2012年11月20日
「中年サンゴリアス」その2 上村康太 『100%楽しんでもらう』
こんな少年がラグビーを通じて立派な大人になったというのが「少年サンゴリアス」ならば、サンゴリアスでのラグビー人生を通じて得たものを仕事人生にどう活かしているかというお話を聞くのが新コーナーの「中年サンゴリアス」。中年と呼ぶにはまだ早いメンバーも含め、OBたちの変わらぬラグビー愛や職場での様子を語ってもらいます。
「中年サンゴリアス◆上村康太◆100%楽しんでもらう」
サントリービア&スピリッツ株式会社 東京支社第1支店
2003~2009年度現役
去年から応援団をやっています。ですので、ブランクというかサンゴリアスと離れていたのは、引退した最初の1年だけです。秩父宮はほぼ全ての試合に来て、サッカーとか野球とかを含めて、こんなにスポーツチームを応援したのは初めてで、去年は相当楽しかったです。自分がいないチームをあれだけ応援したのは初めてで、二冠。ほんと嬉しかったですね。
今年ももちろん100%応援団で、本気でやりますよ。応援のキーポイントは"気持ち"ですね。自分が本気で応援するという気持ちで、照れなんか出してられないし、もともと照れないしエンターテイナーなんで(笑)。この応援席に座って、うちのタオルを持ってくれている人には、もう100%楽しんでもらえるような気持ちでやって行きます。目標は今年も二冠、いや1位通過を含めて、三冠です。
今の仕事は東京エリアで、業務用と言って夜の飲食店の担当です。酒屋さんと飲食店の担当です。現役を引退してからの担当ですが、現役時代は府中の西東京の営業所で、同じ夜の業務用を担当していました。1年間でしたけれど、現役中に同じ業務用を担当していたので、仕事にも戸惑いはなかったですし、今思えばそれが良い経験になりました。
朝は会社へ行って、酒屋さんをまわって、夕方から夜中にかけて飲食店をまわります。3時、4時の営業は、仕込み中の大将などに挨拶しながら商談して、6時以降は飲みながらカウンター越しに話をしたりしています。1つの店、1つの街をサントリー色に出来るというのが面白いですね。スーパーの売り場でもそうなんですけれど、業務用は店を1つのメーカー一色に出来るんですよ。
ビールだったらサントリープレミアムモルツ、ウイスキーだったらサントリーの山崎とか、「専売店」という呼び方をしているんですけれど、サントリー専売店という契約が出来れば、その店ではサントリーしか売らないようになるんですね。今まで別のメーカーだったお店を、ガラッと変えることが出来るんです。逆ももちろんありますよ。それには日々通って、HR、ヒューマンリレーションというのをしっかり構築して、他社が来ても寄せつけないような関係をつくる。そのために日々の営業で人間を売って行く訳です。
人と接するということがラグビーと共通するし、チームワークも共通します。会社のエリアの担当の人やビールのメンテナンスの人も、一緒にその店を担当しているので、そこにはチームワークがあります。そういう人たちに対する感謝の気持ちを、日々持ちながらやっています。みんながいないとその店を守れないし、1人じゃ何も出来ないですから。
お客さんに対するコミュニケーションの取り方も、小さい頃からラグビーをやって来たことによって培ってきた能力ではないかと思います。結構ラグビーを見ていた人が、オーナーとか店の大将、それからアルバイトで働いている人にも多いので、共通の話題で話がしやすいですよね。今担当している酒屋さんや飲食店さんで、もっと数字を上げて行くという目標もありますし、ラグビーOBの先輩方でもマネージャーとかに出世しているので、先輩たちを追いかけて行きたいですね。
飲食店へ行って僕の名前を知ってくれていたり、「むかし応援してたよ」とか言われると嬉しいですね。サンゴリアスの話題を楽しく話せた時とかも、嬉しいですよね。引き続き頑張ります。現役の選手たちは、プロじゃなくて仕事と一緒にやっている人間は、与えられたことをしっかりやりながら、今しか出来ないラグビーを全うして欲しいなと思います。そして与えられている仕事はちゃんとやっておかないと、将来引退して仕事に戻った時に苦労しちゃうので、そこもしっかりやった方が良いと思います。
(構成:針谷和昌)