2022-23 V.LEAGUE JTサンダーズ広島戦
- 開催日時
- 2022年11月12日(土) 14:00
- 会場
- 鳥取県民体育館
3
- 25-19
- 25-14
- 25-19
WIN
0
試合経過
<試合経過レポート>
2022-23V.LEAGUE DIVISION1第7戦。3連勝中で5位のサンバーズは、首位のJTサンダーズ広島と対戦した。
第1セットの立ち上がりから、サンバーズはディフェンスが機能する。リベロ・藤中颯の好守備で粘って相手のミスを誘ったり、ムセルスキーのカウンターアタックなどで4連続得点を挙げ4-2と先行した。そしてこの日はアラインが序盤から好調。強烈なサーブでエースを奪い8-5とリードを広げた。彭も好サーブで立て続けに崩してチャンスを作ると、大宅が打つと見せかけて上げたトスに、小野がしっかり反応してクイックを決め11-6。彭のサービスエースで12-6とした。その後は互いに好守備の応酬。サンバーズは藤中颯やアラインが好守備を連発するが、それが得点につながらず12-10と迫られた。それでもアラインのパイプ攻撃で流れを切ると、小野がクイック、ブロックで連続得点を奪い16-11と再び引き離す。終盤も藤中颯が相手の強力なスパイクを再三拾い、それをアラインが得点につなげる。追い上げられても、藤中謙のブロックで相手の流れを断ち、セットを先取した。
サーブとディフェンスで主導権を握ったサンバーズは、第2セットも手を緩めることなく攻め続ける。ムセルスキーが強力なサーブでエースを奪い4-1と先行。好調のアラインも立て続けにパワフルなサーブを打ち込んで相手のミスを誘い8-2と引き離した。中盤もサーブからのブロックディフェンスが機能し、それを小野のクイックなどで得点につなげて12-5と点差を広げる。その後もサンバーズはサーブで揺さぶり、好守備で流れを渡さない。JT広島の強力なサーブも藤中颯がきっちりと返して小野がしっかりとサイドアウトを切る。終盤も、リリーフサーバーとして入った西田が好守備で粘って得点につなげ、セットを連取した。
第3セットはJT広島のサービスエースなどで1-4とリードされるが、小野のクイックで攻撃のリズムを作ると、彭が相手のクイックをシャットアウトして7-7と追いつき、好守備から彭のクイックで切り返して9-8と逆転。中盤には、藤中謙のジャンプサーブで立て続けに崩しリードを広げる。大宅がボールに食らいついて拾ったり、藤中颯がブロックフォローに飛び込むなど、点差が開いても集中力を切らさず、ボールを落とさないサンバーズが5連続得点で17-11と引き離した。終盤も小野のサーブから、彭のブロックやクイックなどでブレイクし21-12と大差をつけた。その後、サーブで揺さぶられ連続失点したが、彭のクイックで流れを切り、最後はリリーフサーバーの西田、ワンポイントブロッカーの柏田の投入が得点につながり、セットカウント3-0でサンバーズが勝利した。
この日はサーブが走り、データ分析をもとにしたブロックとディグのシフトがはまり、JT広島のアタック決定率を29.1%に抑えた。試合の立ち上がりからリベロの藤中颯がスパイクを次々に拾ったことで、相手スパイカーにプレッシャーを与えてミスを誘い、本来の攻撃力を発揮させなかった。山村宏太監督は「相手にミスをさせる状況を作った(藤中)颯志は間違いなく今日のMVP」と讃えた。
攻撃面では、セッターの大宅がクイックやパイプ攻撃を巧みに多用し相手を翻弄。ミドルブロッカーの小野と彭が8本中7本のスパイクを決めるなど、スパイカー陣も高い決定率で応えた。
攻守ともに目指していたかたちを実現し、会心の勝利で連勝を4に伸ばしたサンバーズ。次戦も相手に隙を見せることなく、5連勝で上位浮上を目指す。
<試合後のコメント>
■山村宏太監督
JT広島さんは大型補強もされて非常に力のあるチーム。その相手に対して、選手たちの集中力、モチベーションがかなり高い状態でいいスタートを切ることができた。うちは最近、試合のスタートがよくないことが課題だったが、今日のようなスタートを切ることができれば、相手の力を発揮させずに、我々のやりたいバレーボールができるということが確認できた。
相手のオポジットの江川選手の、ストレート側のディグを(藤中)颯志にチャレンジさせるという作戦を取って、颯志はよくそれに応えてディフェンスしてくれた。あそこのスパイクで相手を乗せてしまうと、どんどん(打ってくる)コースも広くなってやれることも増えてしまうけれど、ディフェンスが機能したことで、結果的にミスを誘発することができた。今日はブロックとディフェンスが機能したことが相手を苦しめたと思うし、相手にミスをさせる状況を作った颯志は間違いなく今日のMVPだと思う。
■小野遥輝選手
今上位にいるチームにストレートで勝ったことは今後につながる。チームとしてのパフォーマンスは今日すごくよかった。これまでの6戦はなかなかうまくいかないところもあったが、今日はこういうプレーができたので、ここをスタンダードにしていきたい。今日はサーブで崩して相手のクイックをなくし、両サイドに絞って、比較的自分たちの型にはめることができた。それでも高さのある相手なので、ブロックを揃えても上から打たれる場面もあったが、そこをレシーバー陣が拾ってくれたり、相手のやりたいバレーをさせなかったことが、こちらのやりやすさに変わってきたんじゃないかと思う。
僕は攻撃面で託されている部分が大きいと思うんですが、今季ここまでの試合ではなかなか決めきれていなかった。うまく打てずにシャットされたり、コースが甘くてタッチを取られたりするケースが多く、打つ場所やコースを工夫しないと決められないと実感していた。コース幅を広く打つことやテンポを意識し、相手ブロックが来ていてもしっかりかわしたり、ブロックを利用したりということを今週は特に意識してやってきていた。今まで「決めなきゃ決めなきゃ」と力んでいた部分もあるが、今日は力まずに、広いマインドを持ってできたことも結果につながったのかなと思う。この感覚を忘れずに、今後も改善しながらやっていきたいと思う。
■藤中颯志選手
1位のJT広島さんに対して、「勝たなければ」というより「全員で勝ちにいこう」という思いをチーム全体で共有しあえていたので、プレッシャーにならずに、普段通りのサンバーズのプレーができていたのかなと感じる。ブロックとディグの関係性については毎試合話をしているが、今日は特にはまった。相手のライト側のストレートスパイクに対しては、ブロックがすごくよかったので見やすかったし、ミーティングで話していたことが試合に出せたことはよかった。
僕は、リーグ2連覇しているチームに今季入って、「勝たなければいけない」というプレッシャーが自分の中にすごくあったのかなと、これまでの試合を振り返ってみると感じるが、今日はすごくリラックスして試合に臨むことができ、それがよかったのかなと思う。