2022-23 V.LEAGUE 大分三好ヴァイセアドラー戦
- 開催日時
- 2023年3月12日(日) 13:00
- 会場
- サイクルショップコダマ 大洲アリーナ
(大分市大洲総合体育館)
3
- 25-20
- 25-19
- 25-19
WIN
0
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第32戦。現在2位のサンバーズは、9位大分三好ヴァイセアドラーと対戦した。
この日は内定選手のセッター・山本が初めて先発出場。ムセルスキーのスパイクなどでリズムを作ると、アラインの強力なサーブで攻め、山本のブロックで先行。逆転されても、山本が力強いジャンプサーブで崩し、ムセルスキーが得点につなげて7-6と逆転。藤中颯の守備で粘って得点につなげ9-7とリードする。その後は佐藤のCクイックやアラインのスパイクなどで得点を重ねる。追い上げられても、山本がコートエンドにノータッチエースを決め17-14と再び引き離す。前日の試合で80%を越えるスパイク決定率を残された大分三好のオポジット、イノック・モゲニのスパイクもムセルスキーが1枚でシャットアウト。彭のブロックも決まり21-17と点差を広げる。終盤は、ムセルスキーのサーブで崩し、組織的なブロックとディグでモゲニのスパイクを拾ってアラインがカウンターアタックを決めたり、彭のクイックでブレイクし、点差を広げてセットを先取した。
第2セットは勢いに乗るアラインが連続サービスエースを奪うなど4連続得点で7-3とリードを奪う。その後、大分三好のサービスエースなどで追いつかれ、サンバーズに連携ミスが出て逆転されるが、山本が勢いよくジャンプサーブを打ち込んで崩し、連続ブレイクにつなげ11-9と再びリード。藤中謙がジャンプサーブで崩し、アラインがダイレクトスパイクを決めたり、ブロックで点差を広げる。終盤も、山本が気迫の唸り声をあげながらジャンプサーブを打ち込み、藤中謙のブロックで20-15と引き離す。藤中謙がラインぎわにノータッチエースを決めたり、山本の好守備をムセルスキーが得点につなげて大差をつけ、セットを連取した。
第3セットも藤中颯の好守備から、山本の懸命のトスをアラインが得点につなげて先行。ムセルスキーの強烈なノータッチエースやカウンターアタックなどで7-2とリードした。その後、大分三好のサーブに崩され、ブロックに捕まり追いつかれるが、中盤、彭のサーブで揺さぶり、好守備をムセルスキーや藤中謙が得点につなげて3連続ブレイクし17-14と引き離す。終盤もサーブの攻めを緩めず、ムセルスキーのブロックや、佐藤の力強いクイック、ムセルスキーのサービスエースなどで点差を広げ、ゲームセット。サンバーズは最後まで隙を見せず、セットカウント3-0で勝利した。
この日は常に先行する展開で大分三好のサーブを勢いづかせることなく勝ち切った。また、Vリーグ初先発の山本が最後までトスを上げ切り、先発での初勝利を挙げた。
前日の敗戦に関係なく、この日の山本の先発起用については前もって告げられていたという。その意図を、山村監督はこう明かす。
「内定選手ですが力がある選手なのはわかっている。今後、龍がどれだけチームにいい影響を与えられるかを見たくて、もともと(先発起用は)計画していました。(昨日敗れて)かなりストレスのかかった状況での出場になりましたが、この状況でも起用にチャレンジしようと思いましたし、龍がある程度計算できるということも今日の試合で証明できました」。
その山本は、佐藤のCクイックを絡めてライト攻撃を巧みに使うなど持ち味を発揮し、チームは65.6%という高いスパイク決定率を残した。また、武器であるジャンプサーブでもエースを奪ったり、相手にプレッシャーをかけて連続得点につなげ、勝利に貢献。
期待に応えた山本は、試合後のコートインタビューで「自分はこれから日本を背負うセッター、世界一のセッターになるので、その最初の試合として、こうやって勝って終わってよかったです」と堂々と宣言した。
次週から続く1位ウルフドッグス名古屋、3位パナソニックパンサーズとの上位対決に向け、頼もしい新戦力が力を示した。
<試合後のコメント>
■山村宏太監督
昨日はサーブレシーブと、モゲニ選手に81.1%というスパイク決定率を残されたところをなんとかしないと話にならないということで、今日は改めて相手のコースを確認したのと、あとはやはり上げに行かなければ上がらないよね、という意識の問題もあった。誰かがなんとかしてくれるだろうとか、誰かのせいにしてしまうというところがあったんじゃないか。学びの多い2試合だったと思います。
■藤中謙也選手
昨日は敗れていたし、今日は(山本)龍が初めて(先発で)出たこともあって、いい意味で刺激のある試合だった。いつもそういう気持ちで臨まなければいけないんですが、昨日に関してはそれができなかったので、僕らのプレーや気持ちを改め直す、教訓になった試合だったのかなと思います。もちろん昨日は大分三好さんがいいプレーをしていて、特にサーブは今季の中で一番いいサーブが来ていて苦しめられたというのはありました。
(山本龍選手について)練習で合わせている回数は少ないので、もちろんコンビのところは調整が必要ですが、そもそものスキルやモチベーションという部分は、試合に出ても問題ないというのは、スタッフも含めてチーム全員が感じての起用だったと思うので、そのあたりは期待通りというか。トスが乱れても決めてあげようとか、そういう助け合いの部分が薄れていたところに、新しい選手が入ってきて、もともと入っていたメンバーにとってもいい刺激だったと思いますし、結果もついてきてよかったかなと思います。
■山本龍選手
先週あたりからもう、今週の日曜日に(先発で)行くぞと言われていました。昨日負けてしまったのでないかなと思ったんですが、予定通り行くと言われたので「おー」という感じでした。(大宅)真樹さんのリフレッシュという意味もあると思うし、僕が今後、苦しい場面で使えるのか、というのもたぶん(スタッフは)見たかったと思うので、逆に言えば、この機会でダメだったらもう(今シーズン)出番はないなと、そういうことを感じ取って、でも考え過ぎても自分らしさは出ないので、いい緊張感で入れました。普段Aチームではコンビを合わせていないので不安はありましたが、それを言い訳にしていたらダメだし、試合中にディマ(ムセルスキー)さんが日本語でコミュニケーション取ってくれたり、アラインも決めてくれていたので、本当に助かりました。サーブレシーブも、自分のために、トスを上げやすいパスを上げてくれていたり、先輩たちが気を使ってくれていたのかなと感じます。
トスについては、自分のテンポで、高い位置でのセットアップや得意なライトトスを発揮できればと。次回に生かしたいのはクイックとパイプの部分。特にパイプは、自分に余裕があればもっと1、2セット目から使えていたと思う。(現役は)できて10数年しかないと考えているので、こうやって機会をもらえたのはありがたいです。