2024-25 大同生命SV.LEAGUE 10月14日(月) 大阪ブルテオン戦
- 開催日時
- 2024年10月14日(月) 13:05
- 会場
- エディオンアリーナ大阪
2
- 21-25
- 25-19
- 21-25
- 25-21
- 12-15
LOSE
3
試合経過
11日に東京で大阪ブルテオンとのSVリーグオープニングマッチを戦ったサンバーズは、大阪に戻り、14日、エディオンアリーナ大阪でホーム開幕戦を迎えた。11日の初戦に0-3で敗れていたサンバーズは、ホームゲーム最多となる5020人の観客の前で今季初勝利を目指して奮闘した。
第1セットはブルテオンのサーブに揺さぶられながらも、ムセルスキー、髙橋藍、アラインのスパイクでサイドアウトを重ねていく。しかし中盤、ブルテオンの堅い守備から切り返され7-10とリードされた。この日はサンバーズも相手のスパイクコースに入りしっかりとディグが上がったが、それをなかなか得点につなげられない。反対にブルテオンは、粘り強い守備がことごとく点数につながり11-18と点差を広げられた。
それでも、小野寺のクイックでサイドアウトのリズムを作り、髙橋藍が豪快にパイプ攻撃を決めて会場を沸かせると、直後にリリーフサーバーとして入った髙橋塁がサービスエースを奪い17-21と追い上げる。さらに、ムセルスキーの強烈なサーブで崩し、小野寺が相手のクイックをシャットアウトして19-22と迫ったが、ブレイクのチャンスでつなぎやスパイクにミスが出て追い上げきれず、セットを先取された。
第2セットは、初戦で途中交代となり悔しさを噛み締めたアラインが爆発した。
「開幕戦は久しぶりの公式戦ということもあって緊張していて、自分のパフォーマンスが良くなかった。今日はとにかく自分のプレーを上げていこうと。上げていければ、結果もついてくると思っていた」と気迫十分で臨んだアラインが、第2セットの立ち上がりに強烈なサーブを打ち込んで相手レシーバーを吹き飛ばし、エースを奪う。さらに苦しい場面のトスをアラインが得点につなげて先行。ムセルスキーがサイドライン上にノータッチエースを決め7-5とリードした。
髙橋藍が、相手の難しいサーブをきっちりとセッターの頭上に返球し、そこからすぐに助走に入って鮮やかにパイプ攻撃を決め真骨頂を見せつけると、サンバーズは勢いを増す。アラインや大宅のサーブで崩し、ムセルスキーが得点につなげて12-8とリード。中盤は髙橋藍のパイプ攻撃やムセルスキーのブロックで引き離した。ブルテオンの強力なサーブも、髙橋藍や今季初先発のリベロ藤中颯がきっちりと返し、クイックとパイプ攻撃を軸に得点を重ねる理想的な展開でサンバーズがセットを取り返した。
第3セットも髙橋藍、アラインのパイプや小野寺のクイックで好スタートを切る。先行されても、大宅が狙いすましたツーアタックを決めてラリーを制し、流れを引き寄せる。相手のフェイントを鬼木が体を投げ出して拾い、それをムセルスキーが得点につなげて13-13と追いつくと、ブルテオンのロペス・ミゲルのパイプ攻撃を小野寺がシャットアウトして14-13と逆転。しかし終盤、ブルテオンの強力なジャンプサーブに押されてブロックに捕まり19-22とリードされた。その後、リリーフサーバーの髙橋塁が入ると、塁と藍が好守備を連発して白熱のラリーを繰り広げるが、そのラリーをものにすることができず、セットを奪われた。
第4セットは髙橋藍のサーブで主導権を握る。緩急をつけながら多彩なコースに打ち分けて相手を崩し、ムセルスキーのブロックやアラインのスパイクなどで4-1と好スタートを切った。その後も、髙橋藍が3枚ブロックを弾き飛ばしてパイプ攻撃を決めたり、ムセルスキーのノータッチエースで8-3と点差を広げる。中盤追い上げられるが、小野寺のサーブで揺さぶり、好守備から髙橋藍がスピードあふれる切り返しで連続得点を奪い12-8と再びリード。鬼木のブロックで点差を広げると、このセットもリリーフサーバーで入った髙橋塁が好守備を見せ、それをムセルスキーが得点につなげて引き離す。巧みなショートサーブを駆使して相手を揺さぶり、ブレイクにつなげたサンバーズがセットを取り返し、試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは鬼木のクイックなどでサイドアウトを重ね、ムセルスキーのノータッチエースで5-3と先行する。しかし、アラインのパイプ攻撃がブロックに捕まり8-9と逆転されると、ブルテオンの強力なサーブに崩され9-11とリードされた。さらにムセルスキーのスパイクもブロックされ、マッチポイントを握られる。粘り強くラリーに持ち込み、髙橋藍がパイプ攻撃を決めて追い上げると、会場はこの日一番の歓声に包まれるが、一歩届かず。セットカウント2-3で敗れた。
勝利には届かなかったが、3日前の開幕戦とはまったく違った試合内容に、選手たちは手応えと自信をにじませた。
3本のブロックポイントを挙げ、クイックでも得点を重ねた小野寺は、「勝ちきれなかったところは反省すべきだし、ミスが出た後に連続失点したのは課題。でも開幕戦に比べれば良くなっている部分は多かったと思うし、随所で各選手にいいプレーが出ていたので、そこは良かった」と振り返った。
セッターの大宅も、「もちろん勝利を目指していますが、シーズンの最後にピークを持っていけるようなチーム作りという意味で、今できることは、今日出せたのかなと思う。まだまだ細かいボールコントロールや、つなぎの精度などはブルテオンのほうが上回っていたので、そういうところに意識的に取り組んでいきたい」と語り、手応えと明確な課題をつかんでいた。
この日は大宅がクイック、パイプを多用した的を絞らせないトス回しを展開し、スパイカー陣も高いスパイク決定率を残した。大宅が「サーブレシーブ返球率が高かったので、そのおかげ」と振り返ったように、ブルテオンの好サーブに対しても、大宅の元にピタリと返るサーブレシーブが多かった。
リベロの藤中颯がアラインの前をカバーするなど広い範囲を守ったことに加え、髙橋藍は、サーブレシーブに対する意識を変えたと言う。
「開幕戦は、Aパスではなく少しネットから離れたBパスになって、大宅選手がクイックやパイプを使いづらいシチュエーションを作ってしまった。僕自身、スパイクに意識が向いて、パス(サーブレシーブ)が少し雑になっていた部分がありました。今日は、まずはサーブレシーブからしっかりと、組み立てやすい、そして全選手がスパイクに入りやすいシチュエーションを作っていくことが必要だと考えました。アライン選手やムセルスキー選手、ミドル陣も、いいスパイカーが揃っているので、僕自身はまずサーブレシーブを返すこと。自分がつぶれても、ムセルスキー選手やアライン選手に任せるというところがチーム力になる。開幕戦のブルテオンの完成度の高さを見て、僕自身『一番大事なのはチームで戦うこと』だと感じたので。まずはサーブレシーブで時間を作って、落ち着かせて、そこから自分も攻撃参加していくという意識になりました」
安定した間のあるサーブレシーブを返すことで、髙橋藍自身も攻撃に参加しやすくなり、この日はムセルスキーに次ぐ29本のスパイクを放ち、58.6%という高い決定率を残した。
現時点での精度の高さや終盤のサーブ力などで上回ったブルテオンにはわずかに及ばなかったが、サンバーズの今季の戦い方がハッキリと見えた。
次節は旭川市でヴォレアス北海道と対戦する。さらにチーム力を高め、待望の今季初勝利をつかみ取る。