2022-23 V.LEAGUE ジェイテクトSTINGS戦
- 開催日時
- 2022年11月20日(日) 17:05
- 会場
- おおきにアリーナ舞洲(舞洲アリーナ)
3
- 25-20
- 25-21
- 18-25
- 20-25
- 15-11
WIN
2
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1第10戦。6連勝中で4位のサンバーズは、ホーム・舞洲アリーナで7位ジェイテクトSTINGSと対戦した。
この日は試合開始からムセルスキーがエンジン全開。足元を狙ってきた相手のフェイントをきっちり拾い、カウンターアタックを決めて最初の得点を挙げると、5-5でムセルスキーにサーブが回る。強烈なサーブをきっかけにチャンスを作り、ムセルスキー、彭のスパイクでブレイクし7-5とリードを奪う。さらに、レシーバーの間にノータッチエースを決めて8-5。好守備からムセルスキーが豪快にカウンターアタックを決めて9-5と点差を広げた。その後もサーブで主導権を握り、好守備からムセルスキーやアラインの強烈なスパイク、彭の巧みなフェイントで着々と点差を広げていく。前日苦しめられたジェイテクトのサーブに対しても、リベロの藤中颯を中心に正確に返してサイドアウトを重ね、サンバーズがセットを先取した。
第2セットは互いにサイドアウトを奪い合う緊迫した展開。ムセルスキーがノータッチエースを決めて先行するが、引き離せない。セッターの大宅は藤中謙、アラインのスパイク、小野のクイックで着実にサイドアウトを重ねていく。ジェイテクトのブロックで逆転されるが、動じることなくクイックでサイドアウトのリズムを作ると、大宅のサーブで揺さぶり、ムセルスキーがジェイテクトのクイックをシャットアウトして15-14と逆転。終盤、彭が値千金のサービスエースをサイドラインぎわに決め21-19と抜け出し、最後はムセルスキーの連続ブロックで一気にセットを奪った。
ところが第3セットはコンビミスが出て0-2と出遅れる。藤中謙が、相手スパイクが顔に直撃するアクシデントでコートを離れている間に、サンバーズにミスが続き2-7と一気に引き離された。藤中謙がコートに戻り、ムセルスキーのサービスエースで追い上げるが、ジェイテクトのサービスエースなどで再びリードされる。それでも、藤中謙の力強いサーブで崩し、アラインがカウンターアタックを決めてブレイク。終盤にも連続得点を挙げ追い上げるが、届かず、セットを奪われた。
第4セットはジェイテクトのサーブとブロックディフェンスに苦しめられる。スパイクがなかなか決まらず先行されると、サービスエースを奪われて6-10とリードを広げられた。サンバーズはサーブミスが多く追い上げのきっかけをつかめない。逆にジェイテクトはサーブ、スパイクの勢いが増し12-19と引き離された。終盤、アラインの強烈なサーブでエースを奪い反撃開始。サーブで崩し、アラインが自らバックアタックを叩き込み15-19と追い上げた。しかしその後は堅いブロックとディグに阻まれて追い上げきれず、セットを落とした。試合は2日続けてフルセットとなった。
ここまでは前日と真逆の展開。しかしサンバーズは、昨季のフルセットの試合は8勝1敗、今季も2戦2勝で「フルセットに強い」と自負する。小野は「フルセットに対しては昨シーズンから自信がついている。チームとしてもう一度士気を高めて5セット目に臨めた」と振り返る。
山村監督は、「観にきて下さっている方に、何を伝えたいのか、自分のどんな姿を見て欲しいのかをもう一度思い出して戦おう」と声をかけて選手を送り出した。
その第5セットの立ち上がり、ブロックを決めた大宅が走り回ってチームを鼓舞する。そして、アラインのサーブが爆発する。
このセットは、アラインのサーブからローテーションをスタートしていた。「相手はおそらくマサ(柳田将洋)のサーブでスタートしてくるだろうと予測していた。その前に、我々はサーブ権を取っていたので、こちらはアラインのサーブでスタートして、『攻めていくぞ』という意思表示をした」と山村監督。
そのアラインが期待に応えて強力なサーブを打ち込み、自らのパイプ攻撃などでブレイクし3-0とスタートダッシュに成功した。サーブで先手を取ると、中盤はアラインが立て続けにジェイテクトのオポジット・都築仁をブロックして10-4と引き離した。サーブとブロックでプレッシャーをかけ続けたことで相手にミスが出て点差を広げ、彭のクイックでマッチポイントを握る。柳田にサービスエースを奪われ追い上げられるが、タイムを取って仕切り直したサンバーズが逃げ切り、ゲームセット。2日続けてフルセットとなった激戦を再び制し、サンバーズが7連勝で3位に浮上した。
今季、フルセットの試合は3戦全勝。やはりフルセットに強い。しかしこの日は1、2セットを連取してから2セットを取り返されただけに、試合後、選手たちは反省を口にした。
「今日はスタートが良かった分、3、4セット目がすごくもったいなかった。3ポイントを獲得できる試合だったのに、自分たちのミスで相手に流れを渡してしまった。フルセットに強い一方で、なぜフルセットになってしまうのかも考えないといけない」と小野は気を引き締めた。
勝ち続けながらも、見えた課題に向き合い、高みを目指す。次戦は4位堺ブレイザーズと、北九州市立総合体育館で対戦する。
<試合後のコメント>
■山村宏太監督
昨日とは逆の展開で、1、2セット目はジェイテクトさんの強いサーブに対してよく対応し、自分たちのペースで試合を進められた。3セット目、自分たちのミスや(藤中)謙也のアクシデントで流れを失い、そこから自分たちのリズムを取り戻すのに時間がかかってしまった。やはり主導権を簡単に渡してはいけないという教訓になったと思う。
(第5セットはアラインが流れを引き寄せた)アラインの調子がよく、「俺がやってやる」という気持ちが態度に出ている時はチームも強い。彼は気性が荒そうに見えて、実は真面目で優しくて、すごくかわいいんですけど、だからこそ、自分のプレーでチームの足を引っ張ったりするとものすごく気にしてしまい、自分で調子を悪くしてしまう。だから僕らスタッフや、コートにいる先輩たちは、「そんなこと気にしなくていいよ」と伝えて、アラインが自分らしくコートの中で表現できるようにしてあげるのが仕事。今日は大宅がずっと声をかけていたし、それを表すためにも5セット目はアラインのサーブからスタートした。「攻めるぞ」という意思表示。そういうことにみんなが応えてくれたのが何よりうれしい。
■彭世坤選手
1、2セット目は自分たちのリズムで順調に取れたんですけど、3セット目に流れが変わってしまい、難しい試合になった。流れが変わった中で、自分のリズムを取り戻すのが難しいところがあったが、チームとして一丸となって、最終的に勝てたことはとても大きい。3、4セット目は取られてしまったが、5セット目に入る時には、自分はまったく負けるとは思っていなかった。「絶対に勝つ」という気持ちでコートに入ることができた。
■藤中颯志選手
今日は昨日の3セット目以降の流れに乗ったままスタートすることができたが、3セット目の序盤から相手のサーブに苦しめられたり、謙也選手が一度コートから離れたということもあり、相手に流れを持って行かせてしまった。ああいう時にもう一度こちらに流れを引き戻せるようにならなければと感じた。
この2日間を振り返ると、昨日の1、2セット目のサーブレシーブは本当に自分の中で全然ダメだった。でもそのあとのハーフタイムでロッカーに戻った時にみんなが声をかけてくれた。兄(謙也)に胸をボンッと叩かれたのが印象的でした。たぶん「あんまり気にすんなよ」という意味だったと思うんですが、そこで「あ」と、「頑張らなきゃ」という感じになった。ジェイテクトさんのサーブは本当に強いサーブではあるんですけど、自分も普段強いサーブを相手に練習しているので、ジェイテクトさんのサーブも返せるという自信を、もう一度持ち直せた。あとはレシーバーの間でやられることが多かったので、そこは自分と兄が中心となって話して迷いをなくし、今日は昨日より相手のサービスエースを減らすことができた。
(ジェイテクトの藤中優斗選手も出場し、藤中3兄弟がコートに揃ったことについて)周りからの反応が自分の想像よりも大きくて、そこはちょっと意識せざるを得なくなっている(苦笑)。プレー中は本当に意識していないんですけど、サーブの前などに相手コートを見た時に、自分の横に兄(謙也)がいて、向こうに兄(優斗)がいるというのはやっぱり新鮮というか、自分の人生で初めてのことだったので、こういう舞台で3人揃うのはありがたいことだなと感じた。