令和4年 天皇杯全日本バレーボール選手権大会 準々決勝
- 開催日時
- 2022年12月11日(日) 10:00
- 会場
- 武蔵野の森総合スポーツプラザ
2
- 26-28
- 25-21
- 25-19
- 22-25
- 13-15
LOSE
3
試合経過
<試合経過レポート>
天皇杯全日本バレーボール選手権大会・準々決勝。サンバーズは東京グレートベアーズと対戦した。
第1セットは東京GBのサービスエースやカウンターアタックで4-6と先行されるが、鍬田のスパイク、ブロックで流れを引き寄せると、中盤、鍬田のサーブが爆発する。強烈なジャンプサーブで崩して得点につなげ9-8と逆転すると、その後2本のサービスエースや、藤中謙のダイレクトスパイクで12-8と一気に引き離した。その後も堅いブロックとディグから栗山がカウンターアタックを決め点差を広げる。しかし東京GBは粘り強いディグとつなぎでサンバーズのスパイクを拾って切り返し、3連続得点で18-16と追い上げる。終盤もサンバーズの好スパイクを幾度も拾われて粘られ末に、ブロックに捕まり20-20と追いつかれた。藤中謙の力強いスパイクで流れを切るが、好守備からカウンターアタックを決められ21-22とついに逆転される。デュースに持ち込むが、最後はブロックに捕まり、セットを先取された。
第2セットは栗山のスパイク、ノータッチエースなどで3-1と先行する。逆転されても、彭のサービスエースで7-6と逆転。大宅のブロックでラリーを制し8-6と先行する。中盤、追い上げられるが、彭のクイックや藤中謙のパイプ攻撃で流れを再び引き寄せると、大宅、鍬田のブロックで再び引き離す。さらに、藤中颯の好守備から、藤中謙がパイプ攻撃を叩き込み18-13とリードを広げた。終盤、強力なサーブに押され、ブロックに捕まり追い上げられるが、鍬田の力強いパイプ攻撃で相手の流れを切る。相手に負けじと守備で粘ったサンバーズがセットを取り返した。
第3セットは、小野の好守備を藤中謙が得点につなげて2-0と好スタートを切る。藤中謙のサーブで揺さぶり、鍬田がレフトから次々に力強いカウンターアタックを決めたり、彭のブロックなどで5連続得点とし9-2と引き離した。中盤、相手のブロックに捕まったり、スパイクミスが出て15-14と迫られたが、鍬田が強力なスパイクを打ち込んで仕切り直すと、栗山が力強いバックアタックを叩き込みチームに勢いをつける。堅いブロックとディグから、藤中謙の巧みなフェイントで19-16と再びリード。終盤は藤中謙の鋭いインナースパイクや、彭の2本のブロックなどでリードを広げ、セットを連取した。
第4セットは相手に先行されるが、大宅がコートエンドにノータッチエースを決めて5-5と追いつくと、その後は互いにサイドアウトを奪い合う展開。サンバーズは小野や彭のクイック、藤中謙のスパイクで得点を重ねていく。東京GBのサービスエースでブレイクされるが、相手のミスで18-17と逆転。アクシデントのためセット途中に退いた鍬田に代わり、今シーズン初めてコートに入った秦もスパイクを決めてサイドアウトを切る。しかし終盤、スパイクミスが出て逆転されると、立て続けにカウンターアタック、ブロックを決められてリードを広げられ、フルセットに持ち込まれた。
第5セットは栗山、藤中謙のスパイクや彭のブロック、クイックでサイドアウトを重ねていくが、中盤、東京GBの強力なスパイクを封じられず5-7とリードされる。難しいトスを秦がブロックを利用して懸命に得点につなげると、秦のサーブで崩し、藤中謙がカウンターアタックを決めて7-7と追いついた。リリーフサーバーの西田のサーブで揺さぶり、ブロックと守備から秦がカウンターアタックを決めて11-10と逆転。しかし、コンビミスが出て次のブレイクチャンスを逃すと、クイックがブロックに捕まり12-13と逆転を許す。その後もサンバーズのスパイクを拾われてリードされ、13-15でゲームセット。
試合を通して東京GBの好守備に苦しめられ、それでもサンバーズも堅いブロックとディグで応戦し、粘り強く得点を重ねていたが、終盤は相手の決定力がまさった。悔しいフルセットの敗戦で、サンバーズは準々決勝敗退となり、2022年の戦いを終えた。
12月はムセルスキー、アラインという攻撃の2本柱を欠く戦いだったが、その中で得られたものも多いと、藤中謙は言う。
「普段出場機会の少ない選手がアピールできた部分もあると思いますし、いろんなオプションもできた。最近鍬田が出ていいパフォーマンスをしていたので、年明けからは(アラインが戻った時に、自分か鍬田か)どちらが出るかわからないし、アウトサイドの誰かの調子が悪かった時に、早めに(代わりの選手が)準備できるような、いい経験になったんじゃないかと思います」
この日は今シーズンまだ出番のなかった秦も、試合途中からコートに入り、安定したサーブレシーブを見せたり、難しいトスも巧みにブロックを利用して得点につなげるなど、流れを引き寄せようと懸命なプレーを見せた。
11月末からのリーグ戦と天皇杯は、戦力が揃わない中での苦しい戦いとなったが、その間にチームの底上げや起用の選択肢を増やすことができた。天皇杯優勝の夢は消えたが、この悔しい戦いを糧に、年明けのリーグでは、また強みを増した新たなサンバーズの姿を披露する。
<試合後のコメント>
■大宅真樹主将
今のメンバーでのすべてを出し切ったので、勝ちきって自信につなげたかった。正直ちょっと悔しすぎて、今はなかなか振り返りができないんですが...。東京GBは前回リーグで対戦した時よりもブロックがすごくよくなっていて、それに対して僕がスパイカーの打つコースを限定させてしまうようなトスや、高さを活かせないようなトスがあったので、今日はスパイカーに負担をかけてしまい、申し訳ないという気持ちです。トスが低くなったと思った時に、ブロックされることが多かったので。
今シーズンはいろいろなところで「楽しむ」ということを言ってきて、笑顔を忘れずにプレーしてきたつもりですが、やっぱり(ムセルスキーとアライン)2人が抜けてからのプレッシャーって半端じゃなくて、そのプレッシャーとも戦いながらやっていたんだなと、試合が終わってから思いました。その中でも全員が本当に頑張ってくれたので、すごくいいチームですし、本当に心の底から楽しんでバレーボールをやり切れるように、練習して、2人がいるいない関係なく、その時のメンバーを信じて戦えれば、徐々に成長できるんじゃないかと思います。
■藤中謙也選手
相手の守備がよく、難しいゲームだったなと思いますけど、それは今日に限らず、東京GBは本当にディフェンス力のあるチームだということはわかっていたので、それに対してしっかり点を取っていかなければいけなかった。例えばノーマークのパイプ攻撃だったり、クイックももう少し詰められた部分があったと思う。そのあたりがいい状態になるように、サーブレシーブから持っていけたらよかったなと思います。
ただ、リーグ序盤にメインで出ていたムセルスキーやアラインがいない中で、今日は決して悪い試合ではなかった。そこはすごくいい収穫だったと思う。年明けからは、今回いなかったメンバーを加えて、まだ誰が出るかわからないですけど、いい感じにピースをはめていけるんじゃないかと思います。普段出場機会の少ない選手がアピールできた部分もあると思いますし、いろんなオプションもできた。最近鍬田が出ていいパフォーマンスをしていたので、年明けからは(自分か鍬田か)どちらが出るかわからないし、アウトサイドの誰かの調子が悪かった時に、早めに(代わりの選手が)準備できるような、いい経験になったんじゃないか。誰が出るにしても、年明けのリーグに向けていい形に仕上げていきたいと思います。
■秦耕介選手
第4セット以降は、ブレイクのチャンスで点を取れなかった場面が多かった。チャンスは何度もあったんですが。それに、取られたセットは全体的にサーブであまりプレッシャーをかけることができていなかったなと感じました。(今シーズン初出場)すごく難しい場面での出場ではあったので、試合の中で自分のプレーを上げていけるようにしたんですが、トップにガッと行ききらないまま終わってしまった感じがあった。いいプレーもありましたけど、もっとバッと上げられれば、そういうプレーをもっと出せたと思う。もっとプレーの質を上げないと。例えばサーブレシーブだったら、返すだけじゃダメで、攻撃のパターンを全部使えるような返球を返さなきゃいけない。試合に出てパッとすぐそのクオリティに持っていけるようにしなければと感じました。