第71回 黒鷲旗大会 全日本男女選抜バレーボール大会 準々決勝
- 開催日時
- 2023年5月 4日(木) 11:00
- 会場
- 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
3
- 25-17
- 25-21
- 25-09
WIN
0
試合経過
<試合経過レポート>
黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会準々決勝。グループ戦を1位で突破したサンバーズは、昨年の全日本インカレ王者・筑波大学と対戦した。
第1セットはアラインの強力なサーブでプレッシャーをかけ、相手のクイックやパイプ攻撃を彭が立て続けにシャットアウトし5-2と先行。彭のサービスエースなどで8-3とリードを広げた。中盤にはムセルスキーのブロックで点差を広げる。その後は佐藤、彭の高さのある豪快なクイックで相手を寄せ付けない。終盤はサイドアウトの取り合いとなるが、サンバーズは藤中謙のスパイクなどで着実に得点を重ね、最後は山本のジャンプサーブで崩し、ムセルスキーがダイレクトスパイクを叩き込んで締め、セットを先取した。
第2セットはムセルスキーがコースを打ち分けながら3連続サービスエースを奪い5-1とリード。さらに彭のブロックで6-1とした。ところが、スパイクミスが出たり、筑波大のサービスエースや好守備からのカウンターアタックで5連続得点を奪われ6-6と追いつかれた。それでも、アラインの強力なサーブで再び流れを取り戻す。サーブで崩し、スパイクミスを誘ったり、山本のブロックなどで5連続得点を奪い11-6と再び引き離した。その後も藤中謙のブロックなどで点差を広げ、二枚替えで入った鳥飼がカウンターアタックを決めて19-12とした。終盤、筑波大の身長210cmのオポジット・牧大晃のサービスエースやスパイクなどでブレイクされ21-18と追い上げられるが、藤中謙が鋭いスパイクを打ち込んで流れを切り、途中からコートに入ったリベロ髙橋結のディグで粘ってブレイク。再び流れを取り戻し、セットを連取した。
第3セットも、ムセルスキーがサイドラインぎわに強烈なサーブを打ち込みノータッチエースを奪って4-1とリード。その後もアラインの強烈なカウンターアタック、山本のブロックで6-1と引き離す。さらに、アラインのサーブで攻め、彭、山本の連続ブロックで9-3と点差を広げた。中盤は山本のサーブで攻め、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決めたり、セット途中からコートに入った樫村がブロックを決めて14-5と引き離す。さらに、コートに入ったばかりの秦が強力なサーブを次々に打ち込み、アラインのカウンターアタック、樫村のブロック、そして最後は豪快にサービスエースを奪い19-6と一気に大差をつけた。終盤には樫村が勢いよくクイックも決め、秦のスパイクで締めてゲームセット。サンバーズがセットカウント3-0で勝利し、準決勝に進出した。
サンバーズは第2セット序盤にムセルスキーが3連続サービスエースを奪うなど、終始強力なサーブでプレッシャーをかけて連続得点を奪い、グループ戦を勝ち抜いた筑波大学を勢いに乗せなかった。
ムセルスキーは、「筑波大学は非常にいいチームで、準々決勝に届くにふさわしいチーム。簡単な試合にはならないと思っていたので、100%で臨むことを心がけた。自分は、サーブがなぜうまく行っているのかなど、自分のパフォーマンスについて分析するのが得意じゃないので、何がよかったのかはわからないけど、ただ自分のベストを出そうとしていることがいいパフォーマンスにつながっていると思う」と好調ぶりをうかがわせた。
この日は途中出場の選手も存在感を発揮した。母校との対戦となった秦は強力なサーブで圧倒し、リベロの髙橋結も粘り強い好守備で、相手の得点を幾度も阻んだ。
また、第3セット途中から出場した樫村も、短い出場時間で2本のブロックとクイックを決めた。相手のライトスパイクを止めたブロックについては、「最初入ってすぐに、(相手の)レフト側に行こうとして、ライトが1枚になって決められた。そのあとディマ(ムセルスキー)が、『私がレフト側にいるので、ライト厚めに行っていいですよ』と言ってくれたので、わかりました、と。それを意識して、ライト側に遅れずに跳んだら、止まりました」と明かした。
今シーズンのリーグ中、樫村はヴォレアス北海道にレンタル移籍し、V2で優勝、V1昇格に貢献した。実り多い期間だったと振り返る。
「向こうに行く前は、右膝の怪我もあり体のバランスがあまり良くなくて、プレーに集中する以前に、身体的なところがネックになっていました。向こうではバランスを整えるメニューを行ったことで、助走の瞬間に踏ん張れないとか、着地時に痛みが出ることがなくなり、プレーにフォーカスできるようになりました。すごく緻密な戦術を実践するチームで、ミーティングにも毎日時間をかけていたので、セオリー的なところをたくさん学べて自分に余裕ができた。プレーの選択肢が増えて、心にゆとりを持ちながらプレーできるようになりました」
北の大地で一冬を越えて、晴れやかな表情でそう語る3年目の大型ミドルブロッカーが、サンバーズの頼もしい戦力になりそうだ。
準々決勝を勝ち上がったサンバーズは、準決勝でパナソニックパンサーズと対戦する。大会3連覇まで、あと2勝だ。