2022-23 V.LEAGUE ジェイテクトSTINGS戦
- 開催日時
- 2022年11月19日(土) 12:05
- 会場
- おおきにアリーナ舞洲(舞洲アリーナ)
3
- 17-25
- 24-26
- 25-22
- 25-14
- 15-13
WIN
2
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1第9戦。5連勝中で4位のサンバーズは、ホーム・舞洲アリーナで7位ジェイテクトSTINGSと対戦した。
第1セットの立ち上がり、サンバーズは藤中謙の好守備を彭がブロックで得点につなげたり、アラインが気合いの乗ったカウンターアタックを決め3-0とスタートダッシュに成功する。ところがそこからジェイテクトの強力なジャンプサーブに苦しめられる。レシーバーの間にノータッチを決められ追い上げられ、スパイクミスが出て6-6と追いつかれた。藤中謙がインナーのコースに鋭いスパイクを決めて連続失点を切るが、ミスが出て8-9と逆転される。中盤には連続サービスエースを奪われるなど4連続失点して10-15と引き離された。終盤もサーブで崩され、ダイレクトスパイクを決められたり、エースを奪われて点差を広げられる。逆にサンバーズはサーブで崩しても得点につながらず、昨シーズンまでサンバーズに在籍した柳田将洋やスロベニア出身のウルナウト・ティネの多彩なスパイクを封じられず、セットを奪われた。
第2セットは藤中謙のパイプ攻撃でブレイクし3-2と先行するが、ジェイテクトの守備に粘られて逆転される。彭のブロックや小野のクイックで食らいつき、相手のミスで追いつくが、サービスエースを奪われたり、つなぎにミスが出て8-11とリードされた。それでも、藤中謙の好サーブで崩してミスを誘い追い上げる。彭のサーブで崩し、ムセルスキーのカウンターアタックや小野のブロックでブレイクし16-15と逆転。小野のブロックで粘り、相手のパイプ攻撃をムセルスキーがシャットアウトし19-17とリードを奪った。ところが、一気に引き離すチャンスでミスが出てたたみ掛けられない。すると終盤、サーブに崩されて切り返され22-23と逆転された。アラインの強烈なパイプ攻撃でデュースに持ち込むが、最後もサービスエースを奪われて競り負け、セットを連取された。
後がなくなった第3セットは小野がサービスエースを奪い4-3と先行。ところが、柳田に2本連続でノータッチエース奪われ4-6とリードされた。それでも、彭のブロックで相手の勢いを封じ、彭がサービスエースを奪い8-8と追いつく。中盤には藤中謙のサーブで揺さぶり11-10と逆転。さらに、小野の好守備をムセルスキーが得点につなげるなど、連続ブレイクで14-11と点差を広げた。守備が機能し始めたサンバーズは、アラインの好守備から藤中がカウンターアタックを決め17-13とリードを広げる。サーブレシーブが崩れても大宅がツーアタックを決めてカバーし、リードしたまま終盤へ。ブロックに捕まって追い上げられるが、彭が巧みなサーブで崩して逃げ切り、セットを取り返した。
第4セットはサンバーズのブロックとディグががっちりとはまる。藤中謙のサーブで揺さぶり、アラインのブロックタッチやリベロ・藤中颯のディグでジェイテクトのスパイクを拾い、小野、アライン、ムセルスキーのスパイクでブレイクし5-2と先行。さらに、藤中謙が相手レシーバーの間や、コートの角に連続でノータッチエースを決めて7-2と引き離した。彭のブロックで相手のブレイクを阻んで流れを渡さず、中盤は好守備をムセルスキー、小野が得点につなげて13-7と点差を広げた。その後も彭のブロックやムセルスキーの強烈なサービスエース、藤中謙のカウンターアタックなどで大差をつけ、試合をデュースに持ち込んだ。
第5セットは互いにサイドアウトを奪いあう緊迫した展開。サンバーズは小野のクイック、ムセルスキー、アラインのスパイクなどで得点を重ねる。アラインが強烈なサーブを打ち込み、大宅の好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決め、このセット初めてのブレイクで6-5と先行。さらに、彭のサーブで崩し、3枚ブロックで仕留めたり、ムセルスキーのカウンターアタックで9-6とリードを奪った。そして藤中謙が相手コートのサイドライン上に、この日3本目のノータッチエースを決め12-8とリードを広げた。ジェイテクトのサービスエースやカウンターアタックで13-12と迫られるが、ムセルスキーのスパイクで流れを切りマッチポイントを握ると、最後は彭がクイックを叩き込み、15-13でゲームセット。2セットダウンからの大逆転で、連勝を6に伸ばした。
試合前半は相手のサーブに押され、1、2セット目だけで6本ものサーブポイントを与えた。しかし、アラインが「(隣のレシーバーとの)間のボールで迷っていたけど、3セット目の前にリベロの藤中颯とちゃんと話し合ったし、(強いサーブは)とにかくコートの真ん中あたりに上げようと思って、試合の中で修正できた」と振り返ったように、徐々にサーブレシーブを立て直せたことでコートが落ち着いた。逆に藤中謙が第3セット以降3本のサービスエースを奪うなど、サンバーズのサーブとブロックディフェンスが機能し、展開が逆転した。
苦しみながらも逆転で勝利をつかみ取り、大宅主将は「昨シーズンのファイナルより今の自分たちの方が強いんじゃないかと僕自身は感じている。でもそれは他チームにも言えること。Vリーグ自体のレベルが上がっているので、1試合1試合が苦しい試合になりますけど、その分、楽しめているというか、レベルの高いバレーができている」と充実感を漂わせた。
次戦もホームで連勝を伸ばし、上位浮上を狙う。
<試合後のコメント>
■山村宏太監督
今日は1、2セット目、相手の強いサーブに苦しめられ、直接失点が多かった。どのチームも基本的にアラインをターゲットにしてサーブを打ってくるが、今日のジェイテクトさんは、まずはパワーサーブを得意なコースに打っていこうという狙いだったのかなと感じる。それに対して「こっちには打ってこないよね」と、予測が不足していたところがあったのかもしれない。2セット目のあと選手たちがよく立て直して、それ以降はいい試合ができたと思う。
■大宅真樹主将
相手のサーブにやられたというところもあったが、1、2セット目に関しては、自分のトスに迷いがあった。(日本代表でチームメイトだった)関田(誠大)さんとネットを挟んで対戦するのが久しぶりだったので、意識していた自分がいた。代表で、彼のうまさやトス回しというのを肌で感じて、それを自分も身に付けたいし、身に付けたところを見せつけたいという変な感情が最初あって、関田さんがクイックを使ったら自分もクイックを使ってやろうとか、そういう自分中心なバレーボールをやってしまった。それではチームとしてうまく回らないのは当然だなと気づいたので、3セット目から修正できた。そういう敵対心も大事だと思うが、まずはチームとしてやらなきゃいけないことをやった上で、そういうところをプラスアルファしないと。順番が逆になっていた。3セット目からはスパイカーを信じて上げることを意識して、リズムをつかむことができた。
■藤中謙也選手
1、2セット目は僕たちの硬さが出たセットだった。相手のサーブに対応するのが難しかった。この試合自体、いろいろな意味でエモーショナルな試合で、それぞれがいろんな思いを持ちながら臨んだ試合だったと思うので、少なからずそれは影響したと思うが、コートの中で、相手よりもまず自分たちのプレーをしようと声を掛け合い、それが3セット目以降につながったんじゃないか。(昨シーズンまでチームメイトだった柳田将洋選手と初対戦)やはり改めて彼の頼もしさというか、敵になったので怖さというのを知ることができたし、逆に、僕らもサントリーというチームの怖さを、与えられていたらいいなと思う。明日はスタートからしっかりと、相手を意識することなく、自分たちのプレーをできたらと思う。
(試合途中から藤中優斗選手が出場し、藤中3兄弟がコートに揃った)僕らは周りの人ほど何も思っていない(苦笑)。周りからのあおりというか、期待というか、目線があるので、多少は意識させられる部分はあるが、それぞれに役割があるので、そこをそれぞれがまっとうしていただけかなと思う。3人揃ってコートに立つというのは初めてのことだったので、今日会場に来ていた両親は楽しみにしていたと思う。
■ドミトリー・ムセルスキー選手
試合の前半は単純なミスが目立っていたけれど、途中からは冷静に、出てきた困難を克服できて、いろんな意味で勉強になった試合だった。課題はしっかりと分析しなければいけないけれど、とにかく勝てて嬉しく思っている。これからもうまくいかないことは出てくると思うけれど、我々の強みは、例えばすべての項目において素晴らしい数字を出しているとか、リーグの最初から最後まで安定したバレーをしているといったことではなく、メンタル的にすごく強くなっていることだと思う。相手が誰かは関係なく、最後まで諦めないという精神が、このチームの強いところだと思う。