2024-25 大同生命SV.LEAGUE 11月4日(月) 東京グレートベアーズ戦
- 開催日時
- 2024年11月 4日(月) 16:05
- 会場
- 有明アリーナ
3
- 25-20
- 25-18
- 25-20
WIN
0
試合経過
2024-25大同生命SV.LEAGUE第6戦。現在2勝3敗のサンバーズは、前日に続き東京グレートベアーズと東京・有明アリーナで対戦した。
第1セットはサービスエースを奪われ先行されるが、サンバーズもサーブで応戦。ムセルスキーが相手コートの角へ、コートエンドへと2連続でノータッチエースを決め8-6とリードした。追い上げられても、今度はアラインが強烈なサーブでレシーバーを弾き飛ばし10-8と再び引き離す。中盤、相手のサービスエースなどで逆転されるが、アラインが強力なサーブで立て続けに崩し、自らパイプ攻撃でブレイクし17-16と逆転。シリフカも得点につなげて3連続ブレイクを奪い19-16とリードした。終盤もシリフカが相手コートを冷静に見てスパイクを決めるなど、点差を広げセットを先取した。
第2セットもシリフカの巧さが光った。相手ブロックに吸い込ませたり、ブロックに当てて飛ばすなど、多彩な技を駆使してスパイクを決めていく。サーブでも、レシーバーの前に落ちるショートサーブでエースを奪い7-3とリードを広げた。ムセルスキー、大宅のブロックで流れを渡さず、中盤もアラインが威力のあるサーブで崩したり、シリフカの好守備をムセルスキーが得点につなげ16-11と点差を広げた。終盤には、リリーフサーバーとして入った甲斐が鋭いジャンプサーブで崩し、ムセルスキーがダイレクトスパイクを叩き込んで引き離し、セットを連取した。
第3セットは大宅のブロックで好スタートを切ると、アラインがこのセットも強力なサーブを打ち込み、自らパイプ攻撃でブレイクし2-0と先行。大宅や小野寺の好守備をムセルスキー、シリフカが得点に繋げ5-1とリードした。その後は互いに好守備が出て白熱のラリーが続く。サンバーズは粘り強く拾うが得点にはつながらず、相手のブロックで8-9と逆転された。それでも好調なムセルスキーのサービスエースで逆転。小野寺のクイックでブレイクし12-10とリード。さらにこのセットも甲斐のサーブから、ムセルスキーのディグで粘り、最後は鬼木のブロックでラリーを制して14-11と点差を広げる。その後サーブで崩され逆転されるが、アラインが体を投げ出して拾い、ムセルスキーがつないだボールをシリフカがパイプ攻撃で叩き込み19-18と逆転。終盤には、絶好調のアラインが3連続サービスエースを奪って一気に突き放し、セットカウント3-0で勝利した。
この日は終始一貫サーブで攻め続け、堅いブロックと、全員で食らいつく守備で、東京GBのスパイク決定率を37.8%に封じた。ボールを追って客席に飛び込むなど、勝利への執念を体現してチームを牽引したセッターの大宅はこう語った
「落ちそうなボールを必死に追ったり、諦めない姿勢を見せることで、チームに勢いをつけることは可能だと思っているので。昨シーズンまでキャプテンをやっていましたし、僕は点を取るポジションじゃないので、そういうプレーによって見せようと思ってやり続けました。
昨日の試合を終えて一番重要だとわかったのはサーブ。グレートベアーズさんは本当にサイドアウト率の高いチームなので、とにかくサーブで崩さないと昨日のような展開になる。今日は1人1人がリスクを負いながらサーブを攻めていいという監督の指示もあった。そうやって攻めの姿勢を見せることで、相手にプレッシャーがかかっていたし、攻撃までつながらないケースは多かった。特にアライン、ディマ(ムセルスキー)は本当にいいサーブがミスなく入っていたのでいい展開になりました」
この日は髙橋藍が、コンディションを考慮して今季初めてベンチを外れたが、アウトサイドの対角を組んだアラインとシリフカが存在感を発揮した。
アラインは武器であるジャンプサーブが爆発。相手が流れを食い止めようとタイムアウトを取ってもお構いなしにエースを奪いつづけ、ムセルスキーと同じ4本のサーブポイントを記録した。
「昨日はチーム全体のサーブがよくなくて、相手のサーブレシーブが返っていたから自分たちのブロックも機能しなかった。今日は同じことにならないように、とにかくサーブ頑張ろうと思っていたので良かった」とアラインは満足そうな笑顔で語った。
その対角に入り初めて先発出場したシリフカは、ジャンプサーブ、ジャンプフローターサーブ、時にはフローターサーブも駆使して相手を揺さぶり、スパイクでも相手ブロックを利用したり、巧みにリバウンドを取ったり、多彩な技を自由自在に操って試合をコントロールした。
それでも引き出しは「もっとあります」と微笑む。
「日頃から常にスパイクやサーブは新しいプレー、新しい技術を増やそうとしているし、試合の中でも、一つうまくいかなかったら、次は違うことを試して、常にたくさんのスタイルを持つようにしています」
膝の怪我のためまだチーム練習に合流してから日が浅く、コンビも万全ではないが、どんなトスに対してもミスをせず対応する。記者会見では「ありがとうございます」「お疲れ様でした」と滑らかな日本語を披露し、コートの中では常にチームメイトとコミュニケーションを取っている。
セッターの大宅は「この2試合で彼に対する信頼度はかなり上がりました」とうなずく。
「コンビをあまり合わせていない中でもすごく高い決定率(66.7%)を残せているので、これからコンビをもっと構築していけば、もっと強いサンバーズを見せられると思う。それに彼は本当に確認作業をサボらない。ボールが落ちてからサーブが来るまでの間に、いろんな選手とコミュニケーションを取って確認をしているので、例えば、ショートサーブやネットインしたボールに対しての処理を、ミドルブロッカーはサボれなくなるし、そういうところで隙のないチームとして今日は戦えたのかなと思います」
失点につながる恐れがある小さなリスクを、コミュニケーションを取ることであらかじめ取り除き、確実に1点ずつ積み重ねていく。豪快さと緻密さを兼ね備えたこの日のような勝利を、サンバーズはこれからさらに積み重ねていく。