2024-25 大同生命SV.LEAGUE 11月17日(日) 広島サンダーズ戦
- 開催日時
- 2024年11月17日(日) 13:05
- 会場
- IHIアリーナ呉
3
- 27-25
- 25-21
- 26-24
WIN
0
試合経過
2024-25大同生命SV.LEAGUE第10戦。ここまで6勝3敗で3位のサンバーズは、6位広島サンダーズと対戦した。
第1セットから両チームに守備の好プレーが続き白熱したラリーが続く。サンバーズは5試合ぶりに先発出場した髙橋藍が再三好守備を見せるが、つなぎにミスが出たり、広島THの堅いブロックと守備に阻まれなかなかブレイクできない。中盤、広島THのサービスエースなどで11-15とリードされたが、髙橋藍が巧みなショートサーブでエースを奪い13-15と追い上げる。
さらに、リリーフサーバー甲斐の威力のあるサーブで崩して相手のミスを誘い15-16と迫った。小野寺のクイックなどでサイドアウトを重ね、終盤、髙橋藍が再びショートサーブで崩し、自らパイプ攻撃を決めて21-21と追いつくと、ムセルスキーのブロックで23-22と逆転。デュースに持ち込まれるが、リリーフサーバーとして入ったシリフカが巧みなサーブで崩し、守備で粘って最後はムセルスキーが得点に繋げ27-25。逆転でセットを先取した。
今季は、リリーフサーバーを務めているルーキーの甲斐が、厳しいコースに鋭いジャンプサーブを打ち込み、毎試合のようにブレイクに繋げている。昨季は得意なストレート側を狙うことが多かったが、今季はクロス側にも力強いサーブを放っている。
「相手のアウトサイドヒッターが並んでサーブレシーブに入っていたら、そちらを狙うことが多いので、クロス側に打つことが多くなっています。クロス側は苦手だったんですけど、練習して打てるようにしてきました。今後もブレイクを取れるようにしていきたいですし、サービスエースがあまり出ていないので、もっといいサーブを打てるように、トスを良くしたり、週ごとに体育館の雰囲気にしっかり慣れていきたい」と甲斐。
第2セットは立ち上がりからアラインのサーブが走り、髙橋藍が鋭いスパイクでブレイクし好スタートを切る。ネットぎわのボールをムセルスキーや髙橋藍が体を投げ出して拾うなど、このセットもサンバーズはボールに食らいついて落とさない。守備で粘って最後にムセルスキーが得点に繋げ5-3と先行。広島THの守備も堅く、逆転されるが、ムセルスキーのノータッチエースで9-8と再び逆転。さらに中盤、小野寺のサーブで揺さぶり、大宅のブロックで仕留めて13-10とリードした。髙橋藍が狙いすましたショートサーブでこの日2本目のサービスエースを奪ったり、アラインの好守備が得点につながって点差を広げ、セットを連取した。
第3セットは広島THのサービスエースや、サンバーズにミスが続き2-5と先行された。それでも、髙橋藍のサーブで揺さぶり、堅い守備からアライン、鬼木、ムセルスキーのスパイクなどで5連続ブレイクを奪い一気に9-6とリード。広島THのサービスエースなどで追いつかれるが、相手の強力なサーブを藤中颯を中心にしっかりと返し、大宅のブロックで20-18と再び抜け出す。広島THの好守備から切り返されて逆転されるが、ムセルスキーのブロックで再び逆転。デュースとなるが、最後はリリーフサーバー髙橋塁のサーブで揺さぶり、大宅の好守備を髙橋藍が懸命につなぎ、ムセルスキーが冷静にスパイクを決め26-24でゲームセット。セットカウント3-0で勝利し、連勝を5に伸ばした。
この2戦は試合を通して守備が機能し、粘り強い戦いで僅差のセットをすべてものにした。前日の試合は立ち上がりからリベロの藤中颯が相手の強打を完璧に拾い、この日は藤中颯や髙橋藍、大宅を中心に全員がボールに食らいついた。藤中颯はこう語る。
「毎試合相手の傾向を分析して臨むんですが、うちにはディマ(ムセルスキー)という絶対的なブロッカーがいるので、相手が普段と違うことをしてくる場面があって、試合の中でそれに対応していくんですが、この2試合はミーティングでやってきたことが最初からハマった。そこはスタッフ陣のおかげですし、選手もしっかり応えられた。リベロの自分が拾えたこともそうですし、昨日はオレク(シリフカ)、今日は藍とメンバーが代わっても、みんなが(ブロックを)抜けてきたボールをディグできて、チームとしての力を証明できたかなと思います。ただ、ディグが上がった後のつなぎの甘さが今日は目立ったので、そういう部分に取り組んでいきたい」
また、攻撃もバランスよく機能し、ミドルブロッカーの2人が高いスパイク決定率を残した。特に鬼木は77.8%と高い数字。今季は打数が増え、シーズントータルでもここまで60%を超える決定率を残している。強打だけでなく、巧みにブロックに吸い込ませたり、リバウンドを取るなど対応力が増し、返球が少し乱れた場面やラリー中でも、セッターの大宅が信頼してトスを上げている。
鬼木は「相手のブロックのつき方によってスパイクを打ち分けるということを意識していて、そういう練習の時からやってきたことが、試合の結果に表れるようになってきたと感じています」と手応えをにじませる。
今年は日本代表に選出され、夏場はBチームの活動に参加。そこで得たものも大きかったという。
「スパイクに関してコーチから、腕の振り抜き方やターン、クロスの打ち方などいろいろアドバイスをもらえて、ずっと練習にも付き合ってもらいました。それが実戦の中でも生きています」
204cmの長身に、着々とテクニックも備えて成長中。鬼木の進化がそのままチームの進化につながっていく。
次週は、現在10勝2敗の2位ジェイテクトSTINGS愛知との対戦。日本代表選手や世界的な名選手が揃う強豪との対戦に向け、藤中颯はこう意気込みを語った。
「今季SVリーグになり、本当にどのチームも強いんですけど、その中でもジェイテクトさんは本当にすごい選手たちが揃っていて、手強いことはわかっている。非常に攻撃力が高いチームだと思うので、そこをリベロとしてどう防いでいくかが大事。相手には日本代表で活躍しているリベロの小川(智大)選手がいるので、負けないように、どんどん細かい部分を詰めて臨みたいと思います」
前半戦の山場になりそうな2連戦。サーブが好調で、ブロックディフェンスが噛み合い、髙橋藍も復帰と上昇気配漂うサンバーズが、2位チームとの直接対決でどんな戦いを繰り広げるのか注目だ。