「実はビジネスニコイチ(笑)???」
同期入団で、コート内では常に一緒。ファンの方々の間で「ニコイチ」といわれるサンバーズきっての仲良しコンビが登場!大宅選手は小野選手のことを「コート内外かかわらず信頼している人間」といえば、小野選手も「お互いに分かりあっている関係」と話すなど、絆の強さを感じられます。大宅選手と、今シーズン限りでユニフォームを脱ぐことに決めた小野選手の「ニコイチ」による、オフィシャルサイト史上最初で最後のトークをお楽しみください!
最初で最後の「ニコイチ」トークがスタート!
2月10日、栗山選手と小野選手の勇退が発表されました。「ニコイチ」による最初で最後のトークです。
大宅 |
実は僕、発表で遥輝の勇退を知ったんですよ。こんなにも普段から一緒にいるのに聞かされていなくて…(涙)。 |
小野 |
(ボソッと小声で)言っていたし。 |
大宅 |
知っていたら、止めていたんですけど、止めることもできなくて(泣)。 |
小野 |
言っていた、言っていた(ちょっと大きめの声で) |
どっちなんですか!?
小野 |
話していました。社業に専念したいという思いがあったこともあり、1年程前に、今シーズン限りで勇退することに決めました。 |
大宅 |
毎晩のように「辞めないでください」とLINEメッセージを送っていたのですが、既読スルーされて(涙)。 |
小野 |
違う、違う(笑)。 |
大宅 |
既読スルーの話、言わない方がよかった? |
小野 |
……。 |
大宅 |
ごめんね。遥輝のイメージが悪くなっちゃう! |
えーっと。どこまでが本当ですか?
小野 |
既読スルーの話しは嘘です(笑)!ちゃんと真樹に伝えていました。 |
初めて会った時から抜群のコンビ感!
(笑)。まずは、改めて最初に出会った時の印象について教えてください。
大宅 |
大学4年の時に、U23日本代表の合宿で会ったのが初めてかな。けど、その時は、遥輝から避けられていたよね。 |
小野 |
避けてない(きっぱり)。 |
大宅 |
そうなの?けど、全然、話しかけてくれなかったよね。キャプテンをしていたんだけど、ご存知の通り、僕は人見知り。ほかの選手はよく話しかけてくれて助かったんだけど、遥輝からは距離を取られている感じがあって、「この子、よくわからない子だな」と思っていた。 |
小野 |
避けていなかったけど、僕は代表に入ったのが、その時が初めてで、知っている選手が後輩に数人いる程度だったこともあり、かなり緊張していて…。真樹は、キャプテンとして、しっかりチームをまとめていて、当時からキャプテンシーがあった。 |
大宅 |
ほんとに?怒らないから正直なこと言って。 |
小野 |
ほんと、ほんと。真樹は、キャプテンとして、チームをよく引っ張っていたよ。僕は、少し前に行われたアジア大会に出場したメンバーの中にポツンと入ったような形だったので、すでに、みんなが仲良くなっていて、そこで、真樹から僕に声をかけてくれて。 |
大宅 |
そうだっけ? |
小野 |
多分(笑)。 |
大宅 |
え、嘘なの? |
小野 |
声をかけてくれたのはホント。 |
大宅 |
僕は今だから言うけど、遥輝は、練習でも声を出さないし、出したと思ったら、声がめちゃくちゃ小さいし、キャプテン的に『もっと大きな声を出せよ!』と、イライラしていた。合宿で一緒になった当初は、遥輝のことが嫌いだったかもしれない。ごめんね。 |
小野 |
全然かまわないよ。 |
大宅 |
今は(遥輝のことを)よく理解しているので、あの時、遥輝なりに一生懸命大きな声を出していたことがわかるんだけどね。けど、イライラしながらも、コンビはめちゃくちゃ合っていた(笑)!サンバーズでの5シーズンを含めて、あの時が、一番コンビが合っていたんじゃないかな。その後出場したU23世界選手権で、遥輝は70パーセント近いスパイク決定率を残して。コーチが言っていたけど、僕らの順位がもう1つ上だったら、遥輝はスパイク賞に選ばれていたって。 |
なんとなく「ニコイチ」に。
大宅選手のトスが良かったのでは?
小野 |
そ、そうですね(小さい声で)。 |
大宅 |
あれ、違うな(笑)。 |
小野 |
違う、違う(全力で否定!)。 |
大宅 |
僕は「こんなに打てる人がいるんだ」とびっくりしたけどな。トスがぶれても打ってくれるし、空中でも打てるし。当時は、Bクイックも、どんどん使っていたように思う。 |
小野 |
短期間で、しかも、初めて合わすセッターだったけど、真樹のトスは精度が高くて打ちやすくて。やりやすかったし、さすがだな、と思った。 |
大宅 |
ありがと。 |
その後、サンバーズに入団し、チームメイトになりました。「ニコイチ」になったきっかけは?
大宅 |
なんでだろう。 |
小野 |
…。 |
大宅 |
わかんない。最初の頃は同期4人一緒にいることが多かったよね。 |
小野 |
(コクリと頷く) |
大宅 |
懐かしいな。入団1年目のシーズンが終わって、4人で旅行に行った話をしたよね。 |
小野 |
(コクリと頷く) |
な、なんと2人は「ビジネスニコイチ」!?
サンバーズに入団してからの5年間で、2人でどこかに行ったことはあるのでしょうか?
大宅 |
ない!僕たち、プライベートでは1度も遊びに行ったことがなくて。 |
小野 |
ないですね。 |
大宅 |
そう、ビジネスニコイチなんです(笑)! |
ビジネスニコイチですか(笑)!
大宅 |
コートの中では一緒にいるけど、プライベートでは付き合いがないもん。 |
小野 |
オフの日はそれぞれやりたいことがありますし。 |
大宅 |
そう、うわべだけの付き合いなんです(笑)。 |
小野 |
違う、違う(全力で否定!)。 |
大宅 |
仲が良いけど、僕らは(高橋)塁と(鍬田)憲伸みたいな感じではないよね。あの2人はプライベートでもずっと一緒。 |
小野 |
以前、ファンの方から毎晩、真樹にLINEにメッセージを送るんですか?と聞かれたのですが、そういうことはないですね。用事がある時には送りますけど。 |
大宅 |
僕らは、コートの中でただただ一緒にいるだけなんです(笑)。ファンの皆さんは勘違いをされていますね(笑)。 |
コートの中ではどういう話をしているんですか?
大宅 |
僕はいつも謝っているよね。遥輝に「なんでそんなことをしたの!」って怒られて、僕が謝るというパターン。 |
小野 |
違うでしょ(笑)。 |
大宅 |
ごめんなさい。ほら、こんな感じで怒られちゃう。遥輝は裏の番長なんです、ね。 |
小野 |
違う、違う(笑)。 |
大宅 |
遥輝は、いい人で、優しいイメージがあると思うんですけど、実は怖いんです!ファンの皆さんは騙されています。最後だし、遥輝の裏の顔を全部言ってやるーっ(笑)。 |
小野 |
違う、違う(笑) |
5年間でお互いに成長しました!
そうやって、いつもじゃれ合っているんですね(笑)。入団当初と比べて、お互いに成長したなと思うところはありますか?
大宅 |
正直に言ってよ。 |
小野 |
真樹は、自分のことを人見知りと言っていましたけど、3年前にキャプテンになったこともあって、後輩先輩にかかわらず、いろんな人とコミュニケーションを取るようになったと思います。チームメイトと良い関係性を築いていますね。 |
同期がキャプテンを務めていますし、小野選手もサポートをしているのでしょうか。
小野 |
真樹だけに重責を負わすわけにはいきません。それに、喜入(祥光)と(秦)耕介が副キャプテンを務めていますので、僕も同期として3人と同じようにチームを引っ張っていかないといけないと思って行動しています。最後の試合まで頑張ります! |
大宅 |
僕はキャプテンとして何もしていない。遥輝が裏でみんなを引っ張ってくれている。ありがとうございます! |
小野 |
違う、違う、違う(笑)。 |
大宅 |
けど、僕がキャプテンをできているのは、サンバーズだからかなって。みんな、何も言わなくても、自分の仕事をきっちり全うしてくれるから。チームメイトには感謝していますね。えーっと、5年間で遥輝が成長したところは、声かな(笑)。特にこの2シーズン、コートの中で、遥輝の声がよく聞こえる!耳をどんなに澄ましても聞こえなかったU23代表時代の遥輝じゃない! |
小野 |
(笑) |
遥輝のいないコートをすでに疑似体験!?
両選手ともに5年間で成長したんですね。ビジネスニコイチとはいえ、ずっと一緒にいた2人です。お互いの存在とは?
小野 |
真樹がいたから、僕は活躍することができたと思います。真樹のトスのお陰で、優勝、2連覇の瞬間もコートで迎えることができました。真樹に自分の良さを引き出してもらった。すごく信頼していますし、僕のバレーボール人生を支えてもらった存在です。 |
大宅 |
遥輝は、僕のことをすべて理解してくれているので、遥輝が隣にいるだけで、気持ちが楽になるし、安心する。信頼しているし、なくてはならない存在です。バレーボールに限ってですけどね(笑)。 |
来シーズンから大宅選手は寂しくなるんじゃないですか?
大宅 |
寂しいというよりも、「あれ?」と戸惑うんじゃないかな。今シーズン、リーグ戦の最中に遥輝が腰を痛めて、遠征に帯同しない週があったんです。その時に、遥輝勇退後の擬似体験をして(笑)。すごく不思議な感覚で、1人ベンチにぼーっと座っていたら、気が付いたら隣に(高橋)結人がいた(笑)。あの週は、自分でも驚くくらい変な感じがして…。来シーズンからは、こんな感じなんだろうなって、先に遥輝のいない感覚を体験することができました。 |
勇退後の2人の関係はどうなるのでしょうか。
大宅 |
それが……わかんない!小学生からバレーボールをしているけど、卒部すると、みんなと連絡を取らなくなってしまって。高校も大学もそう。だけど、遥輝との関係がなくなるのは嫌だなって。 |
小野 |
試合会場に行くし、真樹が代表に選ばれたら、代表の試合も見に行くよ。 |
大宅 |
絶対に来ないでしょ! |
小野 |
行くよ。それに何かあればLINEにメッセージを送るし、連絡します! |
大宅 |
家にも遊びに来てね。 |
小野 |
うん。 |
最後の最後まで楽しんで、自分の仕事をやり切る!
リーグ戦の戦いも終盤戦に入りましたが、大宅選手は、小野選手のラストシーズンをどんなシーズンにしたいと思いますか?
大宅 |
1年程前に遥輝から勇退のことを聞き、優勝して遥輝を送り出そうと決意して、このシーズンをずっと戦ってきました。クリさん(栗山 雅史)も勇退されることになって、2人のためにも、しっかり結果を出して、最高の形でチームから送り出したい。もちろん、昨シーズンも、鶴田(大樹)さんが勇退されて、チームを去る選手のためにという思いで戦ってきましたが、今シーズンは初めて同期が勇退するので、特別な感情があります。遥輝、クリさんのためにも、なんとしてでも、3連覇したいという気持ちが強い。ただ、シーズンがはじまった当初、いつも以上に「遥輝に決めせたい」という気持ちが入り過ぎて、結果的に、遥輝のスパイク決定率が落ちてしまって。このままではいけないと思い、遥輝のことを意識し過ぎず、これまで通りプレーすることを心がけています。なので、遥輝とクリさんのために、と思い過ぎず、ファイナルで最後の1点を取るまで、「自分のために、チームの勝利のために」と思って戦いたい。そして、優勝した瞬間、2人に「ありがとう」と言いたいですね。 |
小野選手は、現在の心境は?
小野 |
自分で決めたことですが、正式に勇退が発表されて、「いよいよだな」という気持ちになりました。最後の最後まで楽しんで、やり切って、優勝したいですね。 |
まだ終わっていないですが、ユニフォームを脱ぐことに後悔はないですか?
小野 |
自分で決めた道ですし、後悔が「ない」と言えるようにするために納得のいくラストを迎えたいです。最後までチームが勝つことにフォーカスして、笑って最後の試合を終えられるようにします! |
サンバーズに入団して良かったですか?
小野 |
まだ終わっていないですが、幸せでしたね。サンバーズで、真樹に出会わなければ、こんなにもたくさんの試合に出ることができなかったと思います。それに、優勝も経験させていただいて。入団当時、監督を務めていた荻野(正二)さんや、真樹をはじめ、チームメイト、スタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。 |
ラストゲーム、泣く、泣かない!?
小野選手のラストゲーム終了後、大宅選手は泣くんでしょうね。
大宅 |
泣かないと決めているんですけど、遥輝次第かな(笑)。昨シーズンのファイナルも、(鶴田)大樹さんの涙を見たら、もらい泣きしちゃって。 |
大宅選手は、涙もろい印象がありますね。小野選手は逆に泣いたところを見たことがないような。
大宅 |
僕は悔しい時も涙が出るし、嬉しい時も涙が出る。2020-21V.LEAGUEで初めて優勝した時、泣いているのがマサさん(柳田 将洋)と僕だけだったのでびっくりした。なんで、遥輝は泣かないの? |
小野 |
子どもの頃から泣かない子で、転んでも涙は見せなかったみたい。それに、嬉しい時は、涙ではなく、笑って喜ぶ。だから、優勝した時は泣くという感情よりも、嬉しくてたまらなかったよ。 |
大宅 |
今シーズンのファイナルの後は、泣いてよ。 |
小野 |
どうかなあ。 |
大宅 |
泣きなさい(笑)!けど、遥輝が泣くと、ファンの皆さんは盛り上がるんだろうな。遥輝の計画通りだね! |
小野 |
違う、違う(笑)! |
最後の最後までじゃれ合っていますね(笑)。では、最後に大宅選手から小野選手にメッセージをお願いします。
大宅 |
遥輝とは、ずっと前から代表でも一緒にプレーしたいと思っていたので、僕の目標の1つは叶えることができずに終わります。今後は遥輝にチームや代表で僕が頑張っている姿を見てもらいたい。まだシーズンは続くけど、遥輝と一緒にコートに立てる試合は限られているので、1試合1試合を大切にして、お互いに楽しみながら、すべての試合で納得のいくゲームができるようにしてきましょう。それから、5年間も一緒にいて、そろそろ僕のことも飽きていると思うので、あと少しお付き合いください(笑)! |
小野選手はどうですか?
小野 |
最後まで一緒に楽しみましょう!来シーズンはお互い違う環境になりますが、ずっと真樹のことを応援していますし、真樹の頑張っている姿をパワーの源にして、僕はサントリーの営業マンとしてバリバリ活躍したいと思います。お互いに頑張りましょう! |
ファイナルの後、2人が歓喜の涙を流しているシーンを見たいです。残りの試合、頑張ってください!
「本当にただ一緒にいるだけなんです」と何度も繰り返し、ビジネスニコイチ(笑)を強調していた大宅選手ですが、1年も前から「優勝して遥輝を送り出したい」と盟友の最後の花道を3連覇で飾ろうと決意していたそう。両選手に、一緒にコートに立った試合で印象に残っている試合を聞いたところ、大宅選手、小野選手ともに「たくさんあり過ぎて、決めきれない!」と答えてくれました。今シーズンのファイナルが、2人にとって最高の思い出の試合になるように。サンバーズは、3連覇に向かって突き進みます!
(取材日:2023年2月15日)
リラックスした表情の両選手。大宅選手の嘘多めトーク(笑)に、小野選手は「違う、違う」と応戦。
ビジネスニコイチ⁉︎ いやいや、リアルに仲の良い2人です(笑)。
肩を組んだ超ベタな1枚も。両選手のやらされている感(笑)満載の表情に注目!
このツーショットを試合中に見られるのも、あと少し!残りの試合で、「ニコイチぶり」をぜひ目に焼き付けてください!