サンバーズ選手同士のスペシャル対談

Talk × Talk樫村大仁×鬼木錬

「1年目&3年目若手ミドルブロッカー対談」

慶應義塾大学から2021年度入団した樫村選手と日本体育大学を経て、今年度、チームの一員となった鬼木選手。樫村選手は、2年目の昨シーズン、V.LEAGUE DIVISION2(V2)に所属するヴォレアス北海道に期限付きで移籍し、ミドルブロッカーとして全試合に出場する活躍を見せ、V1昇格の立役者となりました。その後、樫村選手はサンバーズに合流し、「2023アジアクラブ選手権大会」優勝に貢献した後、日本代表へ。昨シーズン内定選手として入団した鬼木選手とは、一緒に寮で過ごした期間は10日ほどだったそうです。お互いに知らないことが多いという若手ミドルブロッカーの二人に、プライベートなことからバレーボールのことまで語ってもらいました。

初めて会ったのはU19代表合宿

鬼木選手はチームにはもう慣れましたか?

鬼木 随分と慣れました!サンバーズは連覇を達成したチームですし、入団する前は、ピリピリした雰囲気を想像していたのですが、先輩方が馴染みやすい環境を作ってくれて。どの選手もオンとオフの切り替えがうまいですし、厳しさと楽しさがあるチームだなと思います。

樫村選手は今年で入団3年目となります。2学年違う両選手ですが、初めて会ったのはいつでしょうか。

樫村 世代別(U19)の代表合宿で一緒になったよね。
鬼木 はい!僕が高校2年の時でした。
樫村 僕は大学1年だったな。鬼木とは喋ったと思うけど、あまり覚えていなくて。というのも、もともとチームはアジア選手権から活動していて、その後、世界ユース選手権に向けて合宿をした時、急遽鬼木が招集されたんだよね。だから、一緒にいた期間が短くて。
鬼木 そうですね。それに、僕自身、練習についていくのが精一杯で、余裕がなくて…。樫村さんは、ずっと試合に出られていて、すごいなあと思いながらプレーを見ていました。
樫村 ホントに(笑)?
鬼木 はい!強いなあと感心していました!

鬼木選手はユニフォームのサイズがチームNo.1

大学時代はどうでしたか?

樫村 大学時代、僕のチームは、1部と2部を行ったり来たりしていたし、鬼木のいる日本体育大とはそれほど対戦したことがないけど、鬼木は、とにかくデカイという印象があるな(笑)。普通バレーボール選手というと、長細いイメージだけど、鬼木の場合は、すべてのパーツが大きくて、全体的に分厚い!
(偶然通りかかった加藤 久典マネージャーから「鬼木は、ディマ(ドミトリー・ムセルスキー)よりユニフォームのサイズがデカイんですよ」との情報が!)
樫村 そうなんだ(笑)。サイズは?
鬼木 5XLです。(※ムセルスキー選手は4XLとのこと)
樫村 僕は2XL。鬼木は規格外の大きさ(笑)。

普段、洋服はどこで買っているんですか?

鬼木 サイズがないので、インターネットで大きいサイズの服を探しています。
樫村 僕もそう。半袖や短パンはまだサイズがあるけれど、冬服は腕や足の長さが合わなくて苦労する(苦笑)。

家族うどんをペロリ!大食漢の鬼木選手

高身長の選手「あるある」ですね(笑)。話がそれましたが、U19日本代表で初めて出会って、サンバーズでチームメイトになりました。ただ、樫村選手は昨シーズン、ヴォレアス北海道でプレーし、その後日本代表へ、鬼木選手はユニバ代表と、これまでチームで一緒だった期間はそれほどなかったように思います。

樫村 黒鷲旗前に北海道からサンバーズへ帰ってきて、アジアクラブ選手権でバーレーンに行って、大会終了後すぐに日本代表の合宿だったので、寮で生活したのは実質10日間ほど。だから、鬼木のプライベートは全く知らなくて。バーレーンでは鬼木は誰と相部屋だったの?
鬼木 僕は(高橋)塁さんと同じ部屋でした。
樫村 僕は(西田)寛基さんと相部屋で、寛基さんと散歩をしたり、プールに行ったりしていたけど、鬼木はホテルではどう過ごしていたの?
鬼木 僕は試合に向けてチームのサポートをしていました。
樫村 そうなんだ。バーレーンでの鬼木というと、焼肉のタレを持ってきていたなって。食事会場で料理に焼肉のタレをかけて、バクバク食べていた(笑)。
鬼木 (笑)

「焼肉のタレ」ですか。海外遠征のお供にはもってこいですね(笑)。プライベートは知らないとのことですが、お互いの印象を教えてください。

鬼木 U19日本代表でも、大学時代も、そんなに話をしたことがなかったので、どんな人なのかなと思いながら喋っていたのですが、樫村さんは真面目で面白い人だなって。
樫村 面白いかなあ(笑)。とりあえず、鬼木とは寮生と何人かで数回食事に行ったくらいだもんね。鬼木は、ガツガツしていなくて、マイペースという印象かな。あと、印象ではなく、事実だけど(笑)、とにかくよく食べる!寮生から聞いた話によると、某うどんチェーン店に行った時に、6玉入りの家族うどんを一人で食べたって。ホントに?
鬼木 はい!子供の頃からめちゃくちゃ食べますね。
樫村 鬼木を食事に連れていく時は、お財布と相談しないといけないな(笑)。

質問タイムに突入!まずはプライベート編

お互いのことをあまり知らないとのことですので、ここから質問タイムへ。樫村選手は鬼木選手に、鬼木選手は樫村選手に質問をして、お互いのことを少しでも知ってもらえればと思います。

樫村 鬼木のプライベートはホームページのプロフィールに載っていることしか知らなくて。趣味の欄に「料理」ってあったけど、得意料理は何なの?
鬼木 難しいですね。レシピさえあれば、何でも作れますね。
樫村 レシピを見なくても作れるものは?
鬼木 サンバーズに入団してから自炊していないので、何が作れたかなあ…。
樫村 僕は昨シーズン、北海道にいた時、自炊していたけど、“ザ・男の料理”だったな。とりあえず、具材を切って炒めてニンニクチューブで味付けして(笑)。
鬼木 僕はスイーツも作れますよ。あ、ティラミスならレシピがなくても作れますね!
樫村 ティラミス!なんで作ろうと思ったの?
鬼木 大学時代、寮生活をしていたんですが、仲間に食べてもらおうと思って作りました。自分自身は甘い物を好んで食べるタイプではないんですけど、料理を作って振る舞うのが好きなので、スイーツのほかにも、休みの日に、餃子を作って、みんなと食べたりしていました。
樫村 すごいねえ(感心した様子)。

一人で行動できるタイプなんです

では、鬼木選手から樫村選手に質問をどうぞ!

鬼木 オススメの北海道の観光スポットを教えてください。
樫村 僕がいたのは北海道のちょうど真ん中あたりの旭川市なんだけど、とりあえず向こうに行った当初はチームや環境に慣れようと思っていたので、ほとんど出かけていなくて、そうこうしているうちにリーグが始まって。なかなか出かけることがなかったんだけど、唯一、旭山動物園には行くことができた。今年2月頃に行って、2回入場すれば元が取れる金額だったので、年間パスポートを買ったんだけど、結局1回しか行けなくて(苦笑)。旭山動物園は、本州の動物園とは違って、展示されている動物がどれも白っぽくて、大人でも十分楽しめる。あと、旭川周辺に日帰り温泉がたくさんあったので、ちょくちょく行っていたな。
鬼木 旭山動物園は一人で行ったんですか?
樫村 そう、一人で行ったよ。
鬼木 僕も一人で行動するのは嫌いじゃないです。
樫村 それだったら鬼木と一緒に遊びに行けないじゃん。
鬼木 あ、大勢で行くのも好きなんで、誘ってください!

オフの日は部屋でのんびりしています

樫村 じゃあ、鬼木に質問。鬼木選手は、よく食べるだけでなく、お酒もよく飲むそうですが、一番好きなサントリー製品は?
鬼木 ウイスキーのハイボールですね。お店では必ずウイスキーのハイボールを注文します。
樫村 確かに美味しいし、飲みやすい。けど、僕は鬼木選手と違って、それほどお酒を飲まないんだよね。
鬼木 そうなんですか、意外です!樫村さんはオフの日、何をしているんですか?
樫村 誰かに誘われたら遊びに行くけど、基本的には部屋でゲームをしてのんびりしたり、スーパー銭湯に行ってリラックスしたり、ダラダラすることが多いかな。普段、体を動かしている分、オフの日はゆっくりしたいなって。
鬼木 その気持ち、わかりますね。僕もオフは寮の部屋でアニメを見たりしてのんびりしていますね。

サッカーからバレーボールへ!

バレーボールやプレーに関する質問もどんどんしてくださいね。

樫村 鬼木のバレーボール歴を聞いてみたいな。バレーをはじめたのは高校からだよね。
鬼木 そうです。高校に入学した時点で身長が2メートルあったので、バレーボール部の監督から誘われました。
樫村 それまでは?
鬼木 サッカーをしていました。
樫村 ポジションは?
鬼木 キーパーです!
樫村 やっぱり(笑)。
鬼木 ずっとバレーボールかバスケットボールをしたかったんですが、中学にチームがなくて、それで高校に入ったら、どちらかをはじめようと思っていたんです。
樫村 僕と同い年の平井(海成/JTサンダーズ広島)も鬼木と同じ高校(祐誠高校)出身のミドルブロッカーなんだけど、祐誠高校の監督は、身長の大きな選手を育てるのがうまいんだよね。
鬼木 僕の代も初心者だけど高身長の選手が多かったですね。
樫村 ちなみに、鬼木の持ち味は?
鬼木 スパイクの力強さには自信があります!

成長を目指して日々精進

樫村 今シーズンはどこを強化しているの?
鬼木 (山村)宏太さんからブロックの際、横の移動が遅いと指摘されているので、そこは常に意識しながら練習に取り組んでいます。あと、スパイクもこれまで以上にコースや幅を意識しています。樫村さんは日本代表に招集され、アジア競技大会に向けての合宿に参加されていますが、雰囲気などどうですか?
樫村 鬼木も世代別代表で経験していると思うけど、みんな、違うチームから集まるし、選手もその都度変わるのでチーム作りという点では難しさもあるけれど、レベルの高い選手ばかりなので、少しでも気を抜けば追い越されてしまうという競争意識と緊張感を持って練習に取り組めている。もちろん、今はBチームなので、Aチームに入りたいという気持ちはあるけれど、自分の中でまだAチームでプレーするというイメージが湧かなくて。もともと長期的な目標を立てるのではなく、想像できる目の前の目標を1つ1つクリアしていき、ステップアップしていくタイプなので、今は、Bチームで活躍することを目標にやっているという感じかな。Aチームでプレーする小野寺(太志)さんから学ぶことも多いし、有意義な時間を過ごすことができている。
鬼木 僕も将来的には日本代表でプレーしたいという目標はありますが、経験を含めて足りないところが多いですし、樫村さんと同じように、そこで活躍するというイメージを持つことができません。これからサンバーズで試合に出て経験を積んで、「日本代表を目指す!」と言い切ることができるまで、まずは成長したいと思います。

それぞれのチームでPLAY HARDする!

質問、ありがとうございました!9月19日に発表がありましたが、昨シーズンに続き2023−24シーズンも樫村選手はヴォレアス北海道に期限付きで移籍することになりました。今シーズンは、サンバーズとは敵チームとして対戦することになるんですね。

樫村 そうなんです。入団1年目は、膝の怪我もあり、試合に出るというイメージが持てなくて。昨シーズンは膝の状態が随分と良くなり、コンディションも上がってきて、ヴォレアス北海道で試合経験を積むことができたのですが、今シーズン、サンバーズでチームの中心選手として活躍できるのかと聞かれると、自信を持って「できる」と答えることができないなって。引き続き、膝の状態を100パーセントに近づけつつ、試合経験を積んで、もう一回り成長したいと考え、今シーズンもヴォレアス北海道でプレーさせてもらうことになりました。ヴォレアス北海道はV1に昇格し、サンバーズとは敵チームになりますが、このチャンスをしっかり活かして、すべてにおいてレベルアップしチームに帰ってきたいと思います。そして、来シーズンこそ、サンバーズでポジションを獲得し、優勝に貢献できるようにしたい。もう1シーズン、ヴォレアス北海道で頑張ります!

今シーズンの目標は。

樫村 怪我の影響で試合に出られない時期が長かったのですが、昨シーズン試合経験を積んで、パフォーマンスが上がり、日本代表にも入ることができました。昨シーズンから成長の手応えを感じていますので、このまま歩みを止めないで、今シーズンも試合に出て、安定して高いレベルのパフォーマンスが発揮できるようにしていきたいと思います。
鬼木 昨シーズンは内定選手として何もすることができなかったので、今シーズンは試合に出たいという思いが強いです。大学生とのトレーニングマッチで出場機会をもらい、コーチ陣にもアピールできていますので、慢心することなく練習に励み、V.LEAGUEの舞台に立って、これまで育ててくれた両親の前でかっこいい姿を見せたいと思います!

では、いつもあたたかい声援を送ってくれているファンの皆様へメッセージをお願いします。

鬼木 バレーボールを楽しむことがモットーですので、試合中はぜひ笑顔に注目してください!今シーズンは、試合に出て、どんどん笑顔を見せたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
樫村 昨シーズンも、ヴォレアス北海道でプレーしていたので、僕のプレーを見たことがないという方も多いと思います。今シーズンは、サンバーズとは敵チームとして対戦することになります。その際は、サンバーズとともに、僕個人を応援していただけたら嬉しいですし、時々、樫村はどうしているのかと気にかけてもらえたらと思います。チームは違いますが、『PLAY HARD』のマインドを持って頑張ります!

樫村選手はヴォレアス北海道で、鬼木選手はサンバーズで、それぞれ活躍を期待しています!

インタビューは、樫村選手がアジア競技大会に向けての合宿から一時的にチームに戻ってきた時に実施しました。5年制の高専から「バレーボールにもっと集中したい」と大学に編入した樫村選手と、高校から競技をはじめ、そこからバレー一筋の鬼木選手。ちなみに、樫村選手は高専時代、物質工学科で学び、日々実験に明け暮れていたとか。鬼木選手は、寮生活の初日に食堂で、間違えて収納扉から出ていこうとしたという天然エピソードも(笑)。
論理的に話す樫村選手と、柔和な笑みが印象的な鬼木選手。醸し出す雰囲気は正反対の二人ですが、気が合う様子で、トークは和やかに進行しました。サンバーズの次世代を担う期待の若手ミドルブロッカーに大いに注目です!

(取材日:2023年8月30日)

樫村選手は、入団3年目となり、髪をセットしたり、ネックレスを付けたりするようになった!と加藤マネージャーから証言が。「人は変わるんです」と樫村選手。

本日のオシャレポイントは、カスタムしたというお気に入りのスニーカーだとか。サイズはなんと34cm。体も足も超ビックサイズの鬼木選手。なんと妹も180cmの高身長(バレーボールはやっていないそうです)!

樫村選手は茨城県日立市出身。鬼木選手は福岡県八女市出身。トークの途中では、小学生の時に、同級生が何人いたかを競う場面も(笑)。ちなみに、樫村選手は5人、鬼木選手は30人だったそう。

おまけの1枚。超笑顔の樫村選手とはにかんだ表情がかわいい鬼木選手!

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