試合日程・結果

GAME

第71回 黒鷲旗大会 全日本男女選抜バレーボール大会 決勝

開催日時
2023年5月 6日(土) 14:00
会場
丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
サンバーズ
サンバーズ

0

  • 16-25
  • 26-28
  • 31-33

LOSE

3

ウルフドッグス名古屋

試合経過

<試合経過レポート>
 黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会決勝。大会3連覇を目指すサンバーズは、Vリーグファイナルと同じ相手、ウルフドッグス名古屋と対戦した。

 第1セットは序盤にWD名古屋のオポジット、クレク・バルトシュの強力なサーブにエースを奪われるなど連続失点し1-5と出遅れた。中盤にもサーブで揺さぶられ、ブロックに捕まったり、切り返されて3連続ブレイクを奪われ4-11とリードを広げられた。その後もWD名古屋のブロックやサービスエースで点差を広げられる。山本のサーブで崩し、藤中謙がダイレクトスパイクを打ち込んで追い上げるが、その後、再びクレクのサーブに崩され8-18と大差をつけられた。好守備から佐藤のクイックで切り返しブレイクするが、その後は相手にサイドアウトを重ねられ、セットを先取された。

 第2セットも序盤にサーブで崩され、好守備から切り返されて2-5と先行された。それでもムセルスキーが得点を重ねて立て直し、アラインのサービスエースで6-6と追いついた。さらに、山本のブロックで8-7と逆転。彭のサーブで崩してミスを誘い9-7と先行した。アラインのパイプや藤中謙のライト攻撃など次第にトスが分散して攻撃が機能し、ムセルスキーが巧みなフェイントでブレイクを奪い13-10。ムセルスキーのサーブで崩しリードを広げた。

 しかしWD名古屋のブロックに捕まって追い上げられると、サービスエースを奪われて20-20と追いつかれた。強力なサーブに押されながらも、アラインがスパイクを決めて耐え、アラインの強烈なサーブで崩し、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて23-21と再び抜け出した。彭のクイックでセットポイントを握るが、その後、WD名古屋にカウンターアタックを決められデュースに持ち込まれる。ムセルスキーのスパイクでサイドアウトを重ねるが、WD名古屋の堅いブロックと守備で拾われ、立て続けにブレイクされ26-28でセットを連取された。

 第3セット序盤はアラインのカウンターアタックでブレイクし、アラインのスパイクや彭の強烈なクイックでサイドアウトを重ね、山本のブロックで相手のブレイクを阻む。しかし中盤、サーブレシーブを崩され、好守備から切り返されて11-12と逆転された。サンバーズの渾身のスパイクもWD名古屋の好守備に拾われ13-16と点差を広げられる。終盤は藤中謙のスパイクや、藤中謙の巧みなトスからアラインがスパイクを決めるなどサイドアウトを重ねるが、21-24とWD名古屋にマッチポイントを握られた。

 そのマッチポイントをしのぎ、セッターの山本がサーブに向かうと、鋭いジャンプサーブを打ち込み、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決め23-24と詰め寄った。さらに、山本のサーブで攻め、藤中颯の好守備をムセルスキーが得点につなげてデュースに持ち込むと、藤中謙のブロックで25-24と逆転した。

 土壇場で強力なサーブを打ち続けた山本は「あそこは(安全に)入れておくという考えもあったんですけど、やっぱり入れていっても、クレクさんが上から打ってくると思ったので、あそこは攻めて、相手の攻撃の選択肢を減らしてこちらがいい状況になるように、自分を信じて打ちました」と振り返る。

 その後、逆転されるが、ムセルスキーのカウンターアタックで28-27と再び逆転。そこからアラインのスパイクでサイドアウトを重ねていくが、セットポイントからのあと1点が奪えない。するとWD名古屋のサーブに崩されて切り返され、31-32と再びマッチポイントを握られる。最後はネットぎわの攻防が相手のブロックポイントとなり31-33でゲームセット。セットカウント0-3で破れ、サンバーズは準優勝となった。

 今大会全試合で先発したルーキーセッターの山本は「相手はメンバーが揃っていない中で、1セットも取れず、勝ちきれず、本当に悔しい」と唇を噛んだ。

 WD名古屋は日本代表選手4人が今大会に出場していなかったが、それでもVリーグのファイナルと同じように非常に堅いブロックディフェンスでサンバーズの攻撃を阻んだ。

 山村監督は「名古屋さんは本当にディフェンスとつなぎのクオリティが高かった。逆にうちはディフェンスで、クレク選手のボールを上げることができなかった。彼がかなりの打数を打っている中、もちろん対策をして臨んだんですが、コートの中で行われている彼のパフォーマンスの高さが想像以上だった」と振り返った。

 Vリーグに続く決勝での敗戦に、銀メダルを受け取る選手達の表情には悔しさがにじんだ。

 だがサンバーズの今季の戦いはまだ終わっていない。昨季のVリーグ優勝チームとして臨むアジアクラブ選手権が5月14日にバーレーンで開幕する。

 黒鷲旗ではバックアップに回った主将の大宅は「外から見て学ぶことが多くありましたし、今日の名古屋さんは、メンバーが揃っていなくても本当に優勝を狙っているという気持ちが前面に出ていた。僕らがそれをやらなければいけなかった。僕の次の目標はコートに立つことなので、次のアジアクラブに向けてまた自分自身を見つめ直して、コートに立てるチャンスがあれば100%を発揮していきたい」と気持ちを新たにする。

 それぞれの悔しさをぶつける舞台はまだ残っている。過酷な日程での遠征となるが、アジアチャンピオンを目指し、力を出し尽くす。

<試合後のコメント>
■山村宏太監督
 Vリーグ決勝と同じカードで、我々はフルメンバーで臨むことができたんですが、勝つことができず、指揮者として悔しい思いでいっぱいです。ただ名古屋さんは、リーグとはメンバーが変わった中でも素晴らしいプレー、名古屋さんらしいバレーを展開していた。特に1セット目の入りで少し相手の勢いに押され、自分たちのパフォーマンスができなかったのが、流れをつかめなかった要因。

 先週(Vリーグ決勝で)悔しい思いをして、選手達はモチベーションが落ちていたところもありますが、それでも頑張って切り替えてこの大会に臨み、まだまだ優勝に届かない部分がたくさんあるんだと学ばせていただいた。それを課題としてアジアクラブに臨んでいきたい。若い選手が多いので、伸びしろはまだまだある。非常に悔しいですが、切り替えて次の大会に臨みます。

■藤中颯志選手
 今日は個人的にもチーム的にもうまくはまらなかった。ディグに関しては、クレク選手にトスが集まっていた中で、ブロックとディグの関係が難しかった。彼は本当に打つコースの幅が広いので、ライン側なのかクロス側なのか、ブロックでどこを締めるのかが絞りづらく、後ろもバラバラになってしまったのかなと思う。

 今大会もタイトルを獲ることができなかったので、それはアジアクラブに向けて大きなモチベーションになる。昨年は代表の方でAVCカップに選出されたんですが、コートに立つ機会はほとんどなかったので、アジアクラブが僕にとっては初めての国際大会のようなもの。そこで結果を出してこそ、サンバーズのリベロというものを確立できるので、まずは試合に出られるようにチーム内でもライバル心を持って戦って、優勝して、最後は笑って終わりたいなと思います。

■山本龍選手
 率直に悔しい。ベンチから見ていたVリーグの決勝の時も悔しかったんですけど、より自分が責任を持って上げている分、この負けというのは本当に悔しいです。相手はブロックがいいし、スイッチしてディマ(ムセルスキー)の前にクレク選手のブロックがいたりするので、そこはブロックを見て別のほうに上げたり、スイッチした分クイックのマークが薄くなっていると思ったので、そこをもう少し使いたかったんですけど、自分の技術が低くてあまり使えなかった。

 終盤の自分の選択が、合っていたら勝っていたと思うんですけど、勝ちきれないということは、自分の選択ミスだったり、精度の低さがあったと思うので、そこはこれからバレーボールを続ける上でいい経験になったし、この悔しさを忘れずに次に活かしたいと思います。

2022/23シーズン

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