2024-25 大同生命SV.LEAGUE 11月3日(日) 東京グレートベアーズ戦
- 開催日時
- 2024年11月 3日(日) 19:05
- 会場
- 有明アリーナ
2
- 25-17
- 20-25
- 26-24
- 20-25
- 13-15
LOSE
3
試合経過
2024-25大同生命SV.LEAGUE第5戦。現在2勝2敗のサンバーズは、4連勝中と勢いに乗る東京グレートベアーズと、東京・有明アリーナで対戦した。
第1セットの立ち上がりは先行されるが、佐藤が厳しいコースを狙ったサーブで崩し、小野寺のブロックでラリーを制してすぐさま同点に。小野寺のクイックや髙橋藍のスパイク、佐藤のクイックでサイドアウトのリズムを作ると、大宅のサーブで揺さぶり、ムセルスキーの強烈なスパイクで連続得点を挙げ8-6とリードした。中盤には、髙橋藍がストレート、クロスと自在に打ち分けたサーブで崩し、ブロックで仕留めて3連続ブレイク。12-7と引き離した。その後もムセルスキーのノータッチエースや、アラインの連続サービスエースなど、サーブで圧倒したサンバーズがセットを先取した。
第2セットは、ネットに当たった難しいボールを小野寺が後ろを向きながら器用につなぐなど、粘って相手のミスを誘い先行。小野寺のクイックでリズムよくサイドアウトを重ね、髙橋藍のパイプ攻撃でブレイクし8-5とリードした。しかし中盤逆転されると、東京GBのサーブに揺さぶられてブロックに捕まり、16-19とリードを奪われた。終盤、シリフカがワンポイントブロッカーとしてコートに入りサンバーズ初出場を果たすが得点にはつながらず、セットを奪われた。
第3セットは序盤にサービスエースを奪われ先行されると、サンバーズのスパイクが相手ブロックや好守備に阻まれ、切り返されて1-5と先行された。その後3-8と点差を広げられたところで、アラインに代わってシリフカがコートに入った。
「スターティングメンバーには入らなかったけれど、常に体を動かして試合に出られる準備はしていた。コートに入った時には、まずポジディブなエネルギーをチームに与えられるようにと考えていました」というシリフカは、コート外までボールを追った大宅をハイタッチで迎えたり、鬼木の肩を叩いて言葉をかけるなど、積極的に周囲とスキンシップをはかり、コート内の空気を変えていく。
徐々に余裕が生まれたサンバーズは、藤中颯の好守備から、ムセルスキーが豪快にスパイクを叩き込み9-10と追い上げる。シリフカが相手ブロックを利用して巧みにスパイクを決め初得点を挙げると、終盤、そのシリフカがエンドラインに落ちる巧みなサーブでノータッチエースを奪い19-19と追いついた。白熱の攻防が続く中、ムセルスキーの好守備で粘り、髙橋藍が得点につなげてラリーを制し流れを渡さない。相手の強力なサーブもシリフカがきっちりと返球してサイドアウトを重ね、デュースに持ち込むと、ムセルスキーが強烈なサーブでエースを奪い25-24と逆転。最後は髙橋藍が鮮やかにパイプ攻撃を決め、逆転で第3セットを奪い取った。
ところが第4セットは東京GBの堅いブロックと守備に阻まれてサンバーズのスパイクが決まらず先行される。中盤には立て続けにブロックに捕まり12-17と引き離された。終盤、シリフカが巧みなフェイントと、鋭いスイングのスパイクで連続得点を奪い19-22と追い上げたが届かず、試合はフルセットに。
第5セットは、小野寺のディグなどで粘ってムセルスキーのスパイクでラリーをものにし好スタートを切った。しかし東京GBの堅い守備に拾われて切り返され、追い付かれる。髙橋藍やムセルスキーが、相手ディフェンスの及ばない厳しいコースにスパイクを打ち込んでサイドアウトを重ねていくが、終盤、再び相手の守備から切り返され逆転された。サンバーズも藤中颯や大宅がボールに食らいつくが、惜しくもボールは相手コートに返らず、11-13とリードされた。シリフカ、小野寺のスパイクで追い上げるが一歩届かず13-15でゲームセット。セットカウント2-3で敗れた。
この日は、ポーランド代表のアウトサイドヒッター・シリフカが待望のサンバーズデビューを果たした。膝の怪我のためリーグ開幕後もベンチ入りできず、「チームが試合をしている中、自分は手助けができずコートの外から見ていることしかできないというのはやはり難しかった」と苦しい心境を明かしたが、「そういう中でもしっかり体の状態を上げて、早くチームの力になれるようにと練習してきて、今日こうしてデビューできてよかった」と安堵の表情を浮かべた。
まだゲーム形式の練習に参加し始めたばかりで万全の状態ではない中、堅実なプレーでチームを支え、何より、初めて経験する国外リーグの試合にも関わらず、自分から積極的に周囲とコミュニケーションを図った。
「チームが勝てると信じてプレーできるようにヘルプしようと心がけた。チームメイトと話すというのは常々やっていること。やはり共通理解を持つことは非常に大事なので。個人的にはもうちょっと日本語を覚えないといけないなと思っていますが、英語がわかるメンバーもいるので、助けられています」
小野寺は「彼は世界で活躍する選手で、彼の雰囲気や声掛けによって、僕らはもう一つ気が引き締まった感じがした」と振り返る。
シリフカがきっかけとなり最大5点のビハインドを跳ね返して第3セットを奪ったが、第4セット以降その流れを手放してしまった。
「僕自身もですけど、チーム全体としてサーブミスが多くなり、ストレスがかかっていた。逆に相手はどんどんいいサーブを打ってきた。その差が出たと思うし、相手はサーブレシーブもしっかり返して、速いコンビバレーを作られて、なかなか思うような展開が作れなかった」と小野寺は悔やむ。
それでも長いリーグ全体を考えれば、明るい材料も見出せた試合だった。髙橋藍は言う。
「チーム自体、オレク(シリフカ)の戻りを待っていましたし、まだ十分に練習ができていない中でも、彼が入ってきた時の雰囲気は非常によかったし、周りに声をかけて、いい役割を果たしていた。サーブレシーブも任せられる選手ですし、いろんな形で貢献してくれる選手だと思うので、これからまたしっかりと作っていくサンバーズの未来が見えたのかなと感じました」
この日の有明アリーナには、Vリーグ時代を含めた歴代最多入場者数を大幅に更新する11599人の観客が訪れた。有明アリーナは東京五輪が開催された会場で、今回はその時以来の公式戦となった。
東京五輪にも出場していた小野寺は、「東京五輪は無観客だったので寂しかったんですけど、今日はこれだけたくさんの方に観にきていただけて嬉しかったし、たくさんの歓声や声援はすごく力になりました」。
髙橋藍も「1万人ってなかなか国際大会でもないお客さんの数なので、非常に興奮して試合をやりましたし、盛り上がりもすごかった。これだけの方々に来ていただけることも、このようなビッグな体育館でやれることも、当たり前のようになってくれれば。もちろん僕たちは勝つためにやっていますけど、これだけのお客さんの前でやる意味というのがあると思う。ここでバレーができる喜びを改めて感じました」と語った。
次戦はこのアリーナで、サンバーズが必ず勝利を届ける。