2022-23 V.LEAGUE ウルフドッグス名古屋戦
- 開催日時
- 2023年1月 8日(日) 13:00
- 会場
- エントリオ(豊田合成記念体育館)
3
- 23-25
- 25-22
- 30-28
- 25-23
WIN
1
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第16戦。現在4位のサンバーズは、首位ウルフドッグス名古屋と対戦した。
第1セットは出だしから藤中謙が立て続けにスパイクを決めてリズムを作る。彭のブロックや、ムセルスキーが角度のあるサーブで崩し、彭がダイレクトスパイクを叩き込み6-4と先行。しかしWD名古屋の好守備から切り返されて追いつかれると、ミスが出て9-10と逆転された。それでも、セッター大宅がワンハンドで上げたトスを、アラインが豪快に叩き込むなど好プレーで踏みとどまる。中盤、2本のスパイクミスが出て13-16と引き離されるが、彭が高い打点から豪快にクイックを叩き込んで取り返し、大宅のブロックで15-16と追い上げる。引き離されても、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決める、サンバーズらしいブレイクで18-19と再び迫った。ところが終盤、またもスパイクミスが出て点差を広げられ、惜しくもセットを先取された。
第2セットは、佐藤のクイックで好スタートを切ると、ムセルスキーのブロックで先行。サンバーズは年末年始に強化してきたサーブが次第に威力を発揮し始める。佐藤のサーブで揺さぶり、アラインのブロック、カウンターアタックで6-3とリード。ムセルスキーのサーブで崩し、大宅のブロックで仕留めて8-4。彭のサーブでプレッシャーをかけてミスを誘ったり、佐藤のサーブで揺さぶり、好守備からムセルスキーが得点につなげ16-9とリードを広げた。終盤には年末にチームに合流したばかりの内定選手、山本がリリーフサーバーとしてVリーグデビューを果たす。その後WD名古屋のクレク・バルトシュの強力なジャンプサーブに崩され2点差に追い上げられるが、最後は彭がクイックを決めて逃げ切り、セットを取り返した。
第3セットも、大宅が巧みに佐藤のCクイックを使って好スタートを切った。ムセルスキーが強力なサーブで崩し、自らカウンターアタックを決める。コンビミスやスパイクミスが出て9-11とリードされたが、佐藤が得意のサーブで崩し、ムセルスキーがブロックで仕留めたり、藤中謙の好守備で粘り、彭のブロックでラリーを制して13-12と逆転。互いにサーブで攻め、ブレイクし合う白熱の攻防が続く中、16-18とリードを許すが、その後はアラインのスパイクなどで粘り強くサイドアウトを重ね、終盤、アラインのサーブで崩し、彭がクイックで相手ブロックを飛ばしてブレイクし23-23と追いついた。
デュースに持ち込み、大宅がベンチに突っ込みながら懸命にボールをつないで粘ると、佐藤がクレクの強烈なスパイクをブロックしてラリーをものにし、26-25と逆転。大宅が相手ブロックの逆をつき、アラインにノーマークでスパイクを決めさせ、流れは完全にサンバーズに。最後はムセルスキーのサービスエースが決まり、大接戦を制したサンバーズがセットを連取した。
第4セットもサンバーズは勢いを渡さない。佐藤のサーブで揺さぶり、彭がクイックやブロックで得点につなげ5-1と好スタートを切った。ところがその後、ブロックフォローのボールが落ち、徐々に流れが変わる。スパイクミスが出たり、サービスエースを奪われ8-9と逆転された。中盤、藤中謙の好守備をムセルスキーが得点につなげ11-10と逆転するが、ミスなどで11-13とリードされた。それでもこのままでは終わらない。アラインのブロックや佐藤のサービスエースで同点に。再びリードされても、藤中謙のパイプ攻撃や佐藤のCクイックなどでサイドアウトを重ね食らいつく。終盤、アラインのブロックで20-20と追いつき、佐藤のサービスエースで21-20と逆転。さらに、藤中謙のブロックタッチでチャンスを作ると、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて24-22とマッチポイントを握る。最後はWD名古屋のサーブがアウトとなりゲームセット。セットカウント3-1で激戦に勝利し、サンバーズは2023年の初白星を手にした。
主将の大宅は試合後、"戦う姿勢"を勝因に挙げた。
「今日のミーティングではスタッフから"戦う姿勢"というのを一番強く言われて、自分たちが掲げている"PLAY HARD"というスローガンを、昨日は体現し忘れていたのかなと気づいた。言われて気づくようじゃまだまだ未熟なんですけど、今日は1人1人がそのスローガンを体現しようとやってくれているのを感じました」
その大宅自身、懸命にボールに食らいつき、難しい体勢からもしっかりと攻撃につなげるトスを上げ"PLAY HARD"を自ら体現。この日はライト、センター、レフトにバランスよく攻撃をちりばめ、チームのスパイク決定率は57.9%に及んだ。特にクイック、パイプ攻撃の決定率は高かった。
その中でも、前日の試合で決定率のあまり上がらなかった藤中謙が、この日は61.9%という高い決定率を残した。特にパイプ攻撃は5本すべて決め、安定したサーブレシーブだけでなく、攻撃でもチームを牽引した。
ショックの残る敗戦から1日で立て直し、首位WD名古屋の連勝を13で止め、新年の初勝利をもぎ取ったサンバーズは3位に浮上。次週はホーム・舞洲アリーナで、4位パナソニックパンサーズを相手に連勝を狙う。
<試合後のコメント>
■大宅真樹主将
今日は、相手ブロックを意識するよりも、まずスパイカーが打ち切れるトス、各選手が思い切り腕を振れる打点に持っていくことを意識して試合に入りました。特に(佐藤)謙次に対しては昨日トスが低くなったりしていたので。そこを修正したら、彼もいい決定率を残してくれたし、彭はいつも通り、高い打点からパワーもあるので、信頼して上げていました。クイック、パイプを絡めていくのは自分の一番の持ち味だと思っているので、昨日はパイプを抑えられて苦しかったんですけど、とにかく自信を持って上げていって、今日は試合を通して2人(藤中謙、アライン)がいいところで決めてくれた。特に謙也さんは全部決まっていたのですごく助かりました。
("戦う姿勢"について)今回はスタッフに言われて気づいたけれど、何かが欠けそうになった時に、選手が自分たちで気づいて、ケツを叩き合いながらやれるチームを目指していきたいし、それがキャプテンである自分の仕事だと思うので、そういうところにも目を向けられるように、もっと視野を広くしていきたい。
■藤中謙也選手
この2試合、相手サーブにプレッシャーをかけられていたんですけど、相手の狙いははっきりしていて、昨日の試合を経て慣れることができたので、3人でしっかり連携を取って、昨日より大きく崩されたり、連続ブレイクを取られるところは少なかった。そこが今日勝ち切れた要因だと思います。
(前日の試合に比べて高いスパイク決定率)昨年末はアラインとディマ(ムセルスキー)がいなくて、自分にトスが集まることも増えていたんですけど、年が明けて、その強いスパイカー2人が戻ってきたことで、昨日はマインド的な部分で守備にちょっと偏っていたというのが大きかったのかなと思います。結果的に昨日と今日で(スパイクの)数字が違いましたけど、打数というところもあるのかなと。少ない本数の中で数字を残すことも今後は必要になってくると思うし、決まれば本数が増える、決まらない選手には本数が集まらないというのは当然のことなので、自分で気持ちをコントロールしながら、数字だったり印象で、トスを呼び込めるようにしていきたい。
■山本龍選手
(年末にチームに合流し、7日の試合からベンチ入り。この日リリーフサーバーとしてVリーグデビュー)今日は出番があったので、そこで少しでもブレイクできたらいいなという気持ちで入って、ブレイクはできなかったんですけど、チームが勝ててよかったです。自分のバレー人生の中で、リリーフサーバーとしてコートに入るのは初めて。普段サーブを打つ時の感覚とはやっぱり違っていたので、今までリリーフサーバーで入ってくれていた選手の気持ちだったり難しさを感じて、そこで仕事をする人はすごいなと改めて思ったし、自分が次に出る時にはもう少し仕事ができるようにしたいと思いました。
高校や大学と違って、(Vリーグは)毎試合観客がいたり、モニターにプレーが映ったり、すごい環境の中で、こうして内定時からユニフォームを着させてもらって、試合に絡むことができて、本当にいい経験をさせてもらえているなと感じました。