2024-25 大同生命SV.LEAGUE オープニングマッチ 10月11日(金) 大阪ブルテオン戦
- 開催日時
- 2024年10月11日(金) 19:05
- 会場
- 東京体育館
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- 17-25
- 19-25
- 21-25
LOSE
3
試合経過
<SVリーグ大阪ブルテオン戦 24-10-11>
昨季までV.LEAGUE DIVISION1として行われていた国内トップリーグは今季、大同生命SV. LEAGUEとして生まれ変わった。昨季、Vリーグ最後の王者となったサンバーズは、今季、SVリーグ初代王者を目指し、新たなチャレンジをスタートした。
昨季のファイナルと同じ大阪ブルテオン(昨季のパナソニックパンサーズ)との対戦となった開幕戦のスターティングメンバーは、小野寺、アライン、大宅、髙橋藍、ムセルスキー、柏田、喜入。
東京体育館に満員の観客が詰めかけた記念すべきオープニングマッチは、大宅のサーブで幕を開けた。サンバーズはブルテオンの攻撃を好守備で阻み、そこからアラインがパイプ攻撃を決めてSVリーグ初得点を挙げた。その後は互いにサイドアウトを奪い合う展開となるが、ブルテオン西田有志の強力なサーブに崩され、スパイクミスが出たり、ポイントを奪われ4-7と先行された。中盤にもサーブレシーブを崩されてブロックに捕まるなど、連続失点して8-16とリードを広げられた。それでも、好守備からアラインがカウンターアタックを決めたり、新加入の髙橋藍が、力強いパイプ攻撃を決めてラリーを制し、気迫あふれる表情で周囲を鼓舞する。1人1人が懸命に流れを変えようと試みるが、ブレイクのチャンスをものにできず、第1セットを奪われた。
第2セットはブルテオンの堅い守備に粘られて先行されるが、髙橋藍が強力なサーブを打ち込んで崩し、第1セットに得点を重ねられたブルテオンのロペス・ミゲルをブロックして4-3と逆転した。しかし中盤、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され12-15とリードされる。それでも、髙橋藍が西田の強烈なスパイクをディグで上げ、ムセルスキーのブロックでラリーを制して食らいつく。しかしブルテオンのブロックとディグは堅く、終盤引き離され、セットを連取された。
あとがなくなったサンバーズは、第2セット途中からアラインに代わって出場していた藤中謙が、そのまま第3セットはスタートからコートに入る。昨季まではスタメンが定位置だったが、今季は途中から出るパターンも想定して準備してきた。
「自分のできることは限られていると思うんですけど、チームに何か足りないから僕が入るわけで、そこの足りない部分を補ったり、うまく回すということが自分の役目だと思って入りました。今日で言うとサーブレシーブの返球率を上げることを第一に考えて」
そうして迎えた第3セットはコート内が落ち着き、白熱した接戦となった。出だしは先行されるが、小野寺がコートの角にノータッチエースを決めてすぐに追いつく。再び先行されても、大宅、髙橋藍が懸命につないだり、鬼木のブロックタッチで作ったチャンスを、ムセルスキーが立て続けに得点につなげ5-4と逆転した。その後逆転されるが、中盤ムセルスキーのサービスエースで9-8。小野寺のクイックでブレイクし10-8とリードした。その後は小野寺やムセルスキーのスパイクでサイドアウトを重ねてリードをキープする。
しかし終盤、ブルテオンのサーブに揺さぶられ、ブロックに捕まったり、好守備から切り返されて5連続失点し16-19と引き離された。サンバーズはリベロの喜入が好守備を連発して粘りを見せるが、追い上げることはできず、21-25でゲームセット。セットカウント0-3で敗れた。
この日はブルテオンのサーブとブロックディフェンスが非常に機能し、サンバーズのスパイク決定率を45.3%に抑えられた。逆にブルテオンの攻撃の的を絞れず、70.7%という高い決定率を残された。
今季から指揮を執るオリビエ監督は「ブルテオンはかなり良い状態で試合に臨んできていた。うちのチームはスタートで少し神経質になっており、いいパフォーマンスが出せなかった。五輪に参加していた選手やムセルスキーの合流が遅れていたので、まだ調子が上がりきっていない部分もある」と語った。
今季初戦で、6526人もの観客が集まり、地上波で生中継もされた注目の一戦ゆえの硬さがあったと選手たちも言う。
今季から主将を務める藤中謙はこう振り返った。
「正直、もっといい試合内容ができてもおかしくなかった。今日は1人1人の硬さというか、違和感というか。ちょっと力んでしまったり、練習でできていたことができなかったりしていた。もちろん練習とは相手が違うので、普段やっているプレーはなかなかできないんですけど、それがこういった(開幕戦の)雰囲気の中でストレスになったのかなと思います。(勝敗を分けたのは)決定率の差ではあるんですが、そこに至るまでのサーブレシーブで、AパスにできるボールがBパスになったりしていた部分もありました」
セッターの大宅は、相手の粘り強い守備について、「サンバーズは前回優勝しているので、もちろんどのチームも対策はすごくしてくるし、今日のようにディフェンスに力を入れてくると思うので、こういう試合がスタンダードになってくると思う。だから1回で決まると思わず、何回も何回も攻撃準備することが大事」と改めて連覇の難しさを痛感し、意識を引き締め直していた。
日本のリーグでの初試合となった髙橋藍は、「チーム力の差、完成度の差が出ていた。途中、個々の力に頼りすぎた部分があったと思う。ブルテオンの速い攻撃にこちらは対応しきれなかったし、相手はチームとして決め切っていた印象でしたが、自分たちは苦し紛れのスパイクが今日は多かったのかなと感じます。このような環境で、もっといいバレーができたんじゃないかという悔しさがある」と大舞台でサンバーズの力を発揮できなかったもどかしさを吐露し、こう続けた。
「さらに強くなって戻って来たいと思っています」
その髙橋藍とのコンビについて、大宅は、「サイドアウトの時の攻撃はだんだん良くなっている。ただラリー中のスパイクがまだ。彼の場合は何種類かスピードの違うトスがあって、今日は何回か噛み合わないところがあったので修正したい」と語った。
誰もが、「このままでは終わらない」と反撃を誓っている。
14日に大阪で行われるホーム開幕戦で仕切り直しだ。次こそ、サンバーズの本来の姿を見せつける。