サンバーズ選手同士のスペシャル対談

Talk × Talk藤中謙也×藤中颯志

「ついに実現!兄弟トーク」

2016年4月に入団以来、ディフェンス力が武器のアウトサイドヒッターとして活躍する藤中 謙也選手と昨年9月にチームの一員となったリベロ藤中 颯志選手による兄弟トークがついに実現!今シーズン開幕戦から一緒にコートに立ち続け、ジェイテクトSTINGS戦では、藤中 優斗選手が出場し、藤中3兄弟が顔をそろえる場面も!颯志選手は、鍬田 憲伸選手、高橋 塁選手との同期トークで、6歳上の長男、謙也選手とは、一緒に住んだ期間が短いので、「一般的な兄弟とは感覚が違う」と話していましたが、兄から見た三男とは!?また、今シーズン、初めて同じチームでプレーし、何を感じたのか。さまざまなことを語ってもらいました。

謙ちゃん&颯志によるトークがスタート!

まずは兄弟でなんと呼び合っているのか、教えていただけますか。

謙也 普通に「颯志」ですね。
颯志 「謙ちゃん」です。
謙也 家族からは「謙ちゃん」と呼ばれていますね。

ちなみに、ジェイテクトSTINGSの次男・優斗選手のことは?

颯志 「優斗」です。

真ん中の兄に対しては、呼び捨てなんですね。

颯志 (笑)

一緒に遊んだ記憶がない…(笑)

以前、颯志選手は、謙也選手とは一般的な兄弟の感覚とは違うと話していました。

颯志 謙ちゃんは、気がついた時には家にいなかったという印象があります。中学は越境をして家から離れた学校に通っていたので、朝早くに出て、遅くに帰ってくるという感じでしたし、高校は寮生活だったので、あまり謙ちゃんと遊んだり、喋ったりした記憶がありませんね。
謙也 3歳下の優斗とはゲームをしたりしていましたが、颯志とはないな。
颯志 謙ちゃんとは、喧嘩もしなかったですね。喧嘩をするとしたら、優斗だったんですけど、いつもやられていました。
謙也 だけど、兄弟の中では颯志が三男ということもあって、一番かわいがられていて。
颯志 「かわいい、かわいい」と言われて育ちました(笑)。

自慢の兄です!

やっぱり颯志選手がバレーボールをはじめたのは兄の影響を受けてなのでしょうか。

颯志 謙ちゃんがJOCに出場した時に、家族で試合を見に行ったのですが、それをきっかけにバレーボールをはじめることにしました。
※JOCジュニアオリンピックカップ(全国都道府県対抗中学バレーボール大会)

高校時代、インターハイや国体で優勝したり、春高バレーに出場したりするなど、謙也選手は自慢の兄だったのではないですか。

颯志 僕が通っていた中学に謙ちゃんは1年しか通っていなかったのですが、中学でも高校でも、みんな、謙ちゃんのことを知っていて、それが誇らしかったです。それから大学を経て、サンバーズに入団して、僕もVリーグでプレーすることが夢だったので、すごいなと思っていました。大学生の時には、部員の招待があったので、サンバーズの試合を見に行ったこともあります。

颯志選手は、大学時代にリベロに転向しましたよね。兄に報告したのでしょうか。

颯志 していないですね(笑)
謙也 母から聞いて、リベロに転向したんだと。颯志だけでなく、優斗の試合も見ていなかったので、2人のことは母から聞いていました。
颯志 学生時代はほとんど連絡していなかったですね。
謙也 男兄弟ってそんなに頻繁に連絡を取り合ったりしないんじゃないかな。

チームメイトとして一緒に戦った

今シーズン、颯志選手がサンバーズに入団しました。事前に相談はしていたのでしょうか。

颯志 より成長できる環境でバレーボールがしたいと思い、VC長野を退団し、サンバーズに入ることになったのですが、それに関しても、あまり相談していないかな(苦笑)。

そういうものなんですね。では、今シーズン、初めて同じチームでプレーしてどうでしたか?

謙也 颯志がサンバーズに入団する前、代表でも一緒にプレーしましたが、初めてのことだったのでお互いのプレースタイルなどを探りながらやっていたという感じでした。
颯志 兄だからとか関係なく、1人の選手として、謙ちゃんの存在は、頼もしいかったです。
謙也 僕も兄弟ではなく、チームメイトとして接していました。その中で、これまで守備の面で一緒にやってきた(鶴田)大樹さんとは、プレーしてきた時間が圧倒的に違いますので、颯志にサンバーズのスタイルを伝えつつ、お互いの守備範囲を確認するなどしていました。僕としては、喜入(祥充)や高橋(結人)と同じ、先輩として後輩を引っ張るという感覚でしたね。
颯志 サンバーズで初めて経験することも多かったので、確認を含めて、謙ちゃんから教えてもらうことは多かったです。

周りが盛り上がっていただけ!?

プライベートで食事に行くことはあったのでしょうか。

謙也 2人きりはないな。
颯志 僕らを含めて、5、6人で行くことはありました。
謙也 それも、僕たちから誘うんじゃなく、たまたま一緒になっただけでしたね。

ジェイテクトSTINGS戦は、3兄弟がそろったということで、盛り上がりましたが。

謙也 周りは盛り上がっているんですが、僕らはかなり冷静でした(笑)。けど、注目していただけるのはありがたいです。

ファイナルで感じた悔しさを忘れない!

では、ここからは今シーズンのV.LEAGUEの戦いを振り返っていただきたいのですが、颯志選手にとっては、初めて1シーズンを通してプレーしたシーズンになりましたね。

颯志 昨シーズンは内定選手としてリーグ戦の半分ほど出場しました。今シーズンの方が試合数も多いですし、ファイナルまで進んで圧倒的に長いシーズンだったのですが、昨シーズンよりもあっという間に終わったという感じでした。

残念ながら敗れてしまいましたが、ファイナルはどうでしたか?

颯志 初めての決勝ということで、僕はめちゃくちゃ緊張していました。試合の週の木曜日、東京へ向かう新幹線からドキドキしていて。
謙也 さすがに、それは早過ぎるって(苦笑)。
颯志 試合が始まったら、いつも通りプレーできたのですが、ファイナルで感じたのは、ここで勝つのと負けるのとでは雲泥の差があるということでしたね。
謙也 それは僕も感じました。一昨年、昨シーズンと優勝し、紙吹雪が舞う中でカメラのレンズがすべて僕らの方を向けられていて、その時に準優勝のチームにはカメラが少ないなと感じたのですが、今回、負けて、1位と2位とでは天と地ほどの差があるなって。この悔しさは忘れたらいけないですし、1年間持ち続けて、来シーズンはチャンピオンに返り咲きたいと思います。
颯志 僕の中では、優勝は「届きそうで届かなかった」という感じなのですが、謙ちゃんを含め、先輩たちからすると、頂点から降ろされたという感覚なのかな。僕も悔しかったですし、この気持ちを忘れないようにします。

この経験が今後につながる

謙也選手から見て、颯志選手の成長は感じられましたか?

謙也 シーズン序盤と比べると、間違いなくすべてにおいて成長していますね。リベロとしての経験はまだまだ少ないですが、今シーズン、サンバーズに入団して試合に出たことは、今後に活きてくる。ファイナルに関しても、負けはしましたが、良い経験になると思います。
颯志 理想はストレートで勝つことですが、今シーズンはフルセットの試合も多くて。それでも最後は勝ち切って、それも大きな経験になりましたし、ファイナルをはじめ、すべてが楽しかったです。
謙也 昨シーズンは、VC長野で入替戦を経験して、今シーズンはファイナルでプレー。環境が大きく変わった中で颯志の表情から楽しんでいることが伝わってきました。
颯志 入替戦から1年後にはファイナル。自分でも振り幅が大きいなと思いましたね。

共に成長し、チームを勝利に導く!

まだ、黒鷲旗やアジアクラブ選手権がありますが(取材日は4月27日)、颯志選手にとって今シーズンは収穫の多い1年になったようですね。

颯志 そうですね。昨年6月、はじめて日本代表に招集され、その後、サンバーズに入団して。がむしゃらにやってきて、成長も感じていますし、逆にもっとやらなければいけないと感じた1年になりました。サーブレシーブ、ディグ、さらに精度を高くして、来シーズンはチームの優勝に貢献できるよう頑張ります。

謙也選手は、今シーズン、どんなシーズンになりましたか?

謙也 優勝した昨シーズンや一昨年の方が、パフォーマンスが良かったと感じていて…。スキル面を含め、すべてで成長しないといけないと感じたシーズンになりました。優勝を逃したからということもありますが、もっとできることはあったんじゃないかなと。この悔しさを糧に僕もさらに成長します!

藤中兄弟の活躍をこれからも楽しみにしています。ありがとうございました。

2022–23V.LEAGUE ファイナルから4日後に行ったこともあり、まだ気持ちが整理できていないと話していた2人。特に兄・謙也選手はとても悔しそうな表情を見せる場面もありました。この悔しさを力に変えて、藤中兄弟はさらに進化を遂げてくれることと思います!

(取材日:2023年4月27日)

謙也選手から見た颯志選手は「Z世代というか、イマドキの子ですね」とのこと。
先輩に対してもグイグイいけるところに「イマドキさ」を感じているのだとか。

颯志選手から見た謙也選手は「堅実な人」だそう(笑)。ちなみに、謙也選手のお子さんをかわいがっていて、誕生日に、おもちゃをプレゼントしたとか。「最近、名前を呼んでくれようになって!」と嬉しそうに笑顔を見せていました。

「3兄弟は普通に仲が良いですよ」と2人。藤中兄弟がバレーボール界を盛り上げる!

2017年のファンクラブ会報誌で謙也選手の特集記事を掲載した際、提供していただいた3兄弟のお宝ショット。颯志選手が生まれた時に撮影したという1枚がこちら!

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