2008年10月22日
「少年サンゴリアス」 Vol.17 平 浩二
『竹本家のムチ』
子供の頃はインドアもアウトドアもどっちも好きでした。友達と家で2~3時間ゲームをして、そのあと外にサッカーとかラグビーとかをやりに行っていました。放課後とかもサッカーをやったりしていました。
イタズラで覚えているのは「ピンポンダッシュ」です。家まで小学校から結構遠かったので、帰り道にあるいろいろな家にほぼ毎日、3人でやっていました。1人が最初に見て、もう1人は周りに誰もいないか確認して、それで家のチャイムを押して3人でダッシュする、というやり方です。とうとう1回見つかって、学校に通報されました。
誰がやったかまではわからないので、「出て来い」みたいなことを言われて、手を挙げました。それが終わるまで帰さない、みたいな雰囲気でしたから(笑)。たぶんみんなもしていたと思いますが、僕らは「し過ぎ」ましたね。
足が速くなったのはそのせいではなく(笑)、長崎は坂が多いんです。学校から早く帰りたいので、チャリンコとかでもダッシュしていたんです。坂をずーっと。1回下りてまた上ってみたいな道なので、友達とダッシュして帰ろうと「いちばん早く止まった奴が負け」なんて言いながら走って帰ってきていました。早く帰りたかったのはもちろん遊びたかったからです。
同じ長崎の竹本隼太郎は家が近所で、歩いて5分ぐらいなんです。小ちゃい頃から家によく遊びに行って、オヤジがメチャ恐いんですよ。竹本家の罰があって、「ムチ」があるんです。布団たたきで生ケツを思いっきりたたくんです。それを僕らは通称「ムチ」って言って、「ムチあるよ、ムチあるよ」ってよく言っていました。
そのムチは僕も1回やられました。何でだったっけなぁ...。よく覚えてないんですけれど、あいつの家のルールを守らなかったか何かでした。規則に厳しいんですよ。竹本の親父とうちの親父が仲がよくて、だから子供の頃からお互いの家に行ったり来たりしていました。1つ下の竹本とは学校も小中一緒でしたから。
自分の親に怒られたのは、塾をさぼって、しかも親の財布から小銭を盗んで、近くの売店の外に1台ゲーム機が置いてあったんですが、そこで遊んでいた時です。
僕はそのゲームが結構上手くて極めていたので、小学校の同じぐらいの歳の奴らが、みんな僕の周りにぐるっと集まって、囲んで見ていたんです。そこになぜかうちの母親が来て、周りの子供たちをかきわけてやってきて、「あんた何してんの!」と怒られて家に連れて帰られました。
「親父が帰って来たら絶対にメチャ怒られるわ」と思っていたら、案の定、帰って来てすぐ山に連れて行かれました。車に親父と2人で乗って山の上の方まで連れて行かれて、夜の9時とか10時ぐらいですけれど降ろされて「お前こっから歩いて帰れ」と...。
小学校3年か4年の時ですから、僕はワンワン泣いて、「ごめんなさーい!もう絶対しません!」とか叫んでいるんですよ。遠くに車が停まっているのはわかったんですけれど、親父がすべての電気を消しているので真っ暗なんです。本当に何も見えなくて、本当に恐くて、本当に大声で謝りました(笑)。
最後はたぶん迎えに来てくれたと思うんですが、あれがいちばん恐かったですね。その親父は今も長崎でバリバリに仕事しています。いまはもう恐くないですよ(笑)。
こっちに来てからはあまり来ませんが、高校までは必ず試合を見に来てくれていました。うるさいんですよ、ラグビーのことに関して(笑)。自分でも大学までラグビーをやっていましたからね。その影響でラグビースクールに兄貴と入ったんです。