2022-23 V.LEAGUE 大分三好ヴァイセアドラー戦
- 開催日時
- 2022年12月 4日(日) 15:00
- 会場
- スカイアリーナ (第一総合運動場)
3
- 25-23
- 28-26
- 25-20
WIN
0
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1は年内最後の試合を迎えた。現在9勝4敗で5位のサンバーズは、ホーム・スカイアリーナで9位大分三好ヴァイセアドラーと対戦した。
前日ストレートで勝利したサンバーズは、この日も両アウトサイドが好調。立ち上がりに藤中謙が相手コートの角に力強いスパイクを打ち込んだり、鍬田が豪快にバックアタックを叩き込み好スタートを切る。鍬田が大分三好のイノック・モゲニの強力なスパイクをシャットアウトして6-4と先行。大分三好も堅い守備で粘るが、栗山や彭のブロックで相手にブレイクを許さない。中盤、大分三好のブロックや、モゲニの強烈なサーブにエースを奪われ16-17と逆転されたが、藤中謙の力強いパイプ攻撃で流れを引き寄せると、大宅の好守備で粘り、栗山のブロックで23-22と逆転。最後はカンタバット・クンミーの打点の高いスパイクを藤中謙がブロック。接戦を制し、サンバーズがセットを先取した。
第1セットだけで5本のブロックポイントを記録したサンバーズは、第2セットの立ち上がりも彭のブロックでスタート。しかし徐々に大分三好のサーブに押され、ブロックに捕まり2-4と先行される。さらに中盤、サーブで揺さぶられ、立て続けに切り返されて5-9とリードを広げられた。それでも小野や彭のクイックでリズムを立て直す。中盤には、藤中謙がダイレクトスパイクを打つと見せかけてつなぎ、大宅がツーアタックを打つと見せかけてトスを上げ、最後は彭がクイックをたたき込むという"ダブルフェイクセット"で会場を沸かせる。終盤、大分三好のブロックやサービスエースで16-22と点差を広げられたが、そこから怒涛の反撃が始まった。
小野が強力なサーブを立て続けに打ち込んでチャンスを作ると、藤中謙や栗山が巧みなスパイクで得点につなげ、5連続ブレイクで22-22と一気に追いついた。デュースに持ち込むと、堅いブロックとディグから鍬田がカウンターアタックを決め26-25と逆転。相手のネットインサーブも大宅がうまく処理し、小野が強烈なクイックを決めて相手にブレイクを許さない。最後は大宅のサーブで崩し、鍬田がスパイクを叩き込み、大逆転でセットを連取した。
第3セットは大宅、栗山のブロックで相手のレフト攻撃を抑えて7-4と先行する。しかし中盤、今度は大分三好のブロックに連続で捕まり9-9と追いつかれた。それでも、彭のクイックや藤中謙、鍬田のスパイクで流れを取り戻すと、彭のサービスエースで13-11と再び抜け出す。追いつかれても、ブロックとディグでチャンスを作り、頼れるベテラン栗山が得点につなげて17-15と再び先行。終盤には藤中謙の強力なサーブから、彭のクイックなどで3連続ブレイクを奪い22-17と一気に引き離す。最後は小野のブロックで締め、ゲームセット。今年最後のホームゲームを、2日連続のストレート勝利で飾った。
「2セット目がすべてだった」と主将の大宅は第2セットの爽快な逆転劇をポイントに挙げた。
「ああいう(6点リードされた)場面で、自分たちが焦りなく落ち着いてプレーできるようになったのは成長の表れだと思うし、チームが諦めムードにならなかったところはすごくよかった。ああいう状況すらも楽しめるチームになりたいと思っているので。それを年内最後のリーグ戦でファンの皆さんに見せられたのでよかったです」
サンバーズは10勝4敗の4位で年内のVリーグを終えた。
12月9日には今年最後の大会・天皇杯が開幕し、サンバーズは10日に初戦を迎える。
山村監督は「もちろん優勝を目標に掲げていますが、まずは(ベスト4に入り)2週目に進むこと。このチームは非常に若い世代に変わってきている。若い選手は試合を経験するほどよくなっていくので、天皇杯でも一つでも多く試合をさせてあげたい。一発勝負のトーナメントの緊張感の中で、ストレスを感じながら戦い、それを経験値につなげられれば。決勝を見据えながら、いろいろな選手にチャンスをあげられればと思っています」と語った。
2021-22Vリーグと黒鷲旗を制してきた2022年のサンバーズ。今年最後の舞台も、収穫の大きな大会にする。
<試合後のコメント>
■山村宏太監督
大分三好さんは昨日の敗戦からパフォーマンスを修正し、さらに攻めてきましたが、それに対して受けることなく自分たちのバレーボールを展開できたことが勝因。 今シーズンはここまで順風満帆ではなく、苦難の連続というか、苦しい試合を何試合も重ねてきた。戦力が揃っているからこそ負けてはいけないプレッシャーのようなものを感じていましたし、なかなか安定した戦いができていないのは苦しかった。その中でディマ(ムセルスキー)とアラインが抜けて、それでも勝たなければいけないというところで、選手たちも逆に腹が据わったというか、覚悟ができたのかなと。その意味ではいい週末だった。僕らにとって自信を取り戻す週にすることができたのかなと感じています。
■大宅真樹主将
ディマが離脱して1週目だった先週の堺戦は、少し不安の方が勝って、連敗してしまいましたが、そこから1週間かけて、クリさん(栗山)も鍬田もすごく調整してくれたので僕自身助かりました。この2週間、ディマがいない、アラインがいないという、周りから見ればマイナスな状況だと思いますが、いろんな挑戦ができるし、その中で今週2連勝できて自信もつきました。そういう劣勢の状況ですごくワクワクするというか、「これひっくり返したらかっこいいな」という気持ちで、今シーズンはプレーすることができている。コートの中ではリベロの颯志とコミュニケーションを取って、「笑顔を忘れないように」とお互いに言い合ってやれているので、すごく楽しめています。
年内のリーグを振り返ると、チームはいい仕上がりになっていると感じています。僕自身は昨季の決勝のサンバーズより、今のサンバーズの方が強い自信がある。チーム内で助け合いながらどんどん成長している。もちろんここがゴールではないので、僕自身はもっともっと攻撃の幅やバリエーションを増やして、精度を高めていきたいと思っています。
■小野遥輝選手
競り合った場面でもしっかりセットを取って、ストレートで終わらせることができたのはチームとしても収穫になったんじゃないか。年内最後のリーグを2連勝で終えられたのは、年明けのリーグや天皇杯にもつながる。(第2セット16-22の場面でのサーブについて)点差が開いていたので「攻めるしかない」という気持ちだった。チーム全員が「逆転する」というムードを作って、点差が離れていても、みんなが攻める姿勢を持っていたし、しっかりとやるべきことをやって、チームで沈まずにできたことが、点差を詰められたところにつながったのかなと思います。ただ、攻撃面では自分に任されている役割を今シーズンはまだ全然果たせていないと思っているので、そこはこれからしっかり決定率を上げていきたいと思っています。
■鍬田憲伸選手
(スパイク決定率60.0%、藤中謙と並びチームトップの13得点)自分は普段謙也さんのポジションのほうに入るんですけど、今日は謙也さんの対角に入って、フローターサーブのサーブレシーブは謙也さんと颯志の2人に取ってもらっていたので、自分は気持ちよくスパイクに専念できていた。それに、大宅さんとのコンビ、特にバックアタックのトスのタイミングをつかめてきている。また、先週の堺戦は得意なコース中心にスパイクを打っていたんですけど、そこだけだとブロックが寄ってきた時に対応できないので、今日は相手と駆け引きをしながら打ち分けていました。課題としては、ハイボールで自分の体勢が悪い時に、ちょっと迷って打っていることがあるので、打つのか、リバウンドを取るのかをはっきりさせて、もっとパターンを増やして行きたい。もっと工夫して、チャレンジしていきたいと思います。
(第2セットの劣勢からの逆転について)ああいう場面こそしっかり楽しんで、自分たちで雰囲気を作ることも意識して、得点を取った時に大げさにガッツポーズをしたり、流れを持ってこられるような姿勢を心がけてやりました。