試合日程・結果

GAME

2024-25 大同生命SV.LEAGUE 11月29日(金) 日本製鉄堺ブレイザーズ戦

開催日時
2024年11月29日(金) 19:05
会場
エディオンアリーナ大阪
サントリーサンバーズ大阪
サントリーサンバーズ大阪

3

  • 25-20
  • 25-19
  • 17-25
  • 23-25
  • 15-13

WIN

2

日本製鉄堺ブレイザーズ

試合経過

2024-25大同生命SV.LEAGUE第14戦。ここまで9勝4敗で4位のサンバーズは、8位日本製鉄堺ブレイザーズと、ホームのエディオンアリーナ大阪で対戦した。

 第1セット序盤は互いにサイドアウトを奪い合う展開。サンバーズは髙橋藍やムセルスキーのスパイク、小野寺のクイックでサイドアウトを重ね、アラインのパイプ攻撃でブレイクし先行。中盤追いつかれ一進一退の展開となるが、この日もサーブで局面を打開する。アラインのパワフルなサーブで崩して14-12と抜け出すと、髙橋藍が巧みなサーブでエースを奪い18-15。髙橋藍の好守備を大宅が必死につなぎ、最後はアラインが決めて19-15とリードを広げた。終盤にはリリーフサーバー甲斐のサーブを起点にさらに点差を広げる。相手のフェイントを髙橋藍が体を投げ出して拾い、大宅からアラインへの素早い切り返しでブレイクを奪い、セットを先取した。

 第2セットも髙橋藍、藤中颯が好守備を続け相手に流れを渡さない。このセットもアラインが好調のサーブでエースを奪い6-4と先行。大宅がショートサーブで崩してリードを広げた。ムセルスキーに代わり甲斐が後衛から入ると、強烈なサーブでエースを奪い14-10。2本目も強力なサーブで崩し、小野寺のブロックで仕留めて15-10と点差を広げた。甲斐がライト、レフトからキレのいいスパイクを打ち込んでさらに勢いをつけ、セットを連取した。

 第3セットはサービスエースを奪われ出遅れるが、甲斐が勢いよくライトスパイクを決めて流れを切ると、鬼木のサーブで崩し追いついた。しかしミスが出て先行されると、立て続けにブロックに捕まり2-8と引き離された。それでも、甲斐が豪快にサービスエースを奪い追い上げ開始。大宅のサーブで揺さぶり、アラインがパイプ攻撃を決めて8-11とする。しかし日鉄堺BZの粘り強い守備にスパイクを拾われて切り返され、再び点差を広げられてセットを奪われた。

 第4セットは鬼木のクイックや甲斐、髙橋藍のスパイクで得点を重ねるが、日鉄堺BZの守備が堅くなかなかブレイクできない。ミスが出て先行されるが、甲斐に代わりオポジットにシリフカが入る変則的な布陣に変更すると流れが変わり始める。髙橋藍が2枚ブロックのインナーに強烈なスパイクを叩き込んでブレイクし14-14の同点に。引き離されても、シリフカがレフト、ライトから立て続けにスパイクを決めて16-16と追いつくと、藤中颯が飛び込んでブロックフォローしたボールが相手コートに落ち17-16と逆転。しかし終盤、日鉄堺BZの粘り強い守備に阻まれてブレイクされ20-22と後退。試合をフルセットに持ち込まれた。

 肩の不調を感じたムセルスキーに代わって第2セット途中から入った甲斐は、持ち前のサーブ力と鋭いスパイクを見せ躍動したが、次第に決定率を抑えられ、「今日の試合、自分のいいところはサーブしかなかった。スパイク、ブロックでは課題が見つかった。スパイクに関しては相手の高さを把握するのに時間がかかってしまった」と反省ばかりが口をついた。
 セッターの大宅も「甲斐を活かすことができず、4セット目にシリフカに代えさせてしまったのは僕の反省点。もっと甲斐を活かせるトスを、試合で出していけるまで練習しないといけない。彼は1年目なので、もっとバレーを楽しめるようなトスを上げていければ、最後までコートに立たせることができたのかなと思う」と悔やんだ。
 それでも、甲斐はその後もリリーフサーバーとして重要な役割を果たしていく。

 第5セットは鬼木、小野寺のクイックで得点を重ね、アラインがパワフルなサーブでエースを奪い先行するが、ブロックに捕まり逆転された。相手のネットインサーブを藤中颯が懸命に拾うが、ブレイクされて7-10とリードされた。それでも、リリーフサーバーとして入った甲斐が強力なサーブで崩し、アラインが得点に繋げて9-10と迫る。さらにアラインの好守備から、髙橋藍が高さのあるブロックを弾き飛ばしてスパイクを決め12-12と追いついた。
 ここで、アラインの鋭いサーブがコートエンドにノータッチで突き刺さる。アラインのこの日5本目となる値千金のサービスエースで13-12と逆転。藤中颯の好守備を、髙橋藍がブロックアウトで得点に繋げ14-13とマッチポイントを握った。ここでリリーフサーバーとして入った髙橋塁が強力なサーブを打ち込んでチャンスを作ると、髙橋藍がレフトから決め切り、15-13でゲームセット。サンバーズがフルセットの激戦を制し、ホームで2連勝を飾った。

 ムセルスキー不在になってから、スパイカー陣の「自分が決めなければ」という意識が強くなりすぎたせいか、ガムシャラに打ってブロックに捕まる場面が増えた。しかし第5セット終盤は髙橋藍が、相手ブロックの指先を正確に狙って弾き飛ばすなど、ハイボールを次々に得点に繋げ勝負強さを発揮した。
「取りたいという気持ちが前に出過ぎて、少し力任せに打ってしまっていた部分があったんですが、一度頭を冷静にして。相手をしっかり見てブロックを使って決めたり、高い位置で打とうと。体は熱くなっていましたけど、頭は冷静に、ということに意識を向けました。一番得点が欲しい場面は絶対終盤に回ってくるので、そこで出せるようにと切り替えました」と髙橋藍。
 最後は14-13で入ったリリーフサーバーの髙橋塁がチャンスを作った。
「いい意味で緊張が全然なかった。『絶対行ける!』という謎の自信がありました。サーブは本当に自分との戦いで、相手はほぼ関係ない。自分のコンディションをどう上げていくかだけを考えて2、3、4セットといい形で来ていて、最後に絶対回ってくると思っていた。今季は開幕からずっと出させてもらっているんですけど、甲斐もすごくいいサーバーなので、ちょっと自分は2番手というか、開幕の時より呼ばれる回数が少なくなっていたので、もっとチームに貢献しなければという思いがあった。このポジションを守り抜くという意味でも大きな1本だった」
 覚悟を持って打ち込んだサーブは相手のリベロを崩し、ダイレクトボールが返ってきた。「あのチャンスボールは自分が取りに行かなきゃいけなかった」と塁は猛省するが、アラインが丁寧に返し、大宅のトスを最後、藍が決めた。
「絶対藍が決めてくれると思った。こうして兄弟で、自分が崩して藍が決めるといういい形で終われたので、本当に入団してからコツコツ積み上げてきてよかったなと思える瞬間でした」
 その塁と肩を組んで走り回った藍は、「そりゃあもう弟としては、これは決めないといけないかなと。最後兄弟で一緒に1点を取りたい気持ちがあったので、決め切れてよかった」と笑った。
「塁がリリーフサーバーで入ってくるシーンは何回もやっていますけど、本当にミスが少ないサーバーですし、ずっと一緒に過ごしてきたからこそ、最後の1本は攻めていくんだろうなと感じた。案の定攻めていましたし、その中でもやっぱりミスらないのが塁のすごさ。塁を信じていましたし、ここは何がなんでも決め切るんだという思いが強かったですね」
 塁が「ディマ(ムセルスキー)のアクシデントがありましたが、こういう状況ってシーズンを通してどのチームもあると思う。こういう時にどれだけ他のメンバーで1点を取りにいけるかが、チーム力を試されるところだと思うので、この勝ちはすごく大きい」と語ったように、諦めることなく個々が役割を果たして勝ち取った勝利には大きな意味がある。
 次週は天皇杯前最後の2連戦。3位ウルフドッグス名古屋を相手に、次もチーム一丸で勝利をつかむ。

2024/25シーズン

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