試合日程・結果

GAME

2022-23 V.LEAGUE FINAL

開催日時
2023年4月23日(日) 14:08
会場
国立代々木競技場第一体育館
サントリーサンバーズ大阪
サントリーサンバーズ大阪

0

  • 23-25
  • 18-25
  • 26-28

LOSE

3

ウルフドッグス名古屋

リザーブメンバー

試合経過

<試合経過レポート>
 2022-23V.LEAGUE DIVISION1はついにファイナルを迎えた。ファイナル4を1位で通過し、3年連続でこの舞台にたどり着いたサンバーズは、昨シーズンと同じ相手、ウルフドッグス名古屋と対戦した。目標に掲げてきたリーグ3連覇まで、あと1勝だ。

 第1セットは彭が勢いよくクイックを決めスタート。サンバーズは立ち上がりから守備が機能し、ディグで作ったチャンスをムセルスキーが決めて4-2と先行した。しかし徐々にWD名古屋のブロックが威力を発揮し始める。ムセルスキーのスパイクやパイプ攻撃を立て続けに止められ、カウンターアタックを決められて4-5と逆転された。中盤もサンバーズのスパイクを堅いブロックとディグで拾われて切り返されたり、ブロックに捕まり8-12とリードを広げられた。

 それでも、アラインのノータッチエースから追い上げ開始。アラインのサーブで崩し、自ら強烈なパイプ攻撃を決めて14-15と迫る。さらに、小野が力強いサーブを打ち込み、好守備で粘って、最後は藤中謙のブロックで16-16と追いついた。互いにブロックと好守備の応酬で見応えのある攻防が続く。終盤、強烈なサーブでエースを奪われて再びリードされ、その後、ブロックに捕まり18-22とされた。しかし相手のセットポイントから、アラインの強烈なサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクなどで連続ブレイク。23-24と詰め寄ったが、あと一歩及ばずセットを先取された。

 第2セットは藤中謙や彭のスパイクでサイドアウトを重ねるが、WD名古屋のオポジット、クレク・バルトシュの強烈なサーブにエースを奪われ3-6と先行された。それでも再びアラインが流れを引き寄せる。巧みなショートサーブでエースを奪うと、今度は強力なサーブで崩し、ムセルスキーのブロックで仕留め7-7と追いついた。しかしスパイクミスが出て再びリードされると、中盤、立て続けにブロックに捕まり9-14と点差を広げられた。終盤にはセッター山本、ミドルブロッカー佐藤がコートに入り、彭のブロックや、山本の好守備などで粘って相手のミスを誘い追い上げたが、最後は再び引き離され、セットを連取された。

 後がなくなったサンバーズだが、第3セットは藤中謙のライトスパイク、佐藤のCクイックで好スタートを切り、ムセルスキーのスパイクでサイドアウトを重ねて食らいついていく。中盤、ブロックとディグで粘り、相手のミスを誘って12-11と逆転。大宅のサーブで揺さぶり、ムセルスキーが反応良くダイレクトスパイクを決めて15-13とリードした。しかし、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され18-19と逆転された。さらに、サーブレシーブを崩されてブロックに捕まり19-21とリードを奪われた。

 それでも、リリーフサーバーの西田のサーブから、佐藤が起死回生のブロックを決め、23-23と土壇場で追いついた。デュースに持ち込み、ムセルスキーのスパイクでサイドアウトを奪う。だが、サーブが惜しくもミスとなり、ブレイクにつなげられない。最後はサンバーズのスパイクをブロックとディグに阻まれてカウンターアタックを決められ、ゲームセット。セットカウント0-3で敗れ、リーグ3連覇の夢はついえた。

 昨季のファイナルのリベンジに燃えるWD名古屋は気迫にあふれ、戦術を高いレベルで徹底して向かってきた。アグレッシブなサーブと、堅いブロック、驚異的なディフェンスに苦しめられ、攻撃力を武器とするサンバーズのスパイク決定率が39.8%に抑えられた。サンバーズもリベロの藤中颯を中心にボールに食らいついて拾い、何度もラリーに持ち込み、攻撃陣は相手の守備網をこじ開けようともがいたが、この一戦に関しては、相手が上回った。この3シーズンでサンバーズの代名詞となっていた"勝負強さ"を発揮できないまま、敗れた。

 主将でセッターの大宅は「完全に相手のディフェンスの勝利。しつこいブロック力だったり、抜けてもディグで上げられたり、間違いなくめちゃくちゃ研究してきていた。自分も、ファイナル4までは通っていたクイックやパイプが、今日はほとんどタッチを取られたり止められて、リズムが作りづらかった。名古屋さんが完璧なゲームメイクをしてきた」と振り返った。

 藤中謙は「試合結果や内容は、今までの試合と比べて納得できるパフォーマンスではなかったんですけど、こういう舞台でそれが出てしまったというのは、それが今の僕らの立ち位置ということ」と悔しさを噛み締めた。

 過去2年は歓喜に沸いたこの舞台で、今年は相手チームの胴上げを見つめることとなった。この悔しさを力に変え、来シーズン、さらに勝利に執念を燃やす塊となって頂点を取り戻す。

<試合後のコメント>
■山村宏太監督
 うちは攻撃力が売りのチームなんですけど、その決定率が40%にも満たなかった。名古屋さんが我々に対して徹底的に対策を取ったことがうまくはまったということが今日の結果になったと思う。また、1本目の精度というところで、サーブとサーブレシーブも勝敗を大きく分けたと思います。

 当然我々は優勝を目指してチーム作りをしてきて、非常に力のあるチームだと自負していますが、その中で今季は少し遠回りをしてしまった。決勝に向かうにあたって、いろんなことが積み重なりすぎたかなという印象がある。怪我などでメインの選手がコートを離れてしまう時間があったり、長くなったシーズンを戦う中でいろいろなことが重なって、その中でなんとかこのファイナルに持っていくことができたんですが、やはり優勝するにはまだ足りなかったのだと思う。その面で名古屋さんはいい状態で自分たちの最終形を突き詰めることができたのかなと。本当に強いチームが勝ったという意味では、名古屋さんに賞賛を送りたいと思います。

 この反省を来シーズンに活かしていけるかどうか。ただ、選手たちは本当に最後まで、優勝という言葉よりも、このメンバーで最高のパフォーマンスを出す、というふうに戦ってくれた。それは監督として大事にしていた部分でしたので、感謝しています。

■大宅真樹主将
 悔しさというより、自分自身が情けない。この大事な試合で、今シーズンで一番プレーの質がよくなかったと思う。試合中いろんな感情が出てきた。引退する選手もいるし、自分自身のためにという気持ちもあるし、3連覇というプレッシャーもある。キャプテンとして、自分は調子が悪くても暗くなっちゃいけないとか、今日は本当にたくさん考えることがありました。2連覇した時のファイナルとはまったく違った。シンプルに試合に入れていなかったのかなと思います。

 小野も栗山さんも今日で終わりだったので、本当にチームをまとめてくれた2人に、恩返しという意味で最後勝って送り出してあげたかったんですけど......。本当に実力不足だったと思います。ただ僕らも今できることはすべて出し切った結果なので、名古屋さんをリスペクトしたい。完璧なゲームメイクをしてきたと思います。僕自身も、今日の自分にできる精一杯のトス回しはしたので、そこに関しては後悔はない。今日これだけしかできなかった、決勝でこのパフォーマンスしか出せなかったというのが今の実力。でもサンバーズはまた来シーズンや、黒鷲旗、アジアクラブ選手権というチャレンジできるところがあるので、今日の結果をしっかりと受け止め、チームが成長できるようまた1からやっていきたいと思います。

■ドミトリー・ムセルスキー選手
 特にファイナルのようなタフな試合は、いつも通りやれば勝てるという場所ではなく、自ら勝ちをつかみにいくようなパフォーマンスをしなければ勝てない試合。それに対してウルフドッグスは自分たちの持っている力をすべて出し切ってきた。我々の攻撃の決定率を全体的に下げられた。その中で自分がどうやって点数を決めていくかを考えていたんですが、決まる場面も、決まらない場面もあり、うまく解決できなかった。

■藤中謙也選手
 まだちょっと負けを実感するのに時間がかかっています。この試合結果や内容というところが、今の僕らのすべてかなと思います。もちろん今までの試合と比べて納得できるパフォーマンスではなかったんですけど、決勝というこういう舞台でそれが出てしまったというのは、それが今の僕らの立ち位置ということなのかなと思います。悔しさはありますけど、また来シーズンだったり、今後の大会に向けて、頑張っていくしかないかなと感じています。

■小野遥輝選手
 今シーズンはチームとして厳しい、苦しい時もあった中で、こうしてファイナルまで来て戦うことができたということは、3連覇に向けて最低ラインではあったので、よかったと思うんですけど、最後勝てなかったことは本当に悔しい。名古屋さんが、僕たちのバレーがなかなか通用しないような本当に堅いバレーをしていたので、優勝にふさわしいチームだったんじゃないかなと思います。ブロックディフェンスが今日は本当に良く、拾われて、クレク選手に高い決定率で決められてしまった。

 現役最後の試合、勝って終わりたいと本当に思っていたので、すごく悔しい。個人として途中で交代してしまったところも本当に悔しい気持ちです。自分自身最後の試合という中で、自分のプレーがうまくできず、チームになかなか勢いを出すことができなくて申し訳ない。その思いでなかなか顔を上げることができなかったんですけど、試合が終わって、みんなと握手をしたりハグをしたりする中で、涙してくれる選手がいて、自分も涙をこらえていました。悔しい気持ちのまま終わってしまったなという感じですが、それは今後、時間が経つにつれて整理されていくのかなと思います。

2022/23シーズン

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