2024-25 大同生命SV.LEAGUE 11月16日(土) 広島サンダーズ戦
- 開催日時
- 2024年11月16日(土) 14:05
- 会場
- IHIアリーナ呉
3
- 25-22
- 25-18
- 30-28
WIN
0
試合経過
2024-25大同生命SV.LEAGUE第9戦。ここまで5勝3敗で3位につけているサンバーズは、5位広島サンダーズと対戦した。
第1セットは広島THの強力なジャンプサーブに押されて1-5と出遅れるが、藤中颯が相手の強力なスパイクをディグで拾い、ムセルスキーのブロックでラリーを制して反撃開始。鬼木、シリフカのブロックでプレッシャーをかけて相手のミスを誘い4-5と追い上げた。中盤にはアラインの好守備を小野寺が正確に繋ぎ、ムセルスキーが豪快なバックアタックを打ち込み11-10と逆転。大宅のサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクで切り返したり、藤中颯の好守備から鬼木のクイックでブレイクし15-12とリードした。終盤には小野寺が相手のクイックをシャットアウトして点差を広げ、セットを先取した。
第2セットも立ち上がりは相手のサーブに押されるが、アラインが破壊力抜群のサーブを打ち込んで2本のエースを奪い4-2と先行する。大宅が食らいついたディグが相手コートに落ちて得点になったり、小野寺のサービスエースで6-3と点差を広げた。中盤はアラインやシリフカのスパイクで得点を重ね、小野寺が攻めのサーブで2本目のサービスエースを奪い引き離す。終盤には、4試合ぶりにベンチ入りしていた髙橋藍がリリーフサーバーとして登場。ムセルスキーのブロックでブレイクして20-13と大差をつけた。その後は小野寺、鬼木のクイックでリズムよくサイドアウトを重ねて締め、セットを連取した。
好調を維持しているアラインのサーブに加え、この日は小野寺のサーブも走り、高い効果を発揮した。
「今週に向けては純粋に(サーブの)本数を多く打って臨みましたし、昨日の会場練習でも、全体練習後に残って打って、いい感覚を持てるようにやってきました。今日は僕がサーブの時に、相手のアウトサイドの選手が並んで(サーブレシーブして)いたし、フローターサーブに対しては前につめてきていたので、積極的に(スピンをかけた)ハイブリッドサーブで攻めていこうと思っていました。僕自身のフィーリングもよかったので」と小野寺。
サーブで主導権を握り順調に2セットを連取したサンバーズだが、第3セットは大激戦となる。立ち上がりはシリフカのサーブで崩し、そのシリフカのパイプ攻撃でブレイクして好スタートを切るが、広島THの強力なサーブに押され、ミスが出たりブロックに捕まり4-8と先行された。シリフカの巧みなサーブで崩し、鬼木がダイレクトスパイクを叩き込み8-10と追い上げるが、広島THのブロックで再びリードを広げられた。すると11-14の場面で、オリビエ監督はシリフカに代え、髙橋藍をコートへ。
オリビエ監督は「1セット目から非常に強度の高いゲームが続いていた中、2セット目と3セット目の間に時間が空いて、選手たちにとってはプレーの強度を保つのが難しい部分もあったし、3セット目は広島THが非常にいいプレーをしていたので、チームとして少しエネルギーが欠けていると感じた。シリフカも非常にいいプレーをしていましたが、この一週間、髙橋藍もいい準備ができていたので、『チームにいいエネルギーを与えてくれ』という言葉をかけてコートに送り出しました」と意図を明かす。
髙橋藍は「チームに安心感をもたらしたり、ゲームメイクしやすい形を作ることが大事だと意識して入りました。リードされている場面だったので、しっかりとブレイクを取っていかなきゃいけない。こちらにはいいサーブがあるので、それをうまく利用しながら点を取っていくというところで、自分が少しでも流れを変えられればと。3セットで終わらせることはメンタル的にもかなり重要なので、『しっかりこのセットを取り切る』という気持ちは強かったです」と振り返る。
その髙橋藍が4試合ぶりとは思えない動きでブロックの上からレフトスパイクを決め得点を奪うと、大宅のサーブで揺さぶり、アラインのパイプ攻撃、鬼木のブロックで16-16と追いついた。終盤、リリーフサーバー甲斐の鋭いサーブから、髙橋藍がフライングレシーブで拾ってチャンスを作り、最後は髙橋藍のパイプ攻撃でラリーを制し19-18と逆転すると、会場は大歓声に包まれた。
「終盤の非常に重要なポイントだったと思いますし、ああいう1点をいかに多く取っていけるかで勝敗は変わってくる。ああいう1本を取り切ることは自分自身の課題でもあるし、チームとしても必要な要素だと思っています。コンディションの部分もこの試合に合わせてきていましたし、途中出場してもしっかりとチームの勝利に貢献できる、パワーを出せるというところは意識できていました」と髙橋藍。
その後デュースとなるが、相手のセットポイントを5度しのぐと、28-28の場面でサーブを迎えたアラインが強烈なジャンプサーブでレシーバーを弾き飛ばし、エースを奪って29-28と逆転。次のサーブでも相手を崩し、ムセルスキーのスパイクでブレイクして30-28。終盤に強さを発揮したサンバーズが接戦を制し、セットカウント3-0で勝利した。
「どうしても終わりたい、このセットで勝ちたい気持ちが強かった。あそこでエースを取れてよかった」とアラインは28-28の場面を振り返る。
「今日は最初結構サーブミスが多かったんですけど、自分の仕事は相手のパス(サーブレシーブ)を崩すこと。そのためには攻めなあかん、強いサーブを打たなあかん。サーブのトスを少し前に上げたり、スイングの速さを意識して修正していきました」
サーブだけでなく、この日のサンバーズは攻守ともにガッチリと噛み合った。特にセンターからの攻撃が機能し、アライン、シリフカ、髙橋藍が放ったパイプ攻撃は100%の決定率。チーム全体も64.4%という高いアタック決定率を残した。ブロックとディグの連携もはまり、試合序盤から、ブロックの横を抜けたボールをリベロ藤中颯が確実に拾い、ブレイクのチャンスを量産した。
リーグ5週目に入り、チームの組織力は確実に高まっている。ブロックの要である小野寺はこう語る。
「今このチームの武器はサーブ。アラインとディマ(ムセルスキー)をはじめとするサーブ力はリーグの中でもトップクラスだと思う。そこで崩した後のブロックやディフェンスの精度を高めることが、このチームがリーグで勝つためのカギだと僕は思っています。いいサーバーが揃っているので、それをディフェンスに繋げるブロックをしなきゃいけない。メンバーが代わりながらも、少しずつ形は作れてきているのかなと感じます。でもまだまだ精度を上げられる部分はあるし、優勝するために必要なことはたくさんあるので、少しずつレベルアップしていきたい」
4連勝にも満足することなく、選手たちは「明日も厳しい試合になると思う。明日に向けてしっかり準備したい」と気を引き締める。全員が見据える高みは、まだまだ先にある。