続出来ないんだということも分かりました。自分で自分の心をプッシュしなければいけないということです。僕の場合はキャプテンという立場があったので責任感が後押ししてくれて、出来るようになりました。
面白いのは無意識に抜いてしまうので、呼吸がおさまるのを待って、練習メニューが変わった時に力を出すのではなくて、練習メニューが切り替わるタイミングで移動したりする時にちょっと休んで、もう一度自分のマックスのきつい状態まで追い込むと、インテンシティーは上がります。結構競争の後は抜いてしまうので、そういう時だからこそ次の1プレーを本気でプレーしないといけないという意識が芽生えるんです。僕もまだ改善を続けています。維持と改良という、その両方をやっていかないといけません。とくにインテンシティーはまだまだなので、目指すべき数値がありますから、それを目指してやっていきます。